April 05, 2017

独創的と独りよがりは紙一重

世界中に自転車乗りがいます。


日常生活に活用している人、自転車が好きで乗っている人、仕事に使っている人、いろいろだと思います。自転車に乗る場所やスタイルもそれぞれ違うでしょう。それによって、乗る自転車の種類も変わってきますし、自転車用品に対するニーズも違ってくるはずです。

前回は、いろいろな発想、アイディアを元にしてクラウドファンディングサイトで資金調達しようとする人たちについて取り上げました。新しい自転車用品を開発してビジネスを立ち上げようと考える人たちです。秀逸なアイディアがある一方で、資金調達に成功しないアイディアもたくさんあります。

優れた発想や、キラリと光るアイディアを見るのは面白いですが、失敗作を見て、その理由を考えてみるのも興味深いものがあります。そこで、今回も前回に引き続いて、調達に失敗し、日の目を見なかったアイディアを、いくつか見てみたいと思います。

belliobellio

こちらは、“bellio”、自転車用のベルです。多くの国で装着が義務付けられている保安用部品で、いろいろな形や音色はあるものの、定番の自転車用品です。それを、従来のアナログなものではなく、デジタルなベルにしようというアイディアです。例によってスマホを使います。

このデジタル時代、ハンドルバーにはベルを取り付けるスペースがない人もいるだろうと想定していますが、果たして、そんな人がいるのでしょうか(笑)。ハンドルバーにはボタンだけ取り付けておき、ベルの音は、携行するスマホから流すという仕組みです。

belliobellio

たしかに、スマホを使えば、音色を変えたりすることも可能です。通常のベルの音以外に、ラッパの音やクルマのホーン、犬や鳥、牛の鳴き声などにすることも可能です。普通のベルより大きな音も出せますし、1回押すだけで、連続して鳴らすことも出来ます。指が疲れません。

オフロードで山深い場所を走る場合、地域によってはクマに遭遇する危険もあるでしょう。クマよけのベルのモードもあります。このモードにすれば、断続的にベルが鳴り続けますので、クマよけのベルを腰からぶら下げているのと同じ効果を発揮するというわけです。



自転車に限ったことではありませんが、これは便利そうだと思って、スマホに入れたアプリを、結局ほとんど使わないことはないでしょうか。スマホのアプリは、いろいろなものを代用できて便利な場合もありますが、自転車のベルは従来のものでいいと思った人が圧倒的に多かったものと思われます。

30人ほどが応じましたが、目標金額の1.7%程度しか集まらず、調達失敗です。近年、なんでもIT化する傾向が顕著ですが、そんな時代であっても、アナログで十分なものは多いはずです。バッテリーが切れても鳴りますし、イヌの鳴き声で驚かす必要はないということでしょう。

Mini Mobile Bike CartsMini Mobile Bike Carts

こちらは、“Mini Mobile Bike Carts”です。これを使えば、移動式のカフェなどの商売が始められるという触れ込みです。作者は、このミニモバイルカートを世界に提供し、誰もが自分のマイクロビジネスを始められるよう助けたいと訴えました。

このような用途のカートは、これまでにも取り上げたことがあります。実際にチェーンとして世界中で稼働させているフランチャイズ企業もあります。それらと比べると、明らかに小さいと思います。個人的に屋外でのコーヒータイムを楽しむくらいならいいですが、ビジネスで使うには明らかに容量不足でしょう。



おそらく、この作者は実際に商売に使ってはいないものと思われます。動画を見ると、マイクロビジネスを始めてリッチになろうと、盛んにアピールしていますが、これでは商売として成り立たせるのは難しそうです。むしろ本人が、これをビジネスにして、リッチになりたいという意気込みが伝わってきます(笑)。

Mini Mobile Bike CartsMini Mobile Bike Carts

もちろん、商売用として使わなくてもいいわけですが、結局目標金額の10%程度しか集まらず失敗です。カート自体に特別工夫があるわけでもありません。失礼ながら、これがあればビジネスが始められてリッチになれるというアピールには無理があるというところでしょうか。

