May 03, 2018

自転車に乗る乗らないの境目

自転車に乗る理由はいろいろあります。


人それぞれですが、運動不足解消や健康増進になる、渋滞する都市部ではクルマより便利で速い、環境に優しく大気も汚染しない、維持費がかからず経済的、有酸素運動でダイエットなどでしょうか。そして何より、風を受けて走るのは気持ちがよく、自転車に乗るのが好き、純粋に楽しいといったことがあるでしょう。

では、自転車に乗らない人の理由はなんでしょうか。疲れるしペダルをこぐのがしんどい、汗をかく、髪が乱れる、遅くて時間がかかる、交通事故のリスクが高くて危ない、クルマがあるのに乗る理由がない、子どもの乗り物で大人が乗るのはみっともない、パンクしたり手入れが面倒、その他いろいろあるに違いありません。

そこまで否定的でない人でも、積極的に自転車に乗る理由がないという人もいるでしょう。運動不足解消や便利さはわかるけど、イマイチ乗る気にならない人、最近話題になるのは知ってるけど特に興味がない人、わざわざ乗ろうとは思わないといった人も多いはずです。

Love to RideLove to Ride

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多くの人は子供の頃に乗ったことがあるでしょうから、どんなものだか知っています。乗った感じも想像がつきます。見たことも乗ったこともない乗り物なら興味を示すでしょうが、今さら珍しくもありません。特にいいと思わない、ピンと来ない、関心がないという人は多いはずです。

乗っている人にしてみれば、乗ればわかるのにと考える人も多いと思います。でも、よく知っているからこそ、試さなくてもわかると考えるのでしょう。それが、ある種の溝のようになって、自転車に乗る人と乗らない人を分けてしまっているのかも知れません。

もちろん、最近自転車が話題になっているからとか、友だちが乗り始めたからなど、気軽に自分からチャレンジする人も多いでしょう。しかし、特に興味もない、考えもしないという人に、わざわざ自転車を試させようというのは困難です。そこには、言わば目に見えない壁があります。

自転車に関連した活動を行う団体、NPOなどはたくさんあります。自転車の活用を広く人々に呼びかける組織もあります。でも、そうした声を全くスルーしてしまう人たち、つまり自転車に乗る気が起きない人たちがいるわけです。それも少ない割合ではないでしょう。

Love to RideLove to Ride

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そこで、イギリスから始まった“Love to Ride”は、サイクリストではない人を、自転車に乗せる活動をしています。自転車に乗らない人、関心がない人、乗ろうと思わない人を、自転車に乗せるための仕組み、オンラインのプラットフォームを提供しています。

オンラインでのネットワークに加え、自転車に乗る体験を通じた、リアルな人間同士のつながりが加わります。地域のスタッフ、地元のサイクリストたち、企業やさまざまな関係者ともつながります。地域で自転車に乗る人たちのコミュニティを広げていく形で、非サイクリストを巻き込んでいこうと言うのです。

彼らのアプローチによって、平均して非サイクリストだった人の40%が毎週サイクリングを開始します。非サイクリストの31%が週に1回以上自転車通勤をします。たまに自転車に乗ることがある人の43%が週2日以上サイクリングするようになり、非自転車通勤者の32%が毎週自転車通勤するようになると言います。

Love to RideLove to Ride

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行動変容理論のメソッドに基づいてプログラムが設計されており、地域ごとに密着した形で展開し、多くの人を自転車の世界へ引き込みます。“Love to Ride”のプログラムに参加するのは、サイクリストが51%ですが、31%は非サイクリストであり、19%はたまに乗るような人たちです。

まず、試してみようという「きっかけ」を与えます。そして、自転車に乗る生活へ移行する上でのさまざまな障害を取り除いたり、問題解決のツールを提供したりします。人々が乗らない理由を見つけ、効果的にサポートすることで移行を促し、手助けしたりしています。

自転車の良さ、楽しさを理解してもらう機会をつくり、試してみて、さらにもっと乗るように誘導するプログラムになっています。みんなで行動することで、コミュニティが形成されます。目標を設定し、イベントやプロモーションなどが行われ、ポイントがたまったり、表彰されるなど工夫がされています。

