August 24, 2017

分類にとらわれる必要はない

自転車にはたくさんの選択肢があります。


用途や走る場所などに応じて、それに適した種類を選ぶことが出来ます。道路を速く移動するならロードバイク、非舗装のオフロードならマウンテンバイク、小さく収納したり持ち運ぶならフォールディング、坂などをラクに登りたいなら電動アシスト自転車といった具合です。

荷物を運ぶならカーゴバイク、雪道でも走れるファットバイク、砂地に強いビーチクルーザー、雨でも濡れないベロモービルもあります。ほかにもクロスバイク、リカンベント、トライク、ランドナー、小径車、シクロクロス、BMX、ピスト、トラックレーサー、タンデムなど、実にさまざまな種類が用意されています。

分類の仕方によっては、さらに種類は増えますし、特殊なもの、マイナーなものを含めれば相当な数になるでしょう。もちろん、日本の自転車市場を席捲しているママチャリ、子供用自転車、最近あまり見なくなりましたが、昔の豆腐屋さんとか郵便配達、新聞配達に使われていたような業務用自転車もあります。

Tern GSDTern GSD

それぞれに特化した自転車を選ぶことで、その用途に便利で使いやすくなります。砂浜をロードバイクでは走れませんし、ベロモービルを持ち運ぶことは出来ません。カーゴバイクならたくさんの荷物が運べますが、荷物を運ばないなら、カーゴ部分は無駄で邪魔になってしまいます。

それぞれの種類の自転車は、その用途に見合うよう合理的に出来ています。もちろん、違う用途のものでも使える場合はありますが、やはり、その用途に見合った種類のほうが有利でラクなので、そのカテゴリーの中から、一台を選ぶことになるでしょう。結果として、これだけ細分化することになります。

子供乗せ用のロードバイクとか、マウンテンバイクの小径車は見たことがありません。ビーチクルーザーのフォールディングもないでしょう。世の中には、あるいは探せばあるかも知れませんが、やはり、ほとんどは、それぞれのカテゴリーに特化していると思います。

Tern GSDTern GSD

Tern GSDTern GSD

その意味で、この“Tern”社の “GSD”は、なかなかユニークと言えるかも知れません。この自転車、タイヤの小さい小径車でありながら、子供乗せ用の自転車でもあります。同時にカーゴバイクとして、2人の子供を乗せた上に約1週間分の食料品、180kgの荷物が運べるように設計されています。

さらに、電動アシスト自転車でもあるばかりか、一部が折りたためるフォールディングバイクでもあるのです。中型SUVなら、そのトランクに積み込むことも可能です。都市型アパートの室内保管でも困らないよう、コンパクトに収納できるようになっています。

一方で、身長150〜195センチのライダーまで合わせることができるので、お父さんもお母さんも使えます。ホイールベースは標準的な自転車と同じなので乗りやすく、独自のフレームレイアウトで、低重心で高い安定性を実現しており、ハンドリング、操作性も向上させていると言います。

Tern GSDTern GSD

Tern GSDTern GSD

子供と荷物を載せてもペダルが重くならないよう電動アシスト機構を採用しています。Bosch社製のモーターが使われ、ヨーロッパでは400ワット時と500ワット時のオプションがあり、米国仕様だと900ワット時まで使用可能です。さらに、デュアルバッテリー、バッテリーを2個も搭載しています。

これにより航続距離は、最大で155マイル、およそ250キロメートルを実現しています。このBosch社製のドライブトレインによって、小径車でありながら、700Cの自転車と同じくらい速く走ることができ、小さな車輪であるぶん、加速もあると説明しています。

Tern GSDTern GSD

Tern GSDTern GSD

そのほか、統合された照明、ラック、マッドガード、ダブルキックスタンドなど、装備も充実しています。2つのXLパニエは、62リットルという大容量です。ディスクブレーキや、Schwalbe社製の、 Super Moto-Xタイヤを採用するなど、安全面にも配慮しています。

この、“Tern”という自転車会社、2011年創業の若い会社ですが、折りたたみ自転車で有名な、“Dahon”ブランドの創始者の妻と息子によって設立された会社だそうです。現在65ヶ国で販売されており、浅い歴史にもかかわらず、iFとレッドドット賞を含む多くの国際デザイン賞を受賞しています。



私は知りませんでしたが、見ると日本語サイトもあり、株式会社アキボウが輸入元で日本でも販売されているブランドのようです。ただ、この“GSD”は見当たらないので、まだ日本では未発売であり、日本での販売もアナウンスされていないようです。

小径車でありながら、子供乗せ自転車、カーゴバイクでもあり、電動アシスト自転車でありながら、フォールディングバイクでもあるユーティリティなシティサイクルという欲張りな自転車です。乗ったことはないので、評価することは出来ませんが、コンセプトとしてはなかなか面白い自転車と言えるのではないでしょうか。

Tern GSDTern GSD

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自転車に乗る場所や用途によって、どうしても種類は分化、特化していくのが普通ですが、逆にそれぞれのカテゴリーの必要な部分を統合し、いいとこどりをしたようなモデルです。ファミリー層にとっての便利さを優先した、これまでの枠組みに囚われない意欲的な試みと言えるでしょう。

一般的には、下手に欲張ると、往々にして虻蜂取らずになりがちです。従来のカテゴリの中におさまるほうが無難なのは間違いありません。しかし、「いいとこどり」することで汎用性を高め、マルチユースを目指しています。これによって一台でいろいろ使えるのは大きなメリットです。

従来のジャンルにとらわれない製品は、下手をすると、色物とか邪道とか、とかくネガティブに見られがちです。開発するにも勇気がいるでしょう。しかし、このような試みの中から、また新しいジャンルが生まれてくる可能性があります。従来のカテゴリーや常識に囚われない挑戦、もっとあってもいいのかも知れません。




関東でも真夏日が戻ってきました。天候不順も困りますが、暑くなればなったで、早く涼しくならないものかと..。

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