Bike Sunglass Holding DeviceBike Sunglass Holding Device

こちらは、“Bike Sunglass Holding Device”という装置です。デバイスとなっていますが、要はサングラスホルダーです。サングラスをかけていない時に、ステムの部分に固定しておくことが出来ます。言われてみれば、自転車用サングラスホルダーというのは、あまり見たことがありません。

作者はトライアスロン歴が長く、何度もサングラスを落としたそうです。しかも同じ日に3回落とした経験を持ちます。それで考えたわけですが、これなら走行中でも着脱出来ますし、落としたり、ジャージの背中のポケットと違って、しまうのに手間がかかったり、イライラしないという利点を挙げています。

Bike Sunglass Holding DeviceBike Sunglass Holding Device

一応、空気抵抗まで考えてデザインされているそうです。作者本人にとっては必需品、こんな便利なものはないという会心のアイディアのようです。しかし、残念ながら、15人から6%程度の支持しか得られず、資金調達とはなりませんでした。



おそらく、レースなどに参加した際、サングラスがくもったり、一時的に外したいと感じた経験のある人、これは便利だと感じた人もいたと思います。ただ、多くはなかったようです。自分が必要と思ったり、便利と感じたものでも、それが多数派とは限らないということでしょう。

StowawayStowaway

こちらは“Stowaway”、自転車を天井まで持ち上げて収納するラックです。それなりの天井高のある場所であれば、天井付近に持ち上げて収納しておけば便利ということはあると思います。廊下などで通行の邪魔にならないようにしたり、ガレージのスペースを有効活用したり、使えるシーンはありそうです。

住んでいる家にもよりますが、これが便利な人もあるでしょう。実際に同じような装置は売られています。想定する販売金額も、99ユーロと妥当なところではないでしょうか。しかし、185人から支持を受けたものの、目標金額の25%程度にとどまり、調達は失敗です。

Stowaway

アイディア倒れでもなく、金額も妥当と思われますが、目標調達金額が10万ユーロ、日本円で1千2百万円ほどと、高額だったため届かなかったようです。これを一から製造するには、このくらいの資金が必要との見積もりなのでしょう。ただ、既存の金属製品のメーカーなら、もっと少ない金額で製造可能と思われます。



ただ、それほど台数の出る製品ではなさそうです。一定のニーズがあって、製品として問題のないアイディアでも、それをクラウドファンディングで資金調達し、採算の取れるビジネスとして成り立たせるのは簡単ではないということなのでしょう。

Bike PouchBike Pouch

こちらは、“Bike Pouch”、自転車に乗るときに、必要なものを運ぶための完璧なソリューションという触れ込みになっています。実際には、ハンドルバーに取り付けて、必要なものを運ぶための箱です。ちょっと宣伝文句が大げさな気がしないでもありません(笑)。

ライトも内蔵して、夜間はフラッシュライトになるという機能も備えているものの、運べるものはドリンクボトルとスマホかミュージックプレーヤーくらいに限られます。これでは、自転車に乗るときに必要なもの、携行したいものとしては、やや限定されすぎている気がするのは私だけでしょうか。

Bike PouchBike Pouch

簡単に取り外せて便利としていますが、必ずしも箱型である必要はありません。必ずしもハンドルバー上でなくてもいいでしょう。完璧なソリューションと主張するのは、失礼ながら独りよがりの感が否めません。27人、3%程度しか集まらず、調達は失敗しています。



こうして見てくると、一口に自転車乗りと言っても、何が便利で、何を欲しいと思うか、人それぞれです。かなり違いがあります。ここに挙げたものは、ニッチなニーズを狙ったとは言え、やはり、新しい自転車用品を生み出すのは、そう簡単ではなさそうです。




北朝鮮がまた弾道ミサイルを発射、核能力獲得まっしぐらです。トランプ政権との衝突も現実味を帯び心配です。


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