July 05, 2018

もっと工夫は出来ないものか

台風が日本海を抜けていきました。


これに伴って湿った南風が流れ込み、梅雨前線が刺激されるなどして各地で大雨が降りました。この後も広い地域で雨となり、激しく降るところもあるようです。さて、そんな折りですが、例によって最近の自転車関連のニュースをいくつかピックアップしてみたいと思います。


「すごく役に立った」チャリンコ 震災時、シェア自転車で通勤難突破、代替交通手段に

震災対策大阪府北部地震では府内のほとんどの公共交通機関が止まった。多くの人が歩いて通勤する中、シェアサイクルを利用した人もいた。近くのポートで借りて目的地近くのポートで乗り捨てられるため、通学・帰宅困難者を含め「すごく役に立った」と喜びの声が上がっている。

大阪市を中心にシェアサイクル「ハブチャリ」を運営するNPO法人「Homedoor(ホームドア)」は震災当日、一部の自転車を無料で貸し出した。

震度6弱に見舞われた大阪市北区の事務所には「帰れなくなった」「仕事で急いでいる」など使用の問い合わせが相次ぎ、会員制交流サイト(SNS)やホームページで無料貸し出しの情報を発信した。

川口加奈理事長(27)は「シェアサイクルは震災時の帰宅困難者のセーフティーネットになると感じた」と手応えをつかんだ。今回は自転車の貸し出しシステムの提供会社に許可が取れず無料にできたのは一部だったが、震災時は全て無料にするとの合意を新たに得た。

▼【ビジネスの裏側】関西の観光はシェア自転車で レンタル手軽…外国人急増で脚光

兵庫県西宮市の会社員、国井美和さん(48)は通勤中の電車内で被災。歩いて通勤する途中に以前利用したハブチャリを思い出し、近くの自転車ポートで借りた。「ずっと歩いていたら途中でくじけていたと思う。自転車は機動性があり、交通網がまひしたときにすごく役立つ」と話した。

川口さんは「行政との連携や拠点の増加など、もっと利用しやすくなれば」と意欲を見せる。(2018.6.29 産経新聞)


さきの大阪北部を襲った地震では、一斉に電車も止まりました。揺れが収まっても線路の点検などの必要があるため、復旧まで長い時間を要しました。この影響で道路の渋滞も酷い状況だったようです。あらためて災害の時の移動の問題や帰宅困難者の発生がクローズアップされました。

電車が止まり、渋滞でバスやタクシーも来ない中、多くの人が徒歩で移動を強いられました。でも、徒歩では時間もかかり、限界もあります。この状況でシェアサイクルが一部無料開放されたことで、自転車があれば、大きな機動力を発揮することが、あらためて実感されたのでしょう。

災害用の自転車の備蓄などとは別に、ふだんからシェアサイクルが整備されていれば、災害時の移動の有力な手段となりえます。ふだんは、鉄道やバスなど公共交通機関とも連携して使え、イザとなれば公共交通の代替となる事実は、今後、都市での自転車の活用を考える上で見過ごせない要素だと思います。


米リフト、「シティバイク」運営会社を買収−自転車シェア事業に参入

自転車シェア参入配車サービスの米リフトは、ニューヨークで自転車シェアシステム「シティバイク」を運営するモチベートを買収することを明らかにした。モチベートはニューヨーク以外の米主要都市でも自転車シェア事業を手掛ける。

リフトはモチベート買収の条件を明らかにしなかった。6月の時点では2億5000万ドル(現行レートで約277億円)での買収が協議されていると報じられていた。

米国では近距離をカバーする陸上交通の世界で競争が激化しつつある。4月には同業の米ウーバー・テクノロジーズが、電動アシスト自転車シェア事業を手掛ける新興企業ジャンプ・バイクスを買収。バードライズとライムはモバイルアプリを通じたシェアサービス用に電動スクーターを購入するため数億ドル規模の資金調達を行った。

