October 26, 2017

フロンティアを広げる自転車

移動のための方法には、いろいろあります。


徒歩でも移動は出来ますが、鉄道やバス、クルマやオートバイなどの乗り物を選ぶことも出来ます。もちろん、自転車という選択肢もあります。観光地などでは、人力車や馬車を利用できる場合もあるでしょう。スピードや動力源はさまざまですが、たくさんの方法があります。

陸上に限らず、海や川、湖など水上での移動にも、いろいろな方法があります。大小の各種の船、モーターボート、手漕ぎのボートもあります。ジェットスキーやマリンジェットなどと呼ばれる水上オートバイもあります。もちろん、自分で泳いで移動する手もあるでしょう。

陸上と比べると、水上での乗り物の種類は限られます。陸上での自転車に相当するような、人力の乗り物もないわけではありません。例えば、池や湖などに、観光用の足漕ぎ式のボートがあったりします。ただ、陸上での自転車のような軽快さや小回り性、スピードに欠けます。

そう考えると、水上では、陸上での自転車のような位置付けの乗り物が足りないような気がします。これまでにも、自転車のフレームに浮きを取り付け、タイヤの代わりにスクリューを回すような乗り物を製作する人もいましたが、足漕ぎボートとあまり変わらず、スピード感には欠けます。

Hydrofoiler XE-1Hydrofoiler XE-1

Hydrofoiler XE-1Hydrofoiler XE-1

でも、この“Hydrofoiler XE-1”は違います。動画を見るとわかりますが、かなりのスピードが出ます。まさに水上自転車のイメージです。水中で横方向に伸びる翼、水中翼があり、ペダルをこいで進みます。電動アシスト機構が搭載されているので、水上電動アシスト自転車と言うべきかも知れません。

原理的に水中翼船に似ています。一見、普通の船のように見えますが、スピードが出てくると船体が浮上し、水上を滑るように移動する、あの船です。日本でも何か所か運航されています。英語で、“Hydrofoil”といいますが、この水上自転車が、“Hydrofoiler XE-1”と名付けられたのも、水中翼式であることを表しています。

Hydrofoiler XE-1Hydrofoiler XE-1

Hydrofoiler XE-1Hydrofoiler XE-1

浮きを使って、いかだのように水上に完全に浮く構造だと、ペダルでスクリューを回しても、どうしてもスピードは出ません。このような水中翼式にしたことで、まさしく水中翼船のように浮き上がり、スピードが出る水上自転車になりました。この点がこれまでと違うところです。

水上で、何かの拍子に転倒・落車したとしても、本体には浮力があるので、沈んでしまうことはありません。水中で再スタートする場合、乗り手の体重で多少水中に沈みますが、そのままペダルをこげば、まさに水中翼船のような感じで浮き上がり、また高速で航行出来るようになります。



この“Hydrofoiler XE-1”、ニュージーランドのベンチャー企業、Manta5 社が開発しました。北半球では、これからウィンタースポーツのシーズンに向かいますが、ニュージーランドは南半球ですから、これからがマリンスポーツの季節です。それで、この時期の発表だったのかも知れません。

フレームはアルミ製、水中翼には強度の高い炭素繊維が使われています。400ワットの電動アシストモーターによるスクリューを備え、時速20キロくらいまで出るそうです。電動アシストのバッテリーは取り外すことが出来、1回の充電で1時間の使用が可能だと言います。

Hydrofoiler XE-1Hydrofoiler XE-1

Hydrofoiler XE-1Hydrofoiler XE-1

まだ、価格設定等は発表されていませんが、現在は限定生産モデルの予約を受け付けており、来年以降の出荷が予定されています。地元のニュージーランドでも注目されており、今年、同国のベストデザイン賞の、コンセプトカテゴリー部門の金賞を受賞しています。

これは、なかなかユニークで斬新な乗り物です。海や川、湖など水上での移動に、新しい選択肢を与えてくれる存在となるかも知れません。もちろん、新しいマリンスポーツとして楽しめるでしょう。この会社の共同設立者の、Guy Howard-Willis さんは、将来オリンピック種目に採用されるのが夢だそうです。

ニュージーランドもそうですが、日本のような島国なら、いろいろと便利に使える可能性がありそうです。例えば瀬戸内海あたりなら、近距離の離島への交通手段にもなりそうです。陸上での自転車と同じで、まだ船舶免許のとれない年齢でも乗れるので、重宝する人が出てくるかも知れません。

Hydrofoiler XE-1Hydrofoiler XE-1

これが普及すれば、水上のサイクリングをしたり、競技として楽しむ人も出てくるでしょう。陸上での渋滞や混雑を避けて、川や運河などを使って移動する人が出てくるかも知れません。見たところ、泳ぐよりはるかに効率よく水上を移動できそうなので、水難救助などに使う手も考えられます。

湖などで貸し出せば人気が出そうですし、観光客を呼ぶ新たな目玉にもなりそうです。組立式なので、クルマに積んで運ぶことが出来ますが、もし今後、タイヤと水中翼を付け替えて使えるようになったりしたら、水陸両用で使えて、さらに面白い乗り物になるかも知れません。

新しい水上の乗り物として、なかなか興味深い製品です。機会があれば是非一度乗ってみたいものです。普及に向けては、水域の利用などの課題も出て来るかも知れませんが、人力での水上移動を速くてラクにする乗り物として、注目される水上自転車と言えそうです。




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