August 21, 2017

人のフリ見て我がフリなおせ

自転車に乗る人が増えています。


日本は、もともと日常的に自転車に乗る人が多い国ですが、近年は趣味や運動としてスポーツバイクを楽しむ人が増え、いわゆるブームとして捉えられています。全国各地の自治体では、この自転車人気を当て込み、自転車による観光振興に力を入れるところも増えています。

当然ながら、このブームに刺激されて自転車を始める人も増えます。日本では、重くて遅いママチャリが自転車市場を席捲していることもあり、自転車と言えばママチャリのことだと思っている人が大半ですが、自転車の本当のポテンシャルを理解するという意味でも、好ましい傾向だと思います。

自転車ブーム 鉄道への持ち込みは迷惑?

しかし、一方で好ましくないことも起きています。スポーツバイクに乗って日の浅い人、いわば、にわか自転車ファンの中には、交通ルールを無視したり、マナーをおろそかにするような人も見られます。格好を優先して安全に配慮しなかったり、路上で違法走行、傍若無人な走行をするなどの問題もあります。

路上だけでなく、マナーの問題は他の場所にも広がっているようです。自宅から直接自転車で行ける場所に飽き足らず、鉄道を使って遠出し、降りた駅から持参した愛車で走り出す、いわゆる「輪行」というスタイルにも関心が高まっていますが、その列車内のマナーがクローズアップされています。

NHKのサイトに、輪行のマナーに関する記事が載っていました。リンク先では、早晩削除されて、見られなくなると思われるので、少し長いですが、全文を引用しておきたいと思います。

自転車ブーム 鉄道への持ち込みは迷惑?

夏の行楽シーズン。旅行や帰省で、長時間、鉄道に乗ったという人も多いと思います。そんな中、多くの人で混み合う車内に置かれていたある荷物が、ネット上で批判を浴びました。何が問題なのか、そして解決策は何か、探りました。(ネットワーク報道部記者 飯田耕太)

“迷惑だ!”と話題に

帰省ラッシュで混雑する今月12日。新幹線の車内で撮影されたある写真が、ネット上で話題になりました。通路に横たわる大きな荷物。中身は自転車なんです。自転車を鉄道やバスなどの公共交通機関に持ち込んで運ぶことを「輪行(りんこう)」と呼ぶそうです。

自転車ブーム 鉄道への持ち込みは迷惑?

写真を投稿した人は「車内販売のワゴンが通れない」とつぶやき、ネット上でも批判の声が相次ぎました。中には、「なんでチャリで新幹線のるの?普通に意味わかんない」という書き込みもあり、「そもそも鉄道の車内に自転車を持ち込んでいいのか」といった疑問の声もあがっていました。

規則では…

規則ではどうなっているのでしょうか。JRグループの「旅客営業規則」では、手回り品について、

▽縦、横、高さの合計が250センチ以内、
▽長さ2メートル以内、
▽重さが30キロ以内のものは、
2個まで持ち込めるとされています。

新幹線も同じです。スーツケースや楽器、サーフィンやスキーの板なども、この規則が適用されます。自転車はそのまま押して乗ることはできず、折りたたむか解体するかして、すべて専用の袋に収めなければなりません。

ただ、大きな自転車の場合も、前輪と後輪をともに外して袋に入れれば、ほとんどの場合、持ち込めるということです。私鉄各社も多くが同じような条件で持ち込みを認め、そのうえで、ほかの乗客の迷惑にならないよう配慮を求めています。

自転車ブーム 鉄道への持ち込みは迷惑?
(JRグループのチラシより)

なぜ自転車を鉄道に?