モチベートは主に自転車を専用駐輪スペースに待機させるドック型事業を都市部で展開。電動アシスト自転車も試し始めた。同社はドックレス(乗り捨て)型の自転車とスクーターを扱う企業からの攻勢にさらされている。ドックレス型では、利用者は事実上、歩道のどこにでも乗り捨てが可能であり、各都市はこうしたサービスの規制に向けて取り組んでいる。(2018年7月3日 ブルームバーグ)


リフトやウーバーといった、ライドシェアの大手が相次いで自転車シェアにも手を伸ばしています。ライドシェアと自転車シェアリング、似ているようで違う面もあります。自転車の場合は車体などの初期費用が必要ですし、再配置などの手間もかかり、事業として採算性がいいとは言えません。

都市部での近距離の移動に限れば、競合する面もあると思いますが、リフトやウーバーは、それをマイナスとは考えていないようです。むしろ、距離などによって、どちらを選ぶか選択する形で、両事業が補完しあったり、顧客へのサービスがより充実するということなのでしょう。

都市や近郊での移動という面で考えれば、その手段がライドシェアであれ、シェア自転車であれ、移動には変わりありません。人々の移動を把握し、ビッグデータを握り、その分析や、顧客へのマーケティングや広告といったサービスこそ大きな収益が期待出来るわけで、両者に展開を広げるのは当然のことなのかも知れません。


故意に進入か、自動車専用道を走行の自転車にトラックが追突

故意に進入か自動車専用道である「名古屋第二環状自動車道」へ自転車が進入して本線を走行。大型トラックに追突される事故が起きた。この事故で自転車に乗っていた男性が重傷を負ったが、料金所を通過して本線へ入っており、故意に進入した可能性が高いとみられている。

28日午前2時20分ごろ、愛知県清須市内の名古屋第二環状自動車道(名二環)内回り線で、本線を走行していた自転車に対し、後ろから進行してきた大型トラックが追突する事故が起きた。自転車に乗っていた男性が重傷を負っている。

愛知県警・高速隊によると、現場は清須市西市場3丁目付近で片側2車線の緩やかな左カーブ。自転車は自動車専用道となっている名二環で道路左側の路肩を走行していたところ、後ろから進行してきたトラックに追突された。

自転車は弾き飛ばされるようにして転倒。乗っていた千種区内に在住する27歳の男性は近くの病院へ収容されたが、骨盤などを骨折する重傷。トラックを運転していた奈良県天理市内に在住する43歳の男にケガはなく、警察は自動車運転死傷行為処罰法違反(過失傷害)の現行犯で逮捕している。

自転車は現場から約1km離れた清洲東インターチェンジの料金所から名二環へ進入していた。発見した料金所の職員が声を掛けて制止したが、自転車はそのまま進入していったという。道路会社から通報を受けた警察が捜索を開始しようとした直後に事故が起きていた。警察では故意に進入した可能性を視野に入れ、事故発生の経緯を詳しく調べている。

こうした自動車道への自転車進入については、料金所施設が無い出口から誤進入するというケースが目立つのだが、今回は料金所もある入口から進入していた。有人ゲートもあり、料金所の職員が声を掛けて制止していたが、自転車はそのまま進入していったという。

今回の事故では自転車に衝突した運転者が逮捕されているが、逮捕には「事故でショックを受けた運転者の自傷行為を封じ込める」という意味もあり、「逮捕=全面的に悪い」というではない。入ってはいけない場所へ進入(侵入)したという点において、今回は自転車側の過失責任が重くなる可能性が高い。(2018年6月29日 レスポンス)


高速道路の降り口などから、一般道と間違えて進入するというケースはよく聞きますが、これは料金所を通っており、職員の制止を振り切っての進入とのことなので、明らかに故意なのでしょう。その理由は不明ですが、有料道路なら、信号も交差点もなく、自転車でも速くてラクとでも思ったのでしょうか。

