May 12, 2018

自転車の活用がもたらすもの

だんだんと陽気もよくなってきました。


自転車で出かけるにもいい季節です。週末にツーリングなどの計画を立てている人もあるでしょう。さて、そんな折りですが、今回は例によって自転車関連のニュースの中から、気になったものをいくつかピックアップしてみたいと思います。

毎度取り上げているように、自転車を使って観光振興を図ろうとする自治体は増える一方です。今回も各地でイベントを行ったり、レンタサイクルなどを整備したりといったニュースが散見されます。ただ、競合する地域が増え、差別化が難しくなる面も出て来そうです。


滋賀自転車レース・クリテリウム 広島で7月初開催へ

「共有する自転車×地方交通インフラ」福岡市

津山鉄道館から自転車で観光を レンタサイクル4カ所目を整備 岡山

全車を電動アシスト自転車に…ヤマハ発動機がみうらレンタルサイクルに加入

和歌山自転車王国へ疾走 「ツール・ド・ふくしま」創設

目指せ「自転車の聖地・静岡」官民連携で体制整備へ

伊豆をサイクリング聖地に、自転車積める鉄道・バス

鹿嶋から八戸まで「ツール・ド・鹿八」開幕

静岡市、自転車利用促進へ「サポーター制度」

長野「聖地創造会議」が発足 自転車競技県内開催で /静岡

自転車観光、関西南部で整備進む 歴史・風景 幅広く集客

震災復興願い茨城−八戸800キロ自転車で走破

自転車競技「トライアル」 佐久で初のアジア選手権

「自転車を積める列車」で鉄道利用は増えるか 房総半島

静岡自転車で自然満喫 すさみ〜古座川町でイベント 和歌山

しまなみ海道で自転車料金の無料期間が延長中!サイクリング満喫して

台東区でシェアサイクルの実証実験 - 350台以上の自転車設置を目指す

滋賀・大津で大規模レンタル自転車開始 ofoが66カ所駐輪場と、約400台用意



しまなみ、ビワイチにあやかれ−自転車に熱視線 業務用道路開放、マップ作成…大阪・河内長野市

道路解放国内外のサイクリストが集まる「瀬戸内しまなみ海道」や、琵琶湖を一周する“ビワイチ”などにあやかろうと、大阪府河内長野市でもサイクリングをキーワードにした地域振興に力を入れている。

業務用道路の開放や地図の作製など取り組みを強化しており、市の担当者は「初級者から上級者まで自転車で楽しめるまち」と市の魅力発信に余念がない。

南海と近鉄が乗り入れる河内長野駅(同市本町)から車で約20分の府営「滝畑ダム」(同市滝畑)。このダム湖東側を通る右岸管理道路(約2・1キロ)が今年3月、開放された。府の担当者などの専用だったが、サイクリストたちから「自転車でダムを回りたい」と要望があり、開放が実現。これにより、ダムを一周する約5キロの道路がつながることになるという。

これまで通れなかった部分は、ダム湖の風景のほか春には咲き誇る桜を楽しめるとあって、ユーザーからの反応は上々。市内の無職、渋田充弘さん(78)は「静かで景色も良く、安心してサイクリングができる」と笑顔。レンタサイクルで訪れた会社員の男性(37)=富田林市=は景色の美しさに喜びつつ「(河内長野市内に)レンタサイクルを扱う所が少ないので、増やしてくれるとうれしい」と語った。

河内長野市が市内の自転車店主らの協力を得て作製したサイクリングマップも評判を呼んでいる。昨年9月に改訂された第2弾では南北朝時代の武将・楠木正成が学んだ観心寺を含む旧跡・名所を巡るコース(16・3キロ、所要時間1時間5分)や、滝畑ダム周辺を回るコース(18・9キロ、同1時間15分)など8種類を紹介。マップではサイクルラックや工具を貸してもらえるポイントなども表しており、累計で約5万部を発行したという。

道路解放近畿圏における自転車の名所として、兵庫・淡路島があり、島を自転車で周回(約150キロ)する「アワイチ」という言葉も定着。

兵庫県によると、島と四国を結ぶ大鳴門橋(全長1629メートル)の車道下部分を自転車用道路として利用できるかどうか、兵庫・徳島の両県が今年度から本格的検証に乗り出すなど、サイクリストにとって注目の動きも出ている。

河内長野市の担当者は、ますます広がる自転車ブームを踏まえながら「河内長野市はダム周辺以外でも、初級者から上級者まで『自転車で回って楽しめるまち』ということをPRしたい」と意気込む。問い合わせ先は同市産業観光課(電)0721・53・1111。(2018.5.9 産経新聞)