そもそも、移動手段である自転車を、なぜ鉄道に持ち込むのでしょうか。ことし、サイクリングに適した坂道を紹介するサイトを立ち上げた、千葉県に住む自転車愛好家、永井直樹さんに聞いてみました。

永井さんによりますと、遠く離れた場所に出向いてサイクリングを楽しみたいときや、各地で開かれる競技大会やイベントに参加するときなど、鉄道を利用するということです。行きは自転車に乗った場合も、例えば100キロ以上の道のりを走破して疲れたときや、体調を崩したとき、また、行った先でお酒を飲んだときなどは、帰りに鉄道を利用することがあるそうです。

永井さんは、「『健康のため』や『格好よくなりたい』など、動機はさまざまですが、旅先でそれぞれ違った風景を楽しめるのが魅力です」と思いを語ってくれました。遠くまで足を運んででもサイクリングを楽しみたいという愛好家が多いようです。

自転車ブーム 鉄道への持ち込みは迷惑?
(自転車愛好家の永井直樹さん)

広がる自転車人気 観光振興も

今、こうした愛好家が増え、サイクリングブームとなっています。自転車産業振興協会の統計によりますと、愛好家などが乗る「ロードバイク」や「クロスバイク」の販売台数は、平成15年度には1つの店舗あたりの平均が6.4台でしたが、平成23年度にはおよそ4倍の24.9台に増えました。その後、統計の取り方が変わりましたが、最近は30〜40台ほどにのぼるということです。

ブームを受けて、サイクリングを目当てにした人たちを呼び込み、観光振興につなげようという地域も出ています。広島県と愛媛県を結ぶ「しまなみ海道」は、瀬戸内海の風景を眺めながら自転車で走れる「サイクリストの聖地」として知られています。地元の県などは、大規模なサイクリング大会を開くほか、道路に推奨ルートを示したり、休憩やパンク修理のための施設を整備したりしています。

滋賀県では、びわ湖の周りを自転車で1周する「ビワイチ」が人気で、周辺では、自転車を部屋に持ち込める宿泊施設があるほか、地元の自治体が自転車専用道路の整備を進めるなど、地域ぐるみで愛好家を呼び込もうとしています。

「輪行」でトラブルも

こうした中、自転車を鉄道に持ち込む人が増え、一部でトラブルも起きているのです。鉄道会社には、車両の出入り口付近に置いてほかの乗客の乗り降りが難しくなったり、通路を塞いでしまったりしたケースが報告されているということです。また、袋の生地が薄いため、ほかの乗客が、中のハンドルやペダルなどのパーツに体をぶつけて痛い思いをした、というクレームが駅員に寄せられることもあるそうです。

JR四国では、愛好家に気兼ねなく利用してもらおうと、ことし3月から、愛媛県の松山市と宇和島市を結ぶ特急「宇和海」に、自転車専用のスペースを導入しました。自転車をそのまま持ち込めるということですが、こうした列車は限られていて、愛好家たちは、大きな袋を抱え、一般の鉄道を利用しているのです。

自転車ブーム 鉄道への持ち込みは迷惑?
(自転車専用スペース)

求められるマナーとは

それでは、トラブルを避けるにはどんな対応が必要なのでしょうか。全国で35店舗を展開する自転車販売会社では、購入した人に適切な「輪行」の方法を紹介し、動画をインターネットで公開しています。この中で、次のようなことを呼びかけています。

▽解体の作業は、迷惑にならない安全な場所で行うこと。
▽自転車は前輪だけでなく後輪もフレームから外し、できるだけコンパクトにすること。
▽乗車する際は、混んでいる時間帯や車両を避けること。
▽乗車したら邪魔にならない場所に置いて、そばから離れないこと。
▽特急などでは車両の一番後ろの座席を予約して、その後ろのスペースなどに保管すること。
▽ベビーカーや車いす用のスペースに置いた場合は、必要になったらすぐに場所を空けること。
▽袋の中のパーツがほかの乗客にあたらないよう、十分配慮すること。

自転車ブーム 鉄道への持ち込みは迷惑?
(松坂佳彦さん)

この自転車販売会社「ワイズロード」の広報宣伝チームの松坂佳彦部長は、「自転車を持ち込む『輪行』は、40年ほど前は、競輪選手が移動する場合などにしか認められませんでした。その後、一般の乗客や鉄道会社の理解が進み、愛好家などにも認められるようになったという経緯があります。マナーや心遣いを忘れて迷惑をかけてしまうと、以前のように持ち込めなくなるかもしれません。どこに乗ればいいか迷ったときは、駅員に相談するなどして細心の注意を払ってほしい」と話していました。

サイクリング中だけでなく、行き帰りも互いに爽快な気分で過ごせるよう、自転車とともに、ぜひ、心遣いも持ち込んでほしいと思います。(8月18日 NHK NEWSWEB)