故意だとすれば、自転車利用者のルール無視、傍若無人な行動も極まれりという感じです。事故の状況はわかりませんが、後ろから追突してしまったトラックの運転手こそいい迷惑です。夜中ですし、まさか高速道路に自転車がいるとは思わなかったに違いありません。これは自転車に乗っていたほうを厳罰にすべきではないでしょうか。


昨年の尾道観光客数、外国人も自転車も最多更新 観光消費額は前年比1.5%増

観光客広島県尾道市に昨年訪れた観光客数を、市がまとめた。外国人客は11年連続、サイクリング客は5年連続で過去最多を更新。総数は前年から微増の680万612人で、しまなみ海道が全線開通した平成11年の967万8000人には及ばないものの、12年以降で最多となった。

外国人観光客は28万6439人で、前年の27万459人から5・9%増。合併後の19年(2万679人)から一貫して右肩上がりを記録しているが、伸び率では最も低く、増加傾向は続いているものの落ち着いてきたといえる。

国・地域別では、前年に引き続いて台湾からの観光客が最も多く、25・8%を占める7万3827人。以下、香港3万5216人(12・3%、前年2位)J胴2万5114人(8・8%、同3位)ご攅1万8794人(6・6%、同11位)ゥ侫薀鵐1万4908人(5・2%、同4位)―など。ただ、台湾、香港ともに広島空港への直行便が28年10月に減便されたこともあり、やや減少した。

しまなみ海道のサイクリング人気は海外でも高まる一方だが、国内からの来訪も含めたサイクリング客は前年比10・6%増の20万4304人で過去最多。レンタサイクルの貸し出し数も同5・7%増の8万3368台と、最多記録を更新し続けている。

観光消費額の推計値は前年比1・5%増の271億6800万円で、9年連続増加。宿泊施設の新設があったことなどにより、観光宿泊客が前年比6・0%増の45万2000人になったことも増加要因とみられる。(産経新聞 2018/07/03)


ここのところ、しまなみ海道の観光振興の効果が注目されています。あらためて、その人気が伺えます。外国人観光客にも、訪日の目的の一つとして大きな魅力となっているようです。なんと言っても、海の上を走るサイクリングコースは世界的にも類を見ません。

しまなみ海道が、その点で魅力的であり、特別なのは間違いありません。しかし、海の上に限らず、日本でのサイクリングは魅力的だと言います。日本人にとっては普通であり、あまり意識しませんが、日本の自然や変化に富んだ景観は、外国人にとって大きな魅力として映るようです。

事実、他の地域のごく一般的に見えるサイクリングコースでも、海外からの訪日客が増えているところがあります。海の上を走るだけが魅力ではありません。どうしても、しまなみ海道は注目されますが、あのような特徴がなくても、インバウンドを増やし、人気を高めているコースがあることにも留意すべきでしょう。


「荒川サイクリングロード」に大量の「釘」、サイクリスト狙った嫌がらせ?

サイクリングロードに釘「荒川サイクリングロード」と呼ばれている東京・荒川下流河川敷の緊急用河川敷道路に大量の釘が散乱していたことが7月2日、わかった。6月30日にTwitterに現場の写真が投稿されたほか、管轄する国土交通省関東地方整備局荒川下流河川事務所に2日朝、利用者から「危険なので清掃してほしい」と通報があった。

釘は故意にまかれたものとみられ、今年1月にも別の場所で2回、釘が大量に散乱する事件があったため、荒川下流河川事務所では現在、事実関係を確認の上、警察と対応を協議するという。この道路は、以前からマナーの悪い一部のサイクリストが事故を起こすなど、問題となっていた。

●今年1月にも2回、釘が大量に発見、警察と相談

Twitterの投稿には、6月30日朝には大量の釘が地面に散乱し、大勢のサイクリストが拾い集めている様子の写真が投稿。パンクしたというツイートもあった。荒川下流河川事務所によると、現場は投稿などで、釘が発見されたのは、荒川右岸側で墨田区のあたりとみられている。大勢のサイクリストが訪れる週末だったことから、「サイクリストを狙って釘をまいたのでは」「嫌がらせにしてもひどい」といった声がTwitterで寄せられている。