大阪では、ダム湖の湖岸の一部にある業務用道路を解放し、自転車で走れるようにしたようです。これによって、周回が可能になり、自転車客を集客する観光資源としてのポテンシャルも大きく上がったのではないでしょうか。これは、なかなかいい施策だと思います。

大阪に限らず、自転車で走っていると、川沿いとか湖岸などで、ここが走れたらと思う場所に出くわすことがあると思います。あちこち走っていると、意外に多いのではないでしょうか。一部を整備するだけで、周回道路になるような場所も少なくないと思います。

湖岸などの周回以外でも、少しの区間を整備するだけで、サイクリングロードと別のサイクリングロードがつながるような場所もあるでしょう。もちろん、護岸や管理用道路など本来の目的や事情などがあり、サイクリングロードになっていなかったのだろうとは思います。

しかし、この大阪の事例のように、やろうと思えば、道路を自転車向けに解放したり、サイクリングロードとして兼用できるように整備できるはずです。縦割り行政によって、柔軟でない、融通がきかない状態になっているだけという例も少なくないと思います。

地域振興の観点などから考えると、むしろ、もったいない話です。せっかくのポテンシャルを持つ観光資源が眠っている状態です。このことについては、このブログでも再三指摘してきましたが、ぜひ、この大阪の事例を見習って、道路の運用を見直したり、整備を行う自治体に増えてほしいと思います。


シェア自転車 中国大手が存在感 北九州進出、「全国へ」

シェア自転車気軽に借りて移動できる「シェア自転車」の国内市場で、昨年から参入した中国の大手2社が存在感を見せている。

21カ国で展開する「ofo(オフォ)」は和歌山、北九州両市で事業を始め、今月27日には大津市でサービスを開始する。

札幌、福岡両市で実証実験を進めるライバルの「Mobike(モバイク)」も3月下旬に神奈川県大磯町と奈良市に進出した。

これまでは国内の企業やNPO法人が運営していたが、欧米や中国などと比べて公共交通としての定着は遅れており、全国展開を目指す中国大手の進出が利用促進につながるか注目される。(毎日新聞 2018年4月26日)


シェア自転車の導入についてのニュースも入ってきています。中国資本によるシェア自転車は、日本で事業を開始する都市を次々と増やしています。一方、おひざ元の中国では急速に拡大したことや、シェア争いの激化などから大量の自転車が供給され、大きな問題も引き起こしています。


中国の都市への警告か、放置されたシェア自転車の山々

ここ数年、中国ではシェア自転車のスタートアップがいくつも生まれた。スタートアップは「自転車版ウーバー」と呼ばれ、ユーザーはGPSを搭載した自転車のロックをスマートフォンで解錠し、乗り終わったら好きな場所に乗り捨てることができる。

だがスタートアップの数は多すぎ、需要は不足した。英ガーディアンは、2017年11月に第3位の規模のBluegogoが破綻した直後に、中国の都市でシェア自転車が山積みに放置されている様子を伝えた。無数の自転車の山の中には、大手のモバイク、ofo、そして破綻したBleugogoの自転車もあった。

中国シェア自転車中国シェア自転車

中国シェア自転車中国シェア自転車

中国シェア自転車中国シェア自転車

その様子はまるで自転車の墓場。シェア自転車に多額の投資をしようとする中国の都市への警告のようだ。(Apr. 19, 2018 ビジネスインサイダー)


日本では、道路幅などの物理的な問題のほか、規制もあります。いくら中国資本の会社でも、中国の都市で行ったような物量作戦による拡大策を日本でとれるわけではないでしょう。上の記事のような、大量の放置自転車、撤去自転車が出るような事態にはならないとは思いますが、今後の展開が気になるところです。

自治体とも連携しながら、少しずつ事業を拡大させているようです。しかし、彼らも広く使ってもらって、その地域でシェアをとって、事実上の標準となることを狙っているはずです。シェア自転車事業そのもの、つまり利用料だけでは、なかなか採算がとりにくいと言われています。

福岡多くの人が使う「インフラ」となってはじめて、事業を展開する意味が出てきます。すなわち、ビッグデータを収集し、それをマーケティングや広告に生かすといったことが可能になります。そのためには、ごく一部の人が使うくらいの状態では、旨味がありません。

