July 11, 2018

いかに固定観念を打ち破るか

誰にでも固定観念があります。


例えば、自転車はこういうものだという概念が無意識にあって、なかなかその固定観念を外して考えるのは困難です。自転車という枠の中で工夫をしたり、改良したり、アイディアを出したりというのは比較的容易ですが、固定観念を打ち破って発想するというのは、なかなか難しいものがあります。

例えば、自転車にハンドルは一つです。ハンドルを増やそうなんてことは考えないでしょう。“Helyx Bike”は、後輪もステアリング出来るようにしてしまいました。いわば前後輪ともハンドルを切ることが出来るわけです。チェーンリングと後輪の関係は固定ですので、チェーンが外れてしまうようなことはありません。

Helyx BikeHelyx Bike

Helyx BikeHelyx Bike

おそらく、全く新しい走行感覚が味わえることでしょう。自転車の乗り方は身体で覚えているので、いちいち考えなくても乗れるわけですが、これはその身体感覚を覆して、脳にも新鮮な刺激があるに違いありません。一応、後輪を固定して通常の自転車と同じ感覚で乗ることも出来ます。



これに何のメリットがあるのかと言われると困りますが(笑)、これまでの自転車とは違ったライディング感覚が楽しめるでしょう。前後でステアリング出来るぶん、小回りが効くのも確かです。この方向での進化の先に、何か新しいものが見えてくるかも知れません。

bicymple nuvobicymple nuvo

bicymple nuvobicymple nuvo

bicymple nuvo”は、チェーンをなくしました。ペダルが前輪のハブに直接取り付けられています。19世紀頃の自転車、前輪だけ大きいペニー・ファージングとよく似たスタイルです。現代の自転車は、ほぼチェーン(一部はベルトドライブ)が使われていますが、必ず使わなければいけないわけではありません。



ハブに組み込まれた、いわゆる内装式の変速機が採用されていますので、それなりにスピードも出ます。チェーンがないぶん、メンテナンスがラクで、パーツが少なくて構造がシンプル、そのぶん軽くてトラブルも少ないなどのメリットがあります。街乗りには向きそうです。

JackRabbitJackRabbit

JackRabbitJackRabbit

こちらの“JackRabbit”も、チェーンがありません。それどころかペダルもなく、人力ではなく電気で駆動する乗り物です。電動アシストではない電動自転車の一種です。バッテリーの進歩によってペダルを省けるようになってきたということでしょう。ペニー・ファージングとは逆に、前輪のほうが小さいスタイルが特徴的です。

ちなみに、日本では、電動アシストでない電動自転車は自転車として扱われません。運転免許が必要ですし、電動の原付バイクとしてナンバーを取得し、ウィンカーなど必要な機器を装着する必要があります。海外から輸入した電動バイクをそのまま自転車のように乗っていて、警察に検挙される人もあるようです。



現状での違反を容認しろと言うつもりはありませんが、国によっては一般の自転車と混在して普通に走っていたりします。電動の出力の小さなものなら、自転車と同程度のスピードしか出ません。ペダルをこいでいるか、いないかの違いだけです。日本でも場合によっては、自転車のカテゴリーに入れてもいいような気がします。

歩道を走らせるのは問題としても、車道を走るぶんには自転車とあまり変わらないでしょう。もし、これが自転車として扱われるならば、脚力の弱った高齢者でも、自転車が使えるようになります。日常の買い物などに使えて、買い物難民の対策になるなど、高齢化社会に大いに福音となる可能性があると思います。

The ReagiroThe Reagiro

The ReagiroThe Reagiro

こちら“Reagiro”は、自転車ではなく車椅子ですが、これまでの概念を打ち破った製品です。車イスは、足の不自由な人が安全に安定して移動する、あるいは介添え者が移動させるためのものというイメージがあります。小さなキャスターは回転しますが、当然ながら自分で切るハンドルがついているわけではありません。

しかし、この車イスには、なんとステアリングシステムが導入されています。上半身を動かすことで機械的にステアリングが切られ、方向を変えることが出来ます。これは、電動でない手動の車イスとしては、まったく新しいユーザーエクスペリエンスです。



前輪には車軸があり、背もたれと連動するようになっています。これによってステアリングを切って、希望する方向へとゆるやかに向きを変えることが出来ます。個人差があるので誰もが便利ということではないにせよ、今までの車イスの概念を打ち破るものと言えるでしょう。

利用者にとっての利便性、操縦しやすさということもありますが、医療面のメリットも指摘されています。体幹の筋肉を刺激したり、腕にかかる負担を軽減したりします。まだ臨床段階で検討を要しますが、これまでにないコントロールをすることで、運動神経への刺激やリハビリ効果なども期待されているようです。

Manual Standing WheelchairManual Standing Wheelchair

Manual Standing WheelchairManual Standing Wheelchair

車イスということで言えば、こちら“Manual Standing Wheelchair”も画期的です。こちらは、車イスにチェーンやギヤを搭載しました。これまでの車イスは、車輪と一体化したホイール部分を手で回してタイヤを動かすものでしたが、こちらはタイヤとチェーンを介してつながったベルトのような部分で動かします。

駆動輪と力を加える部分が別になっており、その間をチェーンで力が伝わるのは自転車と同じです。このことによって、車輪に手が届かなくても駆動力を与えることが出来るようになりました。これは大きなメリットをもたらします。すなわち、立ち上がった状態でも移動できるわけです。

車イスに乗ったままで立ち上がることが出来れば、手の届く範囲が広がって大きく利便性が向上します。車イスでない人と目線の高さを合わせることも出来ます。しかも、その状態で移動できるわけです。少なくとも、電動でない手動の車イスの従来の概念を打ち破っています。



自転車や車イスだけでなく、なんでもそうだと思いますが、ある製品が発明されて進化し、一番合理的な形に収束していき、標準のスタイルが出来ます。普及して当たり前のように使われるようになると、それは一定の概念が形成され、イメージが固まります。つまり、固定観念です。

もし、その固定観念を打ち破る発想が出来れば、ブレークスルーが生まれ、今までにない製品となって、人々に新たな体験や利便性を提供し、新しい市場を切り開くでしょう。誰もが知っている製品から、誰も考えたことのなかった製品が生まれてくることもあります。

ただ、この固定観念を打ち破るのは、少なくとも私のような凡人には容易なことではありません。何の分野であっても、自由で柔軟な発想力は魅力的です。それを得るためには、これまでの概念を打ち破るような事例をいろいろ見て、自分がいかに固定観念に囚われているか、そこに気づくことから始める必要がありそうです。




甚大な被害を出した西日本の豪雨、依然困難な状況にある被災者に少しでも早く支援が届くといいのですが..。

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