この道路は、災害時の救助救命活動や緊急物資輸送に使用される緊急用河川敷道路」だが、サイクリストの間では「荒川サイクリングロード」と呼ばれている。しかし、マナーの悪い一部サイクリストが他のサイクリストと接触したり、歩行者にぶつかったりなど事故が発生していたことから、関係自治体や荒川下流河川事務所などで2014年、「荒川下流河川敷利用ルール」を設置。「自転車は徐行し、歩行者を優先しましょう」「河川敷道路に自転車や荷物などを置かないようにしましょう」などとマナー向上を呼びかけてきた。

サイクリングロードに釘利用ルールでサイクリストは徐行での通行を求められ、「新・荒川下流河川敷利用ルールについてのよくある質問」にも、「集団での高速走行や練習のために荒川を利用することを考えているのであれば、それはできません」と明記されている。

しかし、「私たちも現場でマナー向上のチラシを配っていますが、高速で走行する自転車の利用者を見つけることがあり、自転車を止めてゆっくり走るよう理解を求めています」と荒川下流河川事務所では話す。

この道路では、今年1月にも左岸側の足立区鹿浜で、大量の釘が2回にわたり発見される事件があった。最初は1月4日で、地元の人たちが拾い集めたといい、次に1月13日にも再び、釘の散乱があった。

荒川下流河川事務所ではTwitterで、「危険ですので、釘を落とした場合は必ず回収してください。なお、同様の事案が続いたので警察に相談したところ、釘の散乱を発見した場合は110番通報して下さいとの事でした」と注意を呼びかけていた。

荒川下流河川事務所では「自転車利用者だけでなく、歩行者にとっても大変、危険な行為です。事実確認をした上で、警察と協議したい」と話している。(2018年07月02日 弁護士ドットコム)


荒川に限らず、都市部を通る河川敷のサイクリングコースでは、自転車だけでなく歩行者も多いため、これまでにも歩行者と自転車利用者の間のトラブルが起きています。歩行者にしてみれば、自転車が危なかったり、傍若無人に見えたりするのでしょう。事故も起きていますし、トラブル、喧嘩になったりすることもあるようです。

常識的に考えるならば、ふだん歩いて通る人が、自転車利用者に対して、パンクさせよう、嫌がらせをしようとしてクギを撒いたものと思われます。しかし、これは犯罪です。なんの落ち度のない人にまで被害を与えかねません。どんなに腹に据えかねていたとしても、許される方法ではありません。

たしかにマナーの問題という面はあると思います。マナーが悪い人がいるのは間違いありません。ただ、サイクリストとしては、特にスピードを出しているつもりがなくても危険に思われたり、充分に離れて追い越したとしても、音に気づかないと、驚いて危険に感じられたりすることもあると思います。

なかなか難しい面もあると思いますが、マナー向上を促すだけでなく、何か物理的に歩行者と自転車を分離するなど、構造的に事故やトラブルが起きないように出来ないものでしょうか。サイクリストのわがままと言われるかも知れませんが、河川敷は比較的スペースがあると思うので、そのような方策も考えてほしいと思います。


自転車活用推進法が本格始動 超党派議連が皇居一周サイクリング「青空総会」でPR

超党派議連超党派の国会議員から成る「自転車活用推進議員連盟」(議連会長・二階俊博自民党前幹事長)は6月25日、議連や関係省庁の自転車活用推進本部の関係者らを集めた「青空総会」を東京・千代田区の国会議事堂周辺で開催した。

自転車活用推進法の「自転車活用推進計画」が6月8日に閣議決定されたことを受けたもので、同議連の会長代行を務める自由民主党の河村建夫衆議院議員は開会の挨拶で「本格的に(自転車の活用推進が)軌道に乗ってきた」との認識を強調した。

