July 02, 2018

電動アシストが向かうところ

電動アシスト自転車が売れています。


右肩上がりに販売台数を増やしており、日本では既に原付バイクの出荷台数を上回っています。世界的に見ても、例えばアメリカでは2016年から2017年にかけて販売台数が倍増するなど、その市場は拡大する一方です。多くのメーカーがラインナップし始めています。

最近は、電動アシストのロードバイクや、電動アシストマウンテンバイクなど、電動アシストのスポーツバイクも登場しています。パワーが欲しいカーゴバイクはもちろん、ファットタイヤの電動アシストバイクや、電動アシストのフォールディングバイクも出てきています。

たしかに登り坂などではラクです。これまでの普通のママチャリから、電動アシストタイプに変えて、もう元には戻れないという人も多いでしょう。普及につれて、ネックだった価格も下がり、デザインも洗練されてきて、さらに電動アシストを選ぶ人は増えていくものと思われます。

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ただ、急拡大しているとは言え、自転車全体から見れば一部です。電動アシスト自転車を選ばない人も相変わらず多いのは間違いありません。スポーツバイクに乗るような人もそうですが、電動アシストを選ばない理由がいろいろあるようです。

電動アシストに乗るのはカッコ悪い、デザインがダメ、充電が面倒、必要を感じていない、乗ったことがないのでピンと来ないなど、さまざまでしょう。中でも、よく言われ、一定の説得力を持つのが、「バッテリーが切れたら、ただの重い自転車になってしまう」ということではないでしょうか。

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搭載出来るバッテリーの容量は限られるので、それによって電動アシストが効く範囲、いわゆる航続距離が限られます。それほど距離を乗らない人には問題ないですが、航続距離を過ぎてバッテリーが切れたら、それ以後はアシストされないどころか、重量が重いぶん、逆に重荷になってしまうのが問題です。

当然ながら、その弱点を克服すべく開発が進められています。技術の進歩もあり、より大容量のバッテリーや高効率のモーターを搭載し、航続距離を伸ばす改良です。バッテリーやモーターがあるぶん重くなるのは宿命ですが、さらにバッテリーを増やし、高出力のモーターでカバーしようというわけです。

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でも、そんな流れに疑問を持つ人たちもいます。イギリスはロンドンに拠点を置くスタートアップ企業である、Analog Motion 社の人たちです。彼らは、世の中の電動アシスト自転車の開発の方向とは一線を画したモデル、“AM1”を世に問うことにしました。

最近は、何千ワットもの高出力モーターを搭載するようなモデルもある中、“AM1”のアシストモーターの出力は、200Wしかありません。バッテリーもドリンクボトル程度の大きさです。結果として、アシスト力は限られ、航続距離は、およそ32キロ程度に過ぎません。

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しかし、これによって車体全体の重量を、13.5圓箸いΨ變未砲箸匹瓩泙靴拭0貳姪な電動アシスト自転車の場合、20キロや30キロは当たり前ということを考えれば、相当に軽量と言えるでしょう。ですから、必要な時には、スポーツバイクのように、簡単に持ち上げることも出来ます。

航続距離は短くなりますが、それでもイギリスで通勤に使う人の一日の平均的な移動距離、13.6キロは余裕でクリアします。日本のママチャリ型のように、ペダル回りにモーターがあるタイプではなく、後輪のハブに収められたタイプなので、モーターも軽量コンパクトです。

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航続距離を伸ばそうとするのではなく、むしろ電動アシストを必要最小限にし、必要な時だけアシスト力が使えればいいという考え方です。アシスト機構自体、必要に応じて手元でオフに出来ます。それでもそれなりの航続距離はあって日常で使うには充分、このことによって重量を軽くしたほうがメリットは大きいと考えたわけです。

デザインもシンプルです。電動アシスト自転車独特の野暮ったいデザインではありません。バッテリーがボトルホルダー部分にあるだけで、一般的なクロスバイクなどと変わりません。カスタムも可能で、オーソドックスなダイヤモンドフレームだけではなく、またぎやすいU字型フレームを選ぶことも出来ます。

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稼働時にアシスト力が足りないということはありません。充分にパワフルです。アシストをオフにしても車体が重くないので、普通の自転車に乗っているのとあまり変わりません。バッテリーが切れたとしても、重たい自転車にならなくて済むというわけです。価格も£499からとリーズナブルです。

現在はクラウドファンディングサイトで資金調達していますが、£2万5千の目標額に対し、£30万近い金額を既に集めており、多くの支持が寄せられたことがわかります。アシストは必要最低限、ミニマムでいいと割り切るスタイル、考え方に多くの人が共感したと言ってもいいのではないでしょうか。



普通の自転車のように使えて、必要な時にはアシストも使えます。バッテリーが切れても、ただの重い自転車になりません。電動アシストを選ばない理由が、また一つ減ることになりそうです。今後、こうした考え方が普通になるならば、電動アシストは、ますます広く搭載されていく可能性があるでしょう。

さまざまなタイプの自転車に、電動アシストモデルがラインナップされ、もはや、自転車のカテゴリーの一つとして電動アシスト自転車があるのではなくなりそうです。いろいろなカテゴリーの自転車のグレードの一つ、あるいはオプション、選択肢の一つのようになっていくのかも知れません。




いよいよ決勝トーナメント、ロシアもスペインを破りました。可能性は充分あります。早寝早起きして応援します。

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