June 16, 2017

自転車用品のイノベーション

自転車用品に求められるものも変わっていきます。


前回とその前の2回にわたって、自転車用品のうち、ヘルメットについて見てきました。最近は単に頭部を保護するだけのものではなく、新たな機能を取り入れたヘルメットが開発されていること、また、着用を促すために可搬性やファッション性などにも配慮した製品が登場していることを取り上げました。

それでは、さらにこの先ヘルメットはどのように進化していくのでしょうか。最近のトレンドから、近未来のヘルメットの進化について考えてみたいと思います。これまで見てきたような、単に道具としての商品性が改善されていく以上の変化が、ヘルメットに起きる可能性があります。

Head-Up DisplaysHead-Up Displays

まず考えられるのは、ヘルメットも身近な商品の一つとしてIT化し、さらにIoTの波にさらされていくことです。自転車自体もそうですが、走行中のサイクリスト自身がインターネットにつながり、走行データもリアルタイムに収集・蓄積されるような方向になっていくでしょう。

走行中にネットに接続し、情報を取得したり、仲間とコミュニケーションをとったり、SNSを使うようになることも容易に想像されます。その際、ヘルメットは重要なインターフェイスになるはずです。例えば、ヘッドマウントディスプレーがヘルメットに搭載されることは十分考えられます。



現在のように、ハンドルバーなどに固定したスマホをナビゲーションに使うのではなく、ヘッドマウントディスプレーや音声案内などで、より安全に情報が取得できるようになる未来です。ネットに接続してのコミュニケーションもヘルメットに集約されていく可能性は高いでしょう。

最近は、スマホの次にくる製品として、AIスピーカー(スマートスピーカー)が注目されています。家庭向けの据え置き型音声認識端末です。スピーカーに話しかけると、会話型のAI(人工知能)が知りたい情報を検索したり、音楽を再生したり、家電を操作してくれたりするというものです。

Smart HelmetSmart Helmet

すでにアマゾンなどが商品化しており、アメリカでは急速に市場が拡大していると言います。スマホを操作しても同じことは出来ますが、わざわざスマホを持って、指で操作したり、文字を入力したりしなくて済みます。ほかのことをしながらでも、会話によって操作が可能になるわけです。

このインターフェイスは、自転車乗車中にも持ってこいです。走行中にスマホを操作するのは危険ですが、音声で指示することで必要な操作ができれば、ラクで安全になります。例えば、AIスピーカーをヘルメットに取り付けることは当然考えられます。自転車以外でも使えます。すでに資金調達も始まっています。

Smart HelmetSmart Helmet



クルマの自動運転には、周囲の状況を把握するためのカメラやセンサーが多数必要になります。既にスマホの普及もあって、カメラや画像センサーの進化は著しいものがあり、価格も安く、小型になっています。これをヘルメットに組み込むことも十分に考えられます。

まず、加速度センサーなどと組み合わせ、事故の際の記録を残すことが考えられます。航空機で言うブラックボックスのような役割です。もう既に珍しい発想ではありません。これは“Helmet of Justice” という以前に制作されたヘルメットですが、カメラを7台搭載し、360度の動画記録を可能にしています。

Helmet of JusticeHelmet of Justice

ブラックボックス、あるいはドライブレコーダーとしてだけではなく、将来は、これがネットに接続され、AIでリアルタイムに画像を解析するようになることも考えられるでしょう。サイクリストの死角になっている方向からの危険をAIが判断し、注意を促したり、回避させるようなことも可能になるかも知れません。

前回、持ち運びの点で、折りたためるヘルメットがいろいろ開発されているという話をしました。たしかに、ヘルメットはかさばりますし、カバンなどに入れば便利です。しかし、将来はさらに素材技術などが進化するでしょうし、軽量化も進むはずです。

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未来のヘルメットは、ちょうどヘッドフォンをそうするような感じで、首の周りに常にかけておくようになるかも知れません。必要な時はワンタッチでヘルメットの形になります。これならば、ヘルメットのオンオフを切り替えるだけで、持ち運びを意識する必要はありません。

さらに、マイクやスピーカーなども組み込まれ、スマホを使うインターフェイスとなれば、自転車に乗らない時に首回りにかけておいても無用の長物とはならないでしょう。ヘッドマウントディスプレーも含めて、ヘルメットはウェアラブルコンピュータとなっていく可能性も否定できません。

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さらに、素材技術ということで言えば、従来のヘルメットの概念を覆すような製品が登場してもおかしくないでしょう。例えば、もっと柔軟性があって、頭にフィットするようなヘルメットです。スイミングキャップのようにピッタリとフィットする一方で、衝撃を和らげる機能を持つ、言わば柔らかいヘルメットです。

さらに装着感が向上して、一日中かぶったままでも違和感のないヘルメットが出来ないとも限りません。持ち運ぶのではなく、自転車乗車中でなくても常に装着しておくわけです。常時頭部を保護しておけるのもメリットです。服を着るのと同じように、ヘルメットを着て外出するのが当たり前になる可能性もありそうです。

FLEXIBLE HELMETFLEXIBLE HELMET

写真のヘルメットは、サーフィン用のヘルメットとして構想されたものです。もちろん、今サーファーがヘルメットを着用しているのを見ることはありません。しかし、自分のサーフボードが頭を直撃したり、浅い場所で海の底に叩きつけられたりと、サーフィンでも頭部の保護の必要性は高いと言います。

ボクシングのヘッドギアを、もっと薄くした感じかも知れません。ボクシングのヘッドギアも軟質のヘルメットですから、その素材や衝撃吸収性能が進化すれば、もっと薄くなる可能性も考えられます。そして、自転車を含め、他のいろいろなスポーツ用のヘルメットが融合していってもおかしくありません。

FLEXIBLE HELMETFLEXIBLE HELMET

融合したヘルメットが頭部の保護だけでなく、ネットに接続し、さまざまな情報を取得したり、コミュニケーションをとるインターフェイスとなるならば、常時着用しておくヘルメットになる可能性は否定できません。つまり、頭にかぶるスマホ、未来のウェアラブルコンピュータです。

そうなれば、ヘルメットの持ち運びの問題はなくなり、言われなくてもかぶるようになるでしょう。IoT化や、ウェアラブルコンピューティングという今後進展が想定されるトレンドを考えれば、十分に可能性はあります。決して突飛な発想ではないと思います。

自転車に乗っていても、大多数の人がヘルメットをかぶっていない日本で、近い将来、自転車に乗ってもいないのに誰もがヘルメットをかぶるようになるなんて、SF映画でも出てきそうにありません(笑)。絵柄を想像してもシュールですが、それでもナンセンスとは言いきれないでしょう。

少し前までは、誰もが小さなスマホをのぞき込みながら歩くようになるなんて想像していませんでした。それを思えば、帽子をかぶるような感覚で、常時ヘルメットを着用するようになっても不思議ではありません。これまで、地味で変化のない典型的製品だったヘルメットが、これからもそうだとは誰も言い切れないのです。




最近トイレットペーパーの三角折りが不衛生だと話題になっているようです。用を足した手で触ると細菌感染につながるからだそうです。いっそのこと、折らずに済むよう、三角にミシン目を入れてしまえばいいのでは?(笑)。

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