計画実行の舞台は地方自治体へ

自転車活用推進議員連盟による「青空総会」は昨年に引き続き、3回目の開催となる。集まった議員や関係者らは自身の愛車やシェアバイク、電動アシストスポーツ自転車などさまざまなスタイルで、夏を思わせる快晴の国会議事堂をスタート。警視庁の自転車部隊「BEEMS」(ビームス)の先導のもと、皇居一周約5kmのサイクリングを行い、自転車が環境・健康・交通・経済に寄与することをPRする活動を行った。

自転車専用道路や通行帯の整備、シェアサイクルの整備、自転車競技施設の整備、交通安全教育および啓発など、自転車の活用を推進する施策の「基本理念」を定めた「自転車活用推進法」が昨年5月1日に施行された。そのための基本的な計画となる「自転車活用推進計画」がおよそ1年をかけて作成され、6月8日に閣議決定された。

自転車活用推進本部長を務める石井啓一・国土交通相は「自転車活用推進本部を中心に政府が一体となり、『自転車活用推進計画』に記載された事項を確実に実施することで自転車の活用推進を図っていく」との考えを示した。

また、市をあげて「自転車の街」づくりに取り組んでいるさいたま市の清水勇人(はやと)市長は、自治体側の意見として「これで国と地方自治体が一体となって自転車の街づくりを推進することができる。我々も引き続き、さらなる努力をしていきたい」と意欲を語った。

超党派議連2月に全日本実業団自転車競技連盟の理事長に就任した片山右京氏も開会式に出席し、「自転車は街の中ではいまだ悪者扱いされている。高校の部活動で練習する環境がなくなり、廃部に追い込まれたところもある」と自転車をめぐる社会環境の未熟さを指摘。

「自転車には運転免許はないけれども、子どもたちが乗る“最初のクルマ”という認識をもって皆さんの力をお借りし、地に足がついたものにしてほしい。その先に、やがて自転車を世界に通ずる日本のスポーツとして発信していけるようになる」との考えを述べた。

自転車が広げる新たなニーズ

会場となった国会議事堂正門付近には、およそ20の企業・団体が所狭しとブースを出展。ロードバイクをはじめ、すっかり市民権を獲得し、多様化したシェアバイクの展示や、注目を集めている電動アシスト自転車の体験会などが催された。

電動アシスト自転車には変わった形状の“機能性自転車”も出展しており、100kgの荷物を運搬できるカーゴタイプの自転車や、車いす利用者を前方座席に座らせ、“2人乗り”ができる自転車など特定の機能に特化したユニークなモデルが来場者の関心を集めていた。(2018/06/25 サンスポ)


自転車活用推進議員連盟が活動をしていたようです。このこと自体はいいのですが、あまり話題にはなっていません。テレビでも報道されていなかったようですし、おそらく、このようなPR活動があったことを知っている人は限りなく少ないのではないかと思います。

議員連盟としては、活動をアピールする面もあるのでしょうが、議員さんたち自らが自転車に乗っても、PR効果は薄いと言わざるを得ません。こうした活動が悪いと言うわけではありませんが、もう少し違うやり方を考えたり、工夫をしたほうがいいような気がします。

自ら市民にアピールするより、むしろ、同じ国会議員に働きかける活動を是非してほしいと思います。それが出来る立場です。先進地域の自転車の観光振興効果を具体的に示すなど、自転車の活用推進に対する理解を進め、支持を広げたほうが、その実現に寄与する面は大きいような気がします。


飛行機輪行はもう不要! JALが自転車受託手荷物専用ボックスを開発した狙い

飛行機輪行JALは6月22日、快適な空旅とサイクルツーリズムの拡大を実現すべく、自転車輸送用の受託手荷物専用ボックス「SBCON(エスビーコン)」をせとうち観光推進機構とS-WORKSと共に開発した。

利用者は輪行袋持参・複雑収納の手間なく、気軽に自転車と旅ができるようになるというもので、まずは8月24〜26日に第1弾のモニターツアーを実施し、今後のサービスに向けての検証を行う。

