December 04, 2017

冬のスポーツを広げる自転車

ウィンタースポーツのシーズン到来です。


スキーやスノーボードの愛好者なら、スキー場の積雪量、コンデションが気になる頃でしょう。ただ、ウィンタースポーツに親しむ人は一部に限られます。多くの人にとって、冬は寒くて運動が出来ない季節、雪国なら、雪かきで憂鬱な季節ということになるかも知れません。

一般的にウィンタースポーツは、それ以外のスポーツと比べて敷居の高い面があります。スキーやスノーボードを始めても最初は転んでばかりで辛いだけです。楽しめるようになるには相応の練習が必要で、時間も手間もかかります。道具やウェアなども必要ですし、スキー場に行くのも遠くてたいへんな人が多いでしょう。

もちろん、ウィンタースポーツ以外、例えばゴルフやテニスなどだって、道具や練習は必要ですし、専用の場所に行く必要もあります。しかし、スキーやスノーボードは、雪山という限られた環境ですので、誰もが手軽に始められるものではありません。相対的に技術を習得するのも大変でしょう。

自在に滑れるようになれば楽しいのですが、スキーを始めて、ちょっと練習すればすぐ楽しめるというわけにはいかないのが難点です。習得して、ある程度滑れるようになるまで、寒さや冷たさを我慢し、ひたすら練習する必要のあることがハードルを高くしています。

Sno-GoSno-Go

Sno-GoThis image is in the public domain.
上段:Sno-Go、下段左:Sno-Go、下段右:スノースクート

さて、そのハードルを下げ、もっと誰でも簡単に雪上の滑走を楽しめる方法はないかと考えた人たちがいます。生み出されたのが、スキーやスノーボードに自転車の要素を取り入れた新しいスノースポーツ、“Sno-Go”です。言ってみれば、雪上を滑るための自転車のような乗り物です。

雪上自転車、あるいはスノーサイクル、スノーバイクと呼ばれる類いのものは、これまでにも開発されてきました。このブログでも過去にいろいろ取り上げています。スノーモトやスノースクートといった滑走具、乗り物が比較的知られていますが、そのほかマイナーなものも含めていろいろあります。

Sno-GoSno-Go

Sno-GoSno-Go

この“Sno-Go”、自転車のタイヤの代わりにボードを取り付けたような滑走具で、スノースクートに似ていますが、最大の特徴はボードが3枚というところでしょう。つまり、スノースクートが2輪車だとすれば、3輪車にあたるスタイルです。後ろ2輪のトライクのような形状です。

一般的に、スノーモトやスノースクートなどのスノーバイクは、スキーの経験者であれば、少し練習するだけで、初級者向き斜面を滑れるようになります。しかし、この“Sno-Go”は、スキーが出来ない人であっても、普通の自転車に乗れる人なら、誰でも簡単に、すぐ乗れるようになると言うのです。

Sno-GoSno-Go

Sno-GoSno-Go

考えてみれば、初めて普通の自転車に乗る場合も、2輪車だと習得にそれなりの時間がかかりますが、3輪車ならば、転倒することがなく、誰でもすぐ乗れるでしょう。“Sno-Go”が3輪車と同じ効果を発揮するならば、たしかにスノーモトやスノースクートより、はるかに簡単かも知れません。

3枚のボードは、ハンドルと連動して傾くようになっています。つまりエッジがきくわけです。3点で支えているぶん、安定して倒れないだけでなく、ハンドルとも連動して簡単にエッジがきかせられ、曲がりやすくなっています。乗ったわけではないので、確かなことは言えませんが、なるほど簡単に滑れそうに思えます。

Sno-GoSno-Go

Sno-GoSno-Go

さらに、両足の下にあるボードを片方ずつ持ち上げることも出来ます。後方に体重をかければ前の板が持ち上がりますし、前の板があるので前後方向にも安定し、前傾姿勢がとりやすいのも利点でしょう。自転車に乗って、ハンドルや体重を傾ける感覚で、自然と滑れるということなのでしょう。

リフトに乗るときは、フックを座面に乗せることでラクに運べます。前後の板を取り外せるようになっており、運ぶのにも便利になっています。開発された北米でも200以上のスキー場でスキーバイクが許可されており、その数は毎年増えているようです。ゲレンデでも広く使えそうです。



現在、クラウドファンディングサイトで資金調達を目指していますが、すでに目標金額を上回っています。なかなか高評価のようです。この、“Sno-Go”が普及して一般的になれば、スノースポーツを始めるハードルを大幅に下げてくれるでしょう。スノーバイクの愛好者も増えるかも知れません。

日本では近年、スノースポーツ人口(スキーやスノーボード)は減少しており、1993年のピーク時に約1860万人の参加人口があったのが、2016年には530万人にまで減っています。当然ながらスキー場の経営も苦しくなり、その数も減る傾向にあります。



一方、スノースポーツの間口を広げるためもあって、スノーバイク系の滑走具を許可するゲレンデは300以上に上り、増える傾向にあります。とは言え、まだスノーバイク派は少数なので、この“Sno-Go”が日本に上陸して、より簡単に滑れるとなれば、日本のウィンタースポーツ参加人口の増加に貢献するかも知れません。

雪国で、雪が降りはじめたら、自転車に乗らない人がほとんどでしょう。しかし最近は、雪道を走行できるファットバイクの愛用者も増えつつあります。スノーバイクが普及していけば、スキー場でも自転車型の乗り物を楽しむ人も増えるでしょう。自転車は、ウィンタースポーツ人口を増やすカギになるかも知れません。




改元の日が決定、10連休の可能性も噂されてます。オセロのようなルールを初めて知った人も多かったのでは。

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