October 20, 2017

事故を減少させるための技術

近年、新しい技術が急発達しています。


いまや、AI、IoT、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、ドローン、ロボット、自動運転といったキーワードを耳にしない日はありません。これらの最新の技術は、さまざまな形で身近なものに応用され、私たちの生活を便利で豊かにしていくものと期待されています。

AIを搭載したスピーカーなども各社が競って開発しており、一部で販売が始まっています。スマホの次のヒット商品となるか、注目が集まります。もちろん、スピーカーに留まらず、さらに今までにない製品が開発されたり、これまでの商品を大きく革新するようなものが登場したりすることでしょう。

VRで体験VRで体験

新しい技術は、自転車に関係するところでも活用が始まっています。例えば、自転車の安全を向上させるために、VRの活用が試みられています。神奈川工科大学のチームは、自転車事故を体験するVRゲームを作成しました。ヘッドマウントディスプレーを取り付け、室内でトレーナーに設置された自転車に乗ります。

現実にあるようなシチュエーションを自転車で走り、注意不足や必要な回避措置を怠ると事故になるなど、リアルな疑似体験が出来るわけです。これは、ゲームの体裁をとっていますが、各地で行われる交通安全イベントなどで活用することを視野に開発を進めていると言います。

VRで体験VRで体験

現在でも、VRではないものの、こうしたシミュレーション装置は使われています。交通法規を学んだり、基本的な走行技能を学ばせる装置です。単なる学習装置としてではなく、VRでリアルな危険を体験すれば、より安全な走行を心がけさせる効果が期待できるということでしょう。

しかし、世界では、もっと革新的な研究が進められています。自転車の安全に、AIを直接役立てようという研究です。“Tome Software”社は、有名な自転車メーカー“Trek”社と組んで、自転車の事故をなくすためのAIの開発を目指しています。

Tome SoftwareTome Software

アメリカ・ミシガン州にあるミシガン大学のキャンパスの中には、“Mcity”と呼ばれる、自動運転車用の実験を行う、13ヘクタールにおよぶ模擬都市がつくられています。一般的な街並が再現された場所で、未来の自動運転のクルマ、ロボットカーのさまざまな実験が行える施設です。

ここで、実際に自転車を走行させ、クルマとの事故を防ぐための技術の開発を行います。例えば、クルマの死角に入るなど、事故の発生が予想される危険な状況をAIが検知し、判断させるわけです。ドライバーやサイクリストが気づくより速く検知することが期待されます。

McityMcity

いろいろな状況が考えられますが、当初はクルマが自転車を側方、もしくは後方から衝突するという典型的なパターンから始められます。基本的には、クルマに搭載されたセンサーやカメラなどから集められるデータをAIが収集、判断することになります。

たくさんのデータが収集、蓄積され、AIがディープラーニングを行えば、ドライバーやサイクリストが気づかないような危険を検知することも可能になるでしょう。さらに、それをアラートとして送ったり、クルマの挙動を制御するなど、事故防止につなげていくわけです。

McityMcity

まだ始まったばかりですが、これは当然必要な研究として、将来確立されるべき技術と言えるでしょう。なぜなら、実際の街の路上には、たくさんの自転車が走っているわけで、自転車との事故が回避出来ないようでは、自動運転カーも実現しえないと思われるからです。

自動運転によって、他のクルマと衝突しない、歩行者をはねない、と同時に自転車にもぶつからないようにしなければならないのは基本的な要件でしょう。つまり、自動運転カーが実現するための必須の要素の一つであり、どうしても避けて通れない関門です。



将来、クルマの自動運転が実現する時は、サイクリストにとって、少なくとも自動運転カーとの事故が起こらなくなる時と考えてよさそうです。自転車の事故をなくすためにAIを使う研究と聞くと、もうそこまでと驚きますが、考えてみれば、当たり前のことと言えるかも知れません。

ただ、自転車側がどんな挙動をしても、全てAIカーのほうで避けてくれるようになるとは思えません。事故の危険をAIが判断し、アラートが出されたら、速やかに回避するということでしょう。クルマだけでなく、自転車もAIに制御され自動運転にならない限り、自動で事故を回避出来るようにするのは無理と思われます。

Tome SoftwareTome Software

未来には自転車にもAIが搭載され、自動でブレーキがかかったり、ハンドルが切られたりするのでしょうか。あるいは、自動運転の実現のために必要な社会インフラとして、クルマと分離された自転車専用レーンの整備が急速に進む時代が来るのかも知れません。

どのような形になっていくのか、正直なところ、まだ素人には予測が難しいところがあります。しかし、いずれにせよ、クルマが自動運転となっていき、少なくともドライバーの不注意やミスによって自転車との事故は起きなくなるのであれば、歓迎される進化と言えそうです。

クルマの自動運転は、今世界中で開発が進んでいます。めざましい進化を遂げており、近い将来、実現が視野に入ってくると目されています。まだまだ紆余曲折があるような気もしますが、正しくルールに従って乗っていれば、クルマとの事故の心配がなくなる未来は、そう遠いことではないのかも知れません。




日産の無資格検査問題、発覚後も続けていたとは呆れます。こういう時はゴーン会長が出てこないというのも....。

このエントリーをはてなブックマークに追加

 デル株式会社


Amazonの自転車関連グッズ
Amazonで自転車関連のグッズを見たり注文することが出来ます。



 楽天トラベル

 
※全角800字を越える場合は2回以上に分けて下さい。(書込ボタンを押す前に念のためコピーを)