September 14, 2017

自転車パーツの特徴を活かす

自転車のタイヤには空気が充填されています。


一部にゲルやウレタンなどを充填したパンクレスタイヤなどもありますが、多くはタイヤチューブに空気を充填して使います。言うまでもなく、空気を注入することで、タイヤが地面との間でクッションの役割を果たし、乗り心地をよくしています。

自転車の歴史の初期には、ゴムのタイヤやチューブはなく、木や鉄の車輪で走行していました。その乗り心地は酷く、骨にまで響くものでした。そのため「ボーンシェイカー」、骨ゆすりと呼ばれたくらいです。ゴムのタイヤとチューブが発明されたおかげで、劇的に乗り心地が改善されました。

乗り心地だけでなく、空気を抜けば小さくなるという利点もあります。パンクした時のために予備のチューブを携行しても邪魔になりません。ふだん当たり前のように使っているタイヤチューブですが、おかげで便利に、快適に自転車に乗れているわけです。

さて、ふだんタイヤチューブのメリットなどを考えることはないと思いますが、タイヤチューブの性質を他に応用することを考えついた人たちがいます。スイスはチューリッヒに本拠を置くバッグなどを作っているメーカー、FREITAG 社の人たちです。

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彼らは、キャリーバッグのフレームに、自転車のタイヤチューブを使うことを思いつきました。リュックやショルダーバッグと違い、キャスターがついたキャリーバッグは、少なくともバッグの底に棒状、あるいは板状のフレームが入っていないと、カバン自体が曲がってしまい、引いて歩くことが出来ません。

しかし、フレームを入れると、そのぶん重くなります。フレームの大きさより小さくたためなくなるのも不便です。例えばハードスーツケースの場合、硬くて変形しないため、キャスターで引いて歩くのに向いていますが、使っていない時、収納しておく際は、かさばって邪魔になります。

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そこで、キャスター付きのキャリーバッグのフレームを、自転車のタイヤチューブにしようと思い立ったわけです。必要な時に空気を注入すれば、形状が維持できてキャスターで引っ張れます。一方、使わない時に空気を抜いてしまえば、小さくたためて場所をとらなくて済むというわけです。

言われてみれば簡単なことですが、今までなかったわけですから、なかなか画期的な発想と言えるでしょう。バッグの素材はトラックの幌の生地をリサイクルして使っています。材料が安く手に入る上に、もともと防水素材であることも、バッグに向いているのです。

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特定の会社のトラックではなく、さまざまな色や模様の幌をカットして使います。そのため、二つとして同じデザインのバッグはありません。空港の手荷物受取所では、遠くから一目でわかるのが便利です。こうして、新発想のトラベルバッグ、“ZIPPELIN”が誕生しました。

容量は80リットルもありますが、たためば2リットルの酒瓶より小さくなります。フレームが空気なので軽いのもありがたい特徴です。自転車用のポンプで膨らませますが、小さなインフレーターもありますし、旅先でもポンプくらい借りられるでしょうから、たたんで持って行くことも出来ます。

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押し入れやクローゼットに大きなスーツケースをしまってあるという人も多いでしょう。特に旅行ばかりしている人でなければ、一年のほとんどが物置の邪魔になっているだけかも知れません。キャスター付きの大型バッグが小さく収納できるのは嬉しい機能と言えるでしょう。

クラウドファンディングサイトを通して直接販売する形での資金調達をしています。発表とほぼ同時に目標金額を上回る申し込みがありました。なるほど便利そうだと感じた人が多かったのでしょう。すでに目標額を上回っているので生産されることが決定しています。

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この、FREITAG 社は、主にバッグなどを作っているメーカーですが、1993年の創業の時から自転車と縁があります。ある時、チューリッヒの幹線道路を走る色とりどりのトラックを見て、使い古したトラックの幌を使って、メッセンジャーバッグを作ろうと思い立ったのが始まりなのです。

会社を立ち上げた、FREITAG 兄弟はメッセンジャーの仕事をしていたこともある自転車乗りだったのです。その頃売られていたメッセンジャーバッグに満足いくものがなく、機能的で撥水性に優れたバッグが欲しかったというのがきっかけになりました。

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トラックの幌のほかに使われたのが、廃棄されたタイヤチューブや、廃車になったクルマのシートベルトなどでした。全てリサイクル材料です。今では70種類以上のいろいろなバッグを販売していますが、トラックの幌とタイヤチューブの組み合わせは創業のきっかけとなった素材でもあったわけです。

“ZIPPELIN”は、空気を充填してチューブとして使うところが違いますが、以前から使っていた材料でもあり、この着想を得たのも必然だったのかも知れません。創業者を含め、社員はふだんから自転車好きな人が多いため、身近な素材だったこともあるでしょう。

自転車乗りなら、トラックの幌はともかく、部屋に自転車のパーツが転がっているという人は多いと思います。何か不便なことの解消に使えないか、別の使い道を考えてみるのも面白いでしょう。案外、自転車のパーツの機能やメリットを使った新しい製品が生み出せるかも知れません。




台風18号が、ちょうど連休にかけて日本列島を直撃しそうです。よりによって、と嘆いている人も多いでしょうね。

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