冒頭の写真、新幹線の通路に自転車を置いているようです。おそらく、手すりを利用して倒れないように固定できるし、横も通れると判断したのでしょう。しかし、記事にもあるように車内販売のワゴンなどが通れませんし、通路をふさぐ形で、他のお客の乗降りの迷惑になります。身勝手な置き方と言わざるを得ません。

以前から輪行をしている人の多くは、他のお客の迷惑にならないよう、最大限注意を払って列車に愛車を持ち込んでいると思います。細かいところまでは規則等で求められていない部分もありますが、だいたい多くの人がマナーとして守っていること、ある種の不文律となっていることもあるはずです。

例えば、通勤時間や行楽客で混み合う時間帯は避けます。いくら持ち込みが認められているからと言って、満員電車に輪行バッグを抱えて乗るのはナンセンスです。輪行する際には、そもそも早くから出かけて、早朝のすいている列車を使うのが普通でしょう。

なるべく邪魔にならないよう、列車の編成の一番前や後ろ、あるいは各車両の端のシートの背もたれ後ろの空間を利用する人も多いはずです。一緒に輪行する人がいても、同じドアに固まると迷惑になるので、当然のように離れたドア、デッキに分散乗車などもすると思います。

そのほか、分解や組立も邪魔にならない場所でするとか、前後輪とも外して、なるべく小さくするとか、突起物で他人をケガさせないようクッションを当てるとか、いろいろ気を使っていると思います。大きくて邪魔な荷物を携行するわけですから、周囲に配慮するのは当然のマナーと言えます。

記事にも少し言及がありますが、昔は輪行は競輪選手の移動を除いて認められていなかったという話は、私も聞いたことがあります。詳しくは知りませんが、許可制で有料だったという話もあります。それが先人たちの各方面への働きかけなどの努力によって、解禁されたとも聞きました。

輪行袋輪行袋

今は、地方のローカル線を中心に、専用のラックやスペースを用意したり、サイクルトレインが企画されるなど、鉄道会社のほうが積極的に利用を促すような機運も高まっています。しかし、だからと言って、我が物顔で自転車を載せていいことにはなりません。周囲への配慮は当然のマナーです。

それを、一般の人が眉をひそめるような載せ方をし、世間の顰蹙をかい、輪行する人全体に対して批難が集まるようになるとしたら、非常に残念なことです。最近始めた人で、もしこのようなマナーを知らない人がいたとしたら、ぜひ気をつけていただきたいと思います。

こうしたマナーは、なかなか学ぶ機会が少ないのかも知れません。仲間の中にベテランがいたり、ショップの人に教えてもらえる人ばかりではないでしょう。しかし、基本的なことは調べればすぐわかりますし、周囲の人の迷惑を考えればいいだけで、それほど特殊なことを要求されているわけではありません。

輪行に限らず、路上でのマナーもそうですが、一部の心ない人のために、サイクリスト全体が悪い、常識がない、傍若無人、といったように見られる傾向があるのは否めません。マナーや道交法を守り、安全や周囲へも配慮している善良なるサイクリストにとっては、いい迷惑です。

このツイートされた人にしても、初心者で気が回らなかっただけで、指摘されて反省していることを期待します。輪行までしようという人なら、スポーツバイクの魅力を理解し、サイクリストとしてのモラルもあり、自転車を楽しむためにも、積極的にマナーを守ろうと考えている人だと信じたいところです。

ただ、中には周囲の人や他のサイクリストに迷惑をかけることに無頓着で、自分の権利ばかり主張するような人もいます。未熟で反社会的、協調性がなく周囲から嫌われる人だと思いますが、自転車に乗るかどうかに関わらず、そういう困った人が一定程度存在するのは事実でしょう。

道交法違反でも、警察に咎められるならともかく、赤の他人に注意される筋合いはないと開き直るような人もいます。それが他のサイクリストを危険にさらしたり、世間の偏見を助長することになって、甚だ迷惑だということを理解しようともしない人もいます。

これは、自転車に限ったことではありません。何の分野であれ、一部の不届き者のせいで、全体が悪く見られたり、誤解されたりすることは、まま起こります。よく考えれば、たくさんの愛好者がいるのに、それを全部一緒にして論じるのがおかしな話ではあります。

自転車ブーム 鉄道への持ち込みは迷惑?