自転車旅で地方に新たな観光需要を

JALは2015年より、地域と一緒に「地域の元気」を創る「JAL 新・JAPAN PROJECT」を展開しており、今回の取り組みもその一環となる。新・JAPAN PROJECTのテーマのひとつである交流人口の拡大を目指し、今後更なる拡大が見込まれているサイクルツーリズムの多様なニーズに応える取り組みとして、今回、共同で「SBCON(エスビーコン)」を開発した。

瀬戸内のしまなみ海道を始め、全国には様々なサイクルロードやサイクルイベントがあり、今日ではサイクルツーリズムを目的とした訪日外国人も増えている。各地では、レンタサイクルのサービスを展開しているところもあるものの、自分が乗り慣れた自転車でロングライドを楽しみたいというニーズもある。その場合、特に遠方にもなれば、飛行機輸送は避けられない。

飛行機で自転車を輸送するには、利用者自身が輪行袋と呼ばれる自転車を収納するためのケースを用意する必要がある。しかし、輪行袋はかさばる上に、慣れない人になると収納に30分程度時間がかかることもあるなど、ハードルは決して低くない。こうした現状に対し、「逆転の発想で、自転車そのものを預けてもらうということはできないのか」というところから今回の取り組みが始まったという。

前輪を外すだけ! 1〜2分で収納完了

飛行機輪行「SBCON(エスビーコン)」自体は、せとうち観光推進機構とS-WORKSがトラック等で運ぶ際の地上輸送用の専用ボックスを改良したものとなる。自転車はカーボンフレーム等、高価で繊細な自転車を運ぶことを想定し、ロードバイクやトライアスロンバイク、クロスバイク等を対象としている。

収納は前輪を外すだけのため、1〜2分程度の短時間で空港にて自転車を収納でき、フレームへの接触が気になりがちなディスクブレーキやペダルも、そのまま安心して収納可能。

全体の大きさ(幅52cm×長さ170cm×高さ94cm)はカーゴの大きさを踏まえながら、世界の平均身長(173m)よりもやや大きい175cmの人の標準体型+αに合った自転車を収納できる空間を確保して定めた。全体の形がおわん型なのはカーゴの形状に合わせたためであり、通常の運航便においても、1便につき5台程度まで対応できることを想定している。

また、素材にプラスチック段ボールを用いることで、強度と軽量化を実現した。ただし、ひとりで抱えて持ち運べるほどの軽さではないため、運ぶには台車が必要となる。

国際線での展開も視野に

気になるのは、実際にどのように利用でき、どのようなサービスとして展開されるかである。JAL経営企画本部長の西尾忠男氏によると、まずはパックツアーから始め、検証を重ねた後に、事前予約制で個人利用者にもサービスを拡大することを検討している。利用できる空港も、羽田空港や福岡空港等、幹線となる空港から拡大することを想定。「SBCON(エスビーコン)」は貸し出しになる関係で、有料でのサービスを想定している。

飛行機輪行現状、自転車を預ける場合には、輸送中の責任を問わない旨を記した誓約書にサインが必要になる。この「SBCON(エスビーコン)」で自転車を預ける場合にも、自転車という高額品を扱うため、同様に誓約書が必要になる見通しだ。また、同様の理由で、収納自体は基本的に利用者自身の手で行う必要がある。

まずは8月24〜26日に行う第1弾のモニターツアーを通じて、現場でのハンドリングや現実的なサービス内容・価格の検証を行う。第1弾は、「JALで行くサイクリストのための『しまなみ海道』モニターツアー3Days」と題したもので、1日目は飛行機で羽田空港から広島空港に飛び、広島・尾道のサイクルホテル「ONOMICHI U2」に宿泊、2日目はしまなみ海道のフリーライドで愛媛・今治の「今治国際ホテル」に宿泊、3日目は今治から自転車で松山空港に行き、そこから飛行機で羽田空港に向かうというプランとなる。このモニターツアーは定員10人(最小催行人員1人)で、7月2日に販売予定。価格は未定となっている。

