February 19, 2017

タイヤもサドルも盗ませない

自転車の盗難対策にはいろいろあります。


盗ませないよう、新しい素材や工夫により、切断や破壊を困難にしたロックばかりではありません。モーションセンサーによって異常を検知し、持ち主のスマホに即座に通知を送る製品なども出てきました。GPSを使って、追跡できるようにしたものなど、いろいろな提案がされています。

一般的な従来型の盗難防止策であれば、やはりU字錠を使うのがベターでしょうか。ワイヤーやチェーンよりも切断や破壊されにくいとされています。もちろん、プロが使うような道具を使えば、どんなロックでも破られてしまうといいますから、絶対のものではありません。

しかし、少しでも盗みにくい状態、盗むのに時間や手間がかかる状態にしておけば、それだけ盗まれる可能性は減ります。泥棒にとっては、いくらでも獲物があるわけですから、わざわざ盗みにくいものより、より容易なものを選ぶであろうと考えられます。

U字錠であっても、強力な電動ノコギリを使ったり、場合によっては局所的に液体窒素などを使って急冷し、粉砕するような手口もあると聞きますから、完璧はありません。しかし、工具の入る隙間を減らしたり、なるべく高くて力の入りにくい位置で施錠するなど、盗む作業をしにくくすると、相対的には有効だと言います。

ABUSU型ロック

ただ、そんなU字錠で防ぎにくいのが、パーツの盗難です。具体的には前後のホイールやサドルということになります。本体のフレームだけでなく、前後輪とサドルをU字錠で施錠するのも可能ですが、現実問題としては難しいものがあるでしょう。

4つもU字錠を携帯するのは重くて邪魔ですし、4つ同時に施錠できるような構造物というのは、なかなか見つけられないと思います。現実的には、前後輪を外してフレームと併せてU字錠で施錠することになると思いますが、面倒なのは否めません。サドルも外して通すのは、さらに大変でしょう。

そこで、前後輪やサドルについては、ワイヤーなどを併用するのが現実的な方法となります。でも、比較的切断されやすいため、ホイールやサドルだけ盗まれるようなケースもあるようです。ちょっとした工具があれば、ワイヤーを切断してホイールを外すのに、10秒もかからないでしょう。

ABUSKryptonite

これからスポーツバイクに乗ろうと考えている方も検索サイトからいらっしゃるので、一応説明しておきます。世間一般には知らない人が多いのですが、スポーツバイクはママチャリと違って、前後のタイヤをフレームから簡単に外せるようになっているものが多いのです。いわゆるクイックリリースという仕組みです。

ママチャリのパンクを修理するため、近所の自転車店に持って行くと、ホイールはフレームに取り付けられた状態のまま、タイヤ部分を外し、中からチューブを引っ張り出し、穴の開いた部分を探すことになるでしょう。その穴をパッチでふさいで元通りにします。

穴の開いた場所を探すのに手間取ることもありますが、慣れた自転車屋さんなら、それほど難しい作業ではありません。しかし、タイヤが本体から簡単に外れるならば、もっとパンク修理はラクになります。穴をふさぐのではなく、チューブやタイヤを交換してしまうことも出来ます。

NutFixしかし、多くのママチャリは、このタイヤを取り外すということが、とても面倒に出来ているのです。製造時から、ふだんタイヤを外すことを想定していないため、簡単には取り外せません。試しに、ママチャリの構造をじっくり観察してみれば、その作業が困難なものになることが想像できるでしょう。

ホイールだけでなく、チェーンカバーや荷台のステーなどが一体となっていたり、ハブダイナモだったりと、分解が面倒に出来ています。やって出来ないことはありませんが、やる気が起きる人は少ないはずです。実際問題として、自転車屋さんだって、相応の手数料でないと割に合いません。

スポーツバイクの場合、クイックリリースによって、ホイールが簡単に外れるため、パンク修理やチューブの交換、メンテナンスなどが簡単に出来るようになっているのです。このことは、便利な反面、タイヤだけ盗まれやすいというデメリットをもたらすことになります。

クイックリリースをやめて、普通のナットにしても意味がありません。スパナで簡単に外すことが出来てしまいます。サドルも高さ調節が必要なため、シートポストごと抜くのは簡単です。よって、これらのパーツだけ盗まれるような被害が実際に起きています。

近年は、ネットオークションやフリマなど、個人でもネットを使って中古のパーツを売るのは簡単です。便利で、パーツ入手の選択肢を増やすものである一方、盗品を簡単に売りさばくことを可能にしています。ホイール等だけ盗んで、パーツとして売りさばく犯行が成り立つわけです。

NutFixNutFix


さて、そんな現状に対抗すべく、タイヤやサドルの盗難防止の為の製品が開発されました。その名も“NutFix”です。これをクイックリリースの代わりに取り付けることで、前後のホイールを取り外せなくなります。シートクランプ用を使えば、サドルをシートポストごと取り外すことも出来なくなります。

取り付ける際には、ナット部分を締め付けるわけですが、この部分にカバーがかぶさり、自転車が直立した状態では、このカバーをずらして、ナット部分を露出させることが出来ない仕組みです。一方、自転車を地面に寝かした状態であれば、簡単にカバーをずらし、スパナでナット部分を回すことが出来ます。

NutFixNutFix

自転車を寝かした状態で駐輪・施錠する人はいないでしょう。そんな人は見たことがありません。自転車はタイヤが接地して起きた状態、普通の状態で施錠すると思います。普通の状態で、U字錠などを使って、しっかりした構造物に固定すれば、自転車を寝かした状態にすることは出来ないはずです。

つまり、U字錠が破壊されない限り、自転車を寝かした状態にすることは出来ず、“NutFix”も外すことが出来ないことになります。いずれにせよ、U字錠が破壊されてしまえば、まるごと盗まれてしまうわけですから、これで十分と言えば十分です。

NutFixNutFix

NutFixNutFix

この“NutFix”を使っていれば、U字錠でフレームを施錠するだけで、ホイールやサドルをチェーンでつないだり、いちいち外してフレームごとU字錠で施錠する必要はなくなります。これによって、パーツの盗難防止の手間が不要になるわけです。

パンク修理などが必要になった場合は、地面に寝かせ、スパナで回して外すことになります。クイックリリースよりは面倒ですが、それほど頻繁に外すことはありませんから、これでも充分でしょう。なるほど便利です。この、“NutFix”は今年早々から発売される計画のようです。

NutFixNutFix



実際に使ってみたわけではないので、本当にカバーが動かせないのか、どの程度盗難対策として有効なのかは、わかりません。もし、想定のように機能するならば、パーツの盗難対策として、便利で有効な選択肢となりそうです。有効性が確認されてヒットすれば、日本でも入手できるようになるでしょう。

ホイール単体でも、高価なものは高価です。そのようなホイール、高価なサドルを使っている人には朗報となるかも知れません。とてもシンプルな仕組みですが、パーツ盗難を防ぐ部品、新たな盗難対策として、有効な選択肢となってくれることを期待します。




トランプ政権は前例のないような事態が続き、だんだん雲行きが怪しくなっていますけど、大丈夫なのでしょうか。

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