しかし、一部の人だけが悪いのに、世間の反感を買い、結果的に不自由な規制が設けられたり、不本意な評価が定まってしまったり、不当な苦労を強いられたりすることは、往々にして起きます。そうならないために、私たちサイクリストは行動しなければなりません。

私たちに出来るのは、そのような不届き者は一部であると、広く知ってもらうことです。マナーを守って輪行することで、輪行する人を時々見かけるけれど、きちんと配慮している、迷惑をかけないようにしていると、一般の人に認知してもらうよう、今までにも増して、マナーに気を使うしかありません。

「そもそも、チャリで電車のる意味あんの?」という人に、輪行の楽しさを理解してもらうのは難しいかも知れません。本人も興味がないと思います。しかし、マナーの悪い輪行者が、たびたび話題になるようなことがなければ、輪行に悪いイメージが定着していくことも避けられるに違いありません。

ブームということもあって、何かと自転車が話題になりがちであり、ネガティブな面にスポットが当たることもあるでしょう。マナーを守っている人に罪はありませんが、一般の人には邪魔な荷物と見られるのも確かです。これが間違っても輪行の制限などに発展することがないよう、さらにマナーに気を使っていくべきでしょう。

このような事例を契機に、あらためて周囲の迷惑になっていないか、気づいてないことはないか、自らの行動を顧みるのも有効でしょう。サイクリスト以外の人からどう見えるか、もう一度意識し、慣れてしまって、ついおろそかになっている部分があるとしたら、それを修正する、いいきっかけにしたいものです。




米韓合同軍事演習が始まり北朝鮮メディアが反発していますが、緊張がエスカレートしないよう願いたいですね。

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この記事へのコメント
はじめまして。
最近は輪行をする機会は減りましたが、昔はよく輪行であちらこちらに出かけたものです。
よく輪行をしていた当時は、JCAの会員証を提示した上で手回り品切符を買わないと輪行できませんでした。
その切符も、有効が列車毎だったと記憶しています。(実際は出発地で手回り品切符を買ったっきりでしたが…

輪行していると「兄ちゃん競輪か?どこのレースだ?」などと聞かれるほど、一般的ではなかったですね。

輪行自体、活動範囲を広げるし、いざという時の帰宅手段にも使えるから、本当に重宝なものですが、JRにしても他の民鉄にしても輪行に対する考え方は昔とあまり変わっておらず、一部の人のものととらえられ「乗せるのは特例だよ…」ていう感覚は今だ残っているような感じは否めません。

どんな世界でも同じかもしれませんが、一部の人に許されていたことが多くの人に広まり使われるようになると、どうしても社会との軋轢は生まれてしまいます。
そんな時、当事者は環境の不備を嘆くか、相手に知ってもらう努力をするか、それとも自らが範を示して行動するかしかありません。
正直なところ、好きなことをやっている以上、環境を嘆くのも相手に知ってもらうのもあまり得策とは思えないと私は思います。
輪行を使う一人一人が、他人の気持ちを考え行動することが今必要ではないかと思います。
輪行が一般的になってきた今だからこそ、貴殿が訴えるマナーの徹底と実践が必要だと思います。

でも、本音を言えば、自転車を電車に持ち込むのは邪魔ですよね…
「ごめんなさいね…ちょっと邪魔させてもらいますよ…」そういう態度で臨めば、問題は起こらないと思いますけど…

Posted by vecchio at August 21, 2017 18:15
vecchioさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
そうですか。やはり昔は一部の特別なことだったようですね。
ただ、現在でも、全体から見れば、ごくごく僅かな割合に過ぎないわけですし、もし、たくさんの人が輪行するようになったら、とてもさばききれないでしょうから、ごく一部の特例には違いないのかも知れません。
一般の人には、まだまだ輪行も知られていない、認知されていないわけで、一部で過渡期の混乱が起きるのは仕方ない部分もあるのでしょう。
利用者がマナーを守ることで、広く、正しく認知されていくことを願いたものです。
Posted by cycleroad at August 23, 2017 21:23
 
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