しまなみ海道には現在、台湾からの訪日外国人も多い。今後の展開としては、国内利用者のみならず、訪日外国人も含めた国際線での利用にも拡大できればと構想している。まずはモニターツアーを重ねることでサービスレベルを高めつつ、各地のニーズの把握を目指す。(2018/06/22 マイナビニュース)


飛行機での輪行用に、自転車受託手荷物専用ボックスが開発されているようです。航空会社も、自転車による観光振興、それに伴う旅客の増加という点に注目し始めたのでしょう。もちろん、サイクリストにとっては大いに歓迎すべき傾向です。飛行機を使った輪行、自転車旅行という選択肢が広がります。

電車での輪行なら、自分で持ち運ぶので注意出来ますが、荷物として預託してしまうと、そうはいきません。どのように扱われるかわからず、機材の損傷や微妙な調整が狂うなど、いろいろ懸念が出てきます。飛行機用に、スーツケースのようなハード素材の輪行ケースもありますが、一般的ではありません。

レースで転戦するような、ごく一部の人しか持っていないというだけでなく、重くて空港への移動にも不便なので、それなら貨物として送るのが普通ではないでしょうか。わざわざ重いハードケースに入れて輪行するのは、あまり現実的とは言えないと思います。

その点、このような預託手荷物用に専用ボックスがあると違います。出発空港でボックスを借りて預け、到着空港でボックスを返せば、そのまま走り出すことも出来るわけです。旅行で必要な着替えなど、他の荷物は宅配便で送っておけば、空港からの移動も自転車で可能になるでしょう。

輸送中の機材保護という点で安心なだけでなく、それだけにとどまらないメリットがあるわけです。乗らない人には理解されない点、つまりレンタルではなく、自分の愛車に乗りたいというニーズは確実にあります。これは便利で、サイクリストにとってありがたいサービスになるのではないでしょうか。


えんじ色よみがえる 松本で自転車専用レーンの塗り直し

レーン塗り直し自転車利用を促進して、まちににぎわいをつくろうと、松本市大手の大名町通りで六月三十日、色あせた自転車専用レーンを塗り直すイベントが開かれた。

松本青年会議所が初めて企画し、親子連れなど約八十人が参加。「大名町通り」の信号から「松本城」の信号までの約百五十メートルにわたって西側のレーンを水性塗料で塗り直し、鮮やかなえんじ色がよみがえった。

家族五人で参加した鎌田小三年の小林奈乎(なこ)さん(9つ)は、「思ったよりも楽しかった。自分で塗ったから今度自転車で通ってみたい」と笑顔で話した。レーンの乾燥を待つ間、松本のまち巡りを楽しむ催しもあった。(2018年7月2日 中日新聞)


細かい点は書いてありませんが、自転車専用レーンのペイントを、自分たちですることも可能ということのようです。松本ではイベントとして行われたようですが、自分たちで塗ってもいいのであれば、もっと他の地域でも取り入れ、一般的に行うことも考えられるのではないでしょうか。

せっかく自転車レーンや通行帯の標示があっても、色あせて見えなくなってしまっているところは少なくないと思います。自治体や国交省のほうで補修してほしいとは思いますが、予算の問題もあるでしょうし、なかなか小まめに、臨機応変に補修してくれるとは限りません。

ならば、色あせてしまったら、市民が自分たちで補修するようにしたらどうでしょうか。自転車のルール徹底の啓発と併せて、生徒・児童に行わせてもいいでしょう。ふだんお世話になっている自転車利用者が、ポランティアとして塗装するにしても、数年に一度くらいなら充分集まると思います。

色あせたら、すぐ補修できて安全性も向上しますし、業者に頼むより、人件費なしの実費だけなので、はるかに安くなり、行政としてもメリットがあるはずです。市民がみんなで塗っていれば、クルマのドライバーへのアピール、レーンの周知にもつながるでしょう。関係者の方には、ぜひ検討してほしいものです。




文部省局長による古典的だけど前代未聞の収賄事件が起きました。官僚の劣化、堕落はいよいよ顕著ですね。

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この記事へのコメント
cycleroadさん,こんばんは.