どこても借りられて、どこでも返せる、多くの人が便利だと感じ、当たり前のように使われる状態を目指しているはずです。そのためには、どうしても多くの自転車を配置する必要があります。日本で事業を展開する上で、そのあたりの折り合いをどうつけていくのかが注目されるところでしょう。


シェア自転車で観光地巡り スマホで手続き、渋滞に悩まず

渋滞対策風が心地よい季節。旅行に出かける機会も増えるでしょう。観光地で気軽に借りられる「シェア自転車」の選択肢も増えてきました。

混雑しがちな人気スポットに行くにも、自転車なら渋滞に悩まされずにすみそうです。二酸化炭素(CO2)を出さないエコな乗り物で、旅を楽しみませんか。(以下略 2018年5月8日 朝日新聞)


今始まったことではありませんが、観光地として有名な鎌倉では、昔から行楽シーズンの休日となると、深刻な渋滞が発生して大きな問題になっています。観光客が不便というだけではなく、地元の人が生活をする上で、移動出来ないことが大きな支障となっているのです。

ご存知のように、鎌倉幕府が置かれた古都で、三方を山に囲まれ、一方は海という天然の要害です。道が狭くて拡幅が困難なだけではなく、そもそも鎌倉と周囲をつなぐ道路が限られてしまい、市全体が袋小路のようになってしまう構造的な問題です。寺社仏閣だけでなく、海辺の道路は江ノ島や海水浴などでも大混雑します。

以前から、ロードプライシング制度を導入すべきだとか、地元の人以外は流入を制限しろなどと議論が続いています。生活に大きな支障をきたす住民がいる一方で、観光業関連や土産店を営む人などにとっては、観光客が減ってしまうのも困るでしょう。なかなか悩ましい問題です。

この緩和のための一策として、最近はシェア自転車の活用が図られているようです。電車とシェア自転車を使う人が増えれば、渋滞緩和に役立つでしょう。中心部には駐車場も少ないので、パークアンドライド方式で、周辺部に駐車して自転車を使ってもらうといった方法も考えられます。

ただ、シェア自転車を整備するだけでは、渋滞解消は困難だと思われます。他の場所と違って、鎌倉は独特の事情があるので、単にシェア自転車を導入して利用を促すのではなく、クルマの流入を制限し、半強制的にでも、自転車の活用を進めるしかないのではないかと思います。


トランクに自転車積めます 田辺観光バスが器具開発

バスのトランク和歌山県白浜町堅田の田辺観光バスは、観光バスのトランクにスポーツ用自転車を積載できる器具を開発した。6月には旅先でサイクリングを楽しめるツアーも企画しており、大谷晃一社長(40)は「県で自転車が普及する後押しもできれば」と話している。

同社によると、自転車をバスのトランクに積んで運べるバス会社は全国でも珍しいという。

器具を考案、制作したのは同社の運転手、永田勇さん(53)。1年ほど前、趣味のサイクリングで愛媛県今治市と広島県尾道市をつなぐ瀬戸内しまなみ海道を訪れた際に「和歌山からも気軽にサイクリングに来られるツアーがあれば」と思ったのがきっかけだった。

一般的に、スポーツ用自転車を運ぶには、前後輪を外して専用のバッグに入れて運ぶ。前輪だけを外して車の荷台に載せることもできるが、目的地から車がある出発地点まで戻る必要があるという。

同社の器具は前輪だけを外して積載でき、バスが走行する衝撃で故障しないようトランクに敷いた板に自転車を立てたまま固定。16台の自転車を積むことができる。途中で自転車が故障したり、体調が悪くなったりしても、自転車と一緒にバスに乗ることができるのも利点という。(2018年5月8日 紀伊民報)


観光バスのボディの、座席の下にあたる部分にはトランクがあります。高速バスなどで大きな荷物を預けたりすることもあるでしょう。そのバスのトランクに、自転車を積める器具ということのようです。たしかに、これまでバスのトランクに自転車を積むには輪行バッグに入れる必要がありました。

バスの前後にラックを取り付ける場合もありますが、それでは台数が限られてしまいます。わざわざ輪行バッグに入れなくてもトランクに収納できて、しかも16台も乗せられるなら、自転車客の輸送の効率が大きく上がるでしょう。観光バスの利用の範囲を広げることにもなりそうです。

列車に自転車を積む、サイクルトレインは時々聞きます。サイクルバスも、あることはありますが、聞くことは少ないと思います。専用の器具で16台、前輪を外すだけで手軽に積めるようになれば、これまで以上にバスの利用が増えるかも知れません。

サイクルトレインもいいですが、バスが使えれば、目的地がぐっと広がります。直接自転車で行くには遠い場所でも、バス&サイクルならば行けるようになります。人口集積地から距離のある観光地でも、集客に役立つに違いありません。これは他のバス会社も導入する価値があるのではないでしょうか。


福岡県大牟田市に100万回再生を超えた人気自転車屋ユーチューバーがいた!