Love to RideLove to Ride

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地域によって違いますが、人気の商品をはじめ、映画のチケットやレストランの招待券といったプレゼント、自転車用品から新品の自転車まで獲得できたりします。多くの企業の協賛もあって、具体的なインセンティブ、報酬が与えられます。自転車に乗るモチベーションを高めるためのプログラムでもあるのです。

個人でも参加できますし、自転車通勤を奨励する企業から、職場単位、グループで参加する人たちもいます。子どもの時以来、何十年ぶりかで乗ったという人も多く、すっかりその魅力の虜になる人も少なくありません。世界のあちこちで、今まで乗る気のなかった人を自転車の世界へいざなっているのです。

自転車に乗らない人には、その理由があり信念があります。それは、固定観念や思い込み、食わず嫌いかもしませんが、それに基づいた行動や習慣を変えるのは容易なことではありません。でも、何かきっかけで、その信念や固定観念が意外にもろいことが判明することも多いようです。

Love to RideLove to Ride

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“Love to Ride”は、自転車を試すきっかけを作ろうという試みです。地域でコミュニティを形成し、そこに非サイクリストを引き込んでいく活動です。よりたくさんの人に自転車を再体験してもらい、少しでも多くの人に自転車に乗ってもらおうという取り組みなのです。

自転車の楽しさを再発見し、周囲に勧めたくなる人は多いでしょう。多くの人が自転車に乗るようになれば、環境や渋滞、健康など各方面で社会的にプラスだと考える人も大勢います。まだ、そのことを実感する、気づくきっかけのない人の背中をそっと押してあげるのは、素敵な仕組みと言えるかも知れません。




エンゼルス大谷翔平選手が4月のア・リーグ新人月間MVPを獲得、さらなる快進撃を期待したいところですね。

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この記事へのコメント
私は相手が興味を示せば自転車を勧めますが、記事にある英国のような運動は不要だと思います。

なぜかというたとえば上の記事の「自転車」という言葉を「ジョギング」に置き換えてみてください。
すると今度は我々自転車愛好家は勧められる立場です。私はジョギングなんぞ全く興味ありません。しかしいろんなスポーツの愛好家みんなが同じような考えで「やりましょうよ、ハイキング」「バスケット」「ボクシング」....と勧めまくられたらどうします?

勧めるのもほどほどがよろしいかと思います。
Posted by Shigeo at May 04, 2018 21:10
Shigeoさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
自転車関連に限らず、貧困撲滅とか環境保護とか、いろいろな観点で活動する人たちたがいます。そのことに社会的意義を感じる人達がやるわけで、それが非合法とか倫理的に問題があるとかでない限り、必要とか不要とか言っても意味がないのではないでしょうか。言ってみれば当人の勝手です。
ハイキングやバスケットも含め、ほかにも何かを勧めたい人はいると思いますが、興味ない人には無視されるだけでしょう。いろいろな活動をしている人がいる中で共感する人がいれば、それだけ広がるということだと思います。
ハイキングやバスケットを勧めまくられても一向にかまいません。興味がなければ目にも入らないでしょう。
この活動にしても、興味を示さない人には全く関係ないことです。火の用心とか節電の呼びかけと同じで、なんら強制するものでもありません。ただ、イギリスでは、環境負荷の観点から支持する人、興味を示す人がいるというだけだと思います。
もちろん、興味を示さない人のほうが圧倒的に多いでしょう。興味のある人に、きっかけを提供しているだけです。充分に「ほどほど」だと思います。
こうした活動に対し共感するかどうか、人によってそれぞれというだけです。必要かどうかという議論は的外れのような気がします。
Posted by cycleroad at May 05, 2018 22:19
無視できる程度の誘いなら別に構いませんけど、インセンティブが出るとか何某をもらえるとか書いてあるので、こういうのがあるとしつこくなる人、いますからね。
Posted by Shigeo at May 09, 2018 06:15
 
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