今回の記事中にある荒川縁の釘バラマキ事件ですが,背景にはロードバイク乗りとそれ以外の人々との対話の場が殆ど無く,目に見えない所での感情的な対立が激化していたのではと思われ,事件を伝えるyahoo!ニュースのコメント欄でも動機に理解を示す?書き込みが意外に多い事に強い危機感を持っております.

勿論歩行者の安全確保が最優先であることに異論はありませんが,スポーツタイプの自転車でちょっと急ぐだけでもマナー違反だ,暴走だと騒ぎ立てられる根底には自転車競技に対する差別的な偏見が存在するのは明らかです.これでは世界の自転車ロードレースで活躍できる若手選手は全く育ちません.

いずれにしてもこれは鉄道線路のレール上に異物を置くのと同等の危険極まりない大罪です.1日も早く犯人を突き止めて厳正な処罰を望んでおります.

仰る通り,歩行者と自転車の通行区分の完全分離には私も大賛成です.堤防上なら舗装の部分と天然芝張りの部分を平行に分け,舗装部分は自転車,芝張り部分は歩行者(ランナー)と使い分けを徹底する事は十分可能であると思われます.

ニュース映像では,現地は野球場のすぐ脇を自転車が通過する構造になっているらしいですが,これも大いに再考を要します.

Posted by マイロネフ at July 06, 2018 21:03
マイロネフさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
事件に至るまでには、その経緯や感情的な軋轢があったのだろうとは思いますが、やはり行為としては問題ですね。
暴走行為をするオートバイに腹を立てて、道路にロープを張ったりするのと同じ系統の行為に思えます。こちらは下手をすれば、殺人になりかねないわけですが、クギだって間違えば重傷を負わせかねないでしょう。
ルールや必要なマナーを遵守して通っている人もいるわけで、無差別に狙うようなことになりかねないのも問題でしょう。
鉄道の線路にモノを置くのは列車往来危険罪で重罪になることを知らずに、ストレス発散などの理由で、安易にやってしまう人がいるのと同じで、怒りに任せて、分別のない行為を平気でやってしまう人がいるということなのでしょうね。
Posted by cycleroad at July 09, 2018 20:12
困った事に「自分クラスタvsそれ以外のクラスタ」=「自分陣営vs敵陣営」って判り易い図式を好む人はどこにでもいて、その一部が「自分は正義の側に属している」=「だから悪を成敗するのだ」って過激な行為に走ってしまう。「〇〇差別」に始まって、時には「〇〇弾圧」や「〇〇戦争」にまで至る。私にだってそういう部分はあるかも知れません。

自転車ポータルサイトでは何年も前から荒川問題が取り上げられていますが、「歩行者に優しいマナー」「サイクリストのモラル向上」なんて紋切り型の模範解答に終始するばかり。野球グループが路上にバリケードを築いて「自転車は通るな」なんて立て看板を立てる騒ぎもあったそうで。何も解決しませんよねどっちも。唯一頷けたのが在日外国人サイクリストの「自転車と歩行者を同じ所に押し込める事がおかしい」という声。自転車歩行者共用道路や自転車レーン併設の歩道を通るたびこの人の言葉を思い出します。左右を見ずに突然横切る歩行者や、スマホを凝視しながら自転車レーンを歩く歩行者に「サイクリストのモラル」じゃ限界があると思うのです。
Posted by tom at August 04, 2018 23:03
tomさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
確かに、自分の見方だけで正義と悪に分けて、悪の行為に腹を立てる人はいるでしょうね。ただ、それを自分で成敗するのは、法治国家では許されていない行為なわけで、そのことを悪いと思っていないのが問題です。
おっしゃる通りで、私も自転車と歩行者と物理的にセパレートしない限り、問題は解決しないのではないかと思っています。
ただ線をひいても、自転車用ということに、気にも留めない歩行者も少なくありません。単に分けるのではなく、物理的な方法でセパレートするしかないと思います。
Posted by cycleroad at August 06, 2018 20:10
 
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