September 02, 2017

災害への備えに足りない部分

九月一日は防災の日でした。


全国各地で災害に備えて避難訓練が行われたり、防災への意識を高めるための行事などが行われました。ちょうど、北朝鮮のミサイルが日本を飛び越えたばかりということもあって、ミサイルが飛来、落下した時を想定した訓練なども行われたようです。

日本は災害に見舞われることの多い国です。地震や津波だけでなく、台風や高波、洪水や竜巻、豪雨災害、大火災、火山の噴火、ミサイルの飛来も含め、さまざまな災害が想定されます。避難だけではなく、その後の避難所の運営から仮設住宅の手当てなど、広範な訓練や準備、対策が求められます。

防災の日防災の日

防災の日防災の日

まず災害から身を守るための避難訓練も大切ですが、その後には人命救助や困難な状況に陥った人の救援も必要になります。さらに避難所生活の困難が待ち受けます。災害に備えて日頃から備蓄や準備をしておくことに加え、災害発生後を想定した訓練もしておく必要があるでしょう。

ひとくちに防災の日と言っても、地域によって、さまざまな活動が行われたことと思います。訓練に加えて、あらためて備蓄や装備の確認をしたり、防災意識を高めるための啓発活動も有意義です。日にちは違いますが、災害に備える活動が行われるのは海外も同じです。

海外でも、それぞれ災害に備えていろいろな活動が行われています。想定される災害によっても違うでしょうし、地域によっても事情が変わってくる部分があると思います。その中で、非常に有効で、大切な訓練だと思われるのに、日本ではあまり聞かない訓練があります。

Seattle Disaster Relief TrialsSeattle Disaster Relief Trials

SEATTLEFEMA

それは、災害時に自転車を使う訓練です。たとえば大地震が起こった場合、これまでの事例を見ても、道路が寸断され、クルマは使えなくなる可能性が高いでしょう。しかし、人力だけでは移動距離や運べる物資の量に限りがあります。そんな時に有効なのが自転車です。これは海外でも同じです。

東日本大震災の際にも、道路が寸断され、多くの地域でクルマが使えませんでした。発生から時間が経っても、燃料が補給できなかったことで、やはりクルマに頼れない期間が続きました。その中で活躍したのが自転車でした。まず、自宅や避難場所への移動に使われました。

PortlandPortland

FEMAFEMA

さらに、水や食料、医薬品、その他緊急に必要な物資を避難所へ運んだり、急病人、怪我人を運ぶのに活躍しました。通信手段や電力が途絶した中で、連絡や情報収集のための移動手段としても使われたようです。徒歩より断然機動力が高い自転車が使われるのは当然です。

もちろん、道路が寸断され、瓦礫が散乱する中での自転車での移動は簡単ではないでしょう。しかし、そんな状況を想定した自転車走行の訓練をしておけば、発生時にも慌てずに移動・運搬が始められます。何が必要で、何を備えるべきかも明確になり、災害時の移動・運搬の見通しが立って、避難生活の計画も立てられます。

Disaster Relief TrialsFEMA

PortlandPortland

アメリカの西海岸は、サンフランシスコ大地震の例もあるように、日本と同じ地震多発地帯です。ほかのさまざまな訓練・対策と並んで、自転車を使った災害救助・救援訓練が各地で行われています。中には、体験ツアーやイベント、レース形式にして、楽しみながら行うようなものもあるようです。

多くで使われるのは、カーゴパイクです。物資を運ぶのに、普通の自転車とは積載能力が全然違います。救急車も動けない中、人も運べます。準備しておくならカーゴバイクのほうがベターなのは間違いありません。ふだん乗らない人が、実際にカーゴバイクで荷物や怪我人、急病患者を運ぶ練習をしておくのも有効でしょう。

Disaster
(写真の左、やや下に自転車に乗る人が写っている)

アメリカでは、以前からこうした自転車による訓練が行われてきましたが、その有効性を、さらに確信させたのが日本の東日本大震災です。被災地の人々が、はからずも自転車を使って移動・運搬せざるを得ない状況になったのを見て、必ず自転車が必要となること、役に立つことが実感されたのです。

Disaster

渋滞して動けなくなるクルマと違い、津波の避難に有効な場合もあります。それにも増して、その後の救援や移動・運搬に自転車がきわめて有効であることが、目に見える形で理解出来たわけです。アメリカ西海岸などで行われる、自転車を使った災害想定訓練に、非常に説得力が出たのは当然のことと言えるでしょう。

Disaster

日本でも、東日本大震災の時の経験を教訓に、災害用に自転車を保管しておく自治体が増えたようです。震災後に、そう報道されたのを記憶しています。食料や物資を備蓄してあっても、それが必要な場所に運べなければ意味がないわけですから、当然クルマが使えない中での運搬手段も考えておくべきです。

ただ、日本の自治体が備蓄するのは、ほとんどがママチャリだと思われます。少なくとも、私が震災後の防災備蓄のニュースを目にした中では、そうでした。しかし、ママチャリとカーゴバイクでは、運搬能力において、大きな差があることは明らかです。日本では、カーゴバイクに馴染みがないのが要因なのでしょう。

Disaster Relief TrialsDisaster Relief Trials

電動アシストママチャリでリヤカーを牽引する手もありますが、災害発生当初はカーゴバイクのほうが、機動力、積載能力、瓦礫を乗り越えての走破能力などの点でベターです。ママチャリを兼ねることも出来るわけですから、カーゴバイクの備蓄を検討すべきではないでしょうか。

震災の経験を経て、自転車を備蓄する自治体は増えても、それで実際に運ぶ訓練をしているという話は聞いたことがありません。日本の事例も教訓に、アメリカなどでは各地で盛んに行われているのですから、日本でも、災害後の被災地での活動を想定した、自転車での訓練があってもいいと思います。

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ちなみに、災害時には電力などエネルギーも途絶します。そんな時、最後に頼れるのは人力しかありません。腕の力は相対的に小さく持久力もないので、やはり脚力が最適です。そして、脚力を活かすのに最適のパワートレインとなるのも自転車、ペダルの力です。

発電装置だけでなく、ペダルをまわす人力によって作動する浄水装置なども開発されています。また、避難所で一番困るのがトイレの問題だそうです。トイレの水が流せないと、すぐ衛生的に非常に困難な状況に陥ると言います。下水道は地下なので比較的堅固ですが、洗浄水を流すポンプが動かせなくなります。

Disaster Relief TrialsDisaster Relief Trials

PortlandVictoria.CA

震災の経験により、非常時にペダルの力でポンプを動かすことを想定した装置を、トイレの衛生問題への対策として準備した自治体の話も聞いたことがあります。自転車、あるいはペダルの力は、さまざまな形で災害後の避難生活に役立つことがわかります。

もちろん、自転車を使った運搬訓練は、全体の防災活動の一部でしかありません。ただ、震災で経験しておきながら、アメリカなどと違って、その有効性が認識されていない部分があるようです。震災後の避難生活を想定したカーゴバイクの備蓄と、その運用訓練を加えておいてもいいのではないでしょうか。




宿敵のオーストラリア戦は気分よく快勝しました。若手も台頭し、これで来年の本戦も楽しみになってきましたね。

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