自転車屋〜その名も『九州車輌販売』店長 山本一成さん〜

「自転車店で自転車を買う」普通の事ですが、自転車専門店に入るって怖くないですか?

自転車ブームと言われる昨今ですが、初心者の方が自転車屋で自転車を買うと言うのはやはり壁があると言うのが現状です。

初めての方から見れば、自転車は全て同じ形をして同じ部品がついているように見えてしまうので、値段の違いや自分の生活スタイルに適しているのかなどが解らないけれど、専門店に言って話をするのは何を聞いていいのかも解らなかったり、恥ずかしかったりします。少しは勉強して行かないと怒られそう!とか心配では?

店としても人手不足の状態でもあり、一組のお客様に沢山の時間をかける事が出来ません。

そこで!自転車に乗ってみよう、買ってみようと思った方がネットで下調べをする際に見る、製品の特徴を解りやすく、簡単に、短時間(2-4分)で紹介する動画を作製しアップしていたところ、動画の総再生回数が合計100万回(1019781回 5/7現在)を突破し、動画を見ての御来店が3割以上、人口減少が続く大牟田の中であっても紹介しているカテゴリーの自転車は2.5倍の売上となりました。

当初メリットとして考えていた、入りやすいお店になる・商圏の拡大・接客時間の短縮等は勿論ですが、当店に御来店頂けない遠方の方も「動画を見て買う自転車を決めました!」とコメントを頂く業界全体に貢献する動画となっています。(以下略 2018/05/11 PR TIMES)


こちらは、ニュースではなくプレスリリースですが、実店舗の自転車屋さんがネット、それもYouTubeを利用して販売促進しているという事例が紹介されています。たしかに、今どき自転車を買おうと思ったら、ネットで下調べをする人は多いと思いますが、YouTubeの動画のおかげで売り上げ2.5倍とは驚きます。

近年、街の自転車屋さんは減る一方です。ホームセンターなどの量販店や、ディスカウントストア、大型のスーパーなどとの競合が大きな要因でしょう。格安のママチャリが大量に供給され、価格の安いそれらの大型店に客足が流れているものと思われます。

もちろん、ネット通販の影響もあると思います。ただ、ネットで自転車を買う人が増えて来た一方で、自転車の場合は、その商品としての特性上、どうしても修理やメンテナンスなどがあります。実店舗の自転車屋さんで買いたいと考える人は多いはずです。

実店舗でも、ネットを使うことで売り上げが上がるというのは興味深い事例ではないでしょうか。店を開いているのだから、地元の人は知っているはずと考えるのではなく、積極的にネットを使って販売促進をしてみる手を、全国の街の自転車屋さんは考えてみてもいいと思います。

福島消費者が割安な自転車の購入に流れるのは、市場原理という点で仕方のないところかも知れません。しかし、自転車の場合は、値段だけでなく安全性も重要です。また、街の自転車屋さんがなくなると、使い捨てのようにする人が増え、放置自転車も増えたりします。販売や流通の面でも、健全な環境が望まれます。

動画によって、自転車は値段だけではないこと、選ぶポイントやそのメリットなどを理解する人が増えれば、格安の自転車ばかりが売れ、悪貨が良貨を駆逐するような状況が変わっていくかも知れません。その意味でも自転車屋さんからの情報発信が求められると言えそうです。

街の自転車屋さんも、広い意味でのインフラです。自分で全て整備やメンテナンスが出来る人はともかく、多くの利用者にとって欠かせない存在でしょう。自転車を買おうと思っている人には、格安の自転車を売っておしまいの量販店ではなく、専門店で買うこと、いい自転車を長く安全に安心して乗ることを考えてほしいものです。

◇ ◇ ◇

各地で自転車振興が進み、環境整備が進むことで、自転車の活用が広がっています。自転車に乗る人も増えるでしょうし、サイクリストにとって便利になるのは喜ばしいことです。市民サービスの向上でもあるわけで、自治体等の関係者には、一時的なブームに乗ろうと考えるのではなく腰を据えて取り組んで欲しいものです。




大谷選手の快進撃が続いています。すでに3勝に本塁打5本、今日は4番DH、ますます期待が膨らみますね。

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