July 23, 2018

さらに未来を探る自転車王国

デンマークと言えば、自転車王国として有名です。


自転車を所有していない国民はほとんどいないと言われるほど自転車の利用率は高く、自転車専用道路などのインフラも充実しています。首都コペンハーゲンでは、ほとんど全ての大通りに自転車専用レーンが整備され、およそ4割の人が通勤や通学に使い、約5割の人が日常的に自転車に乗っています。

国土が平坦で、自転車での移動に向いていることもありますが、国として1970年代からクルマを減らすため、クルマ関係の税金を高くして、自転車の利用を促す政策をとってきたことが背景らあります。もちろん、環境負荷が低く、経済的で健康にもいいことが広く理解されているのも間違いありません。

ME-MOVER FITME-MOVER FIT

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さて、そのデンマークでは少し変わった自転車も開発されています。“Me-Mover”です。パッと見たところでは、自転車というよりキックボードか何かのように見えます。サドルはなく、立って乗る3輪の乗り物です。よくありがちな、奇をてらった自転車のようにも見えます。

しかし、そうではありません。都市での近距離の移動向けに特化した移動手段です。汎用性の高い一般の自転車より、ある意味先進的な乗り物として考案されました。エンジニアが人間工学に基づいた都市のモビリティとして5年の歳月をかけて開発しました。

ME-MOVER FITME-MOVER FIT

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まず特徴的なのは、ペダルの回転ではなくステップ運動によって推進力を得るところです。そのためサドルはなくしましたが、立って乗るぶん遠くまで見通しが良くなりました。全体的にコンパクトになり、ワンタッチでたたむことも出来るので、混雑する都会でも自転車より場所をとりません。

3輪なので安定しており、誰でも乗れます。通勤など都市での移動や、観光客などが市内を周遊するような用途にも持ってこいでしょう。歩くような動作ですが、実際に歩いたり走ったりするよりも速いスピードで移動出来、たためば電車やバスなどにも持ち込みやすく、オフィスなどに置いておくにも邪魔になりません。



自転車利用者だけでなく、街を走るランナー、歩くウォーカーの選択肢にもなります。ジョギングする動作に近いステップで乗りますが、ジョギングと違って一歩一歩の着地の衝撃がないため、ヒザへの負担が小さいという利点があります。歩くのと同じような運動が出来ますが、歩くより速く行けるのもポイントでしょう。

この“Me-Mover”は、2014年に、クラウドファンディングサイトで資金調達を行い、1ヶ月で目標の3倍の30万ドルの資金を調達して製品化されました。さらに2017年には、フィットネス面を強化した進化バージョン、第2世代の“Me-Mover FIT”が開発されました。

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普通の自転車に乗ったり、ランニングするよりも効果的に筋肉を鍛えられると言います。自転車やランニングでは鍛えられない上半身の筋肉までトレーニング出来ます。一方で、ヒザや足首、脊椎への負担は、ランニングなどに比べて大幅に小さいため、それらを痛める心配も小さくなります。

自転車並みのスピードが出せますが、安定しているので低速で乗ることも出来ます。自転車と違って、遅いスピードでも倒れるわけではなく、赤信号でも、降りる必要はありません。特別な練習も必要ありません。腰痛を抱える人がリハビリに使った結果、とても良い効果が得られたとの報告もあります。

ME-MOVER FITME-MOVER FIT

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ペダルを踏みこむ際に、底に行くほど重いギヤになる特殊な構造になっています。上の浅い部分は軽いギヤとなっているため、坂道を上る時は、小さく速くステップすることで、軽いギヤを使って上りやすくなるよう配慮されています。前後輪にはディスクブレーキがついており、前方に荷物を載せることも出来ます。

なかなかユニークなモビリティです。都市部での近距離の移動にはサドルはなくてもいいですし、そのぶんコンパクトで、簡単に折りたたんで引っ張って歩くことも出来ます。電車やバスに乗ったりするのにも便利で、室内保管にも場所をとらないなど、都市での移動には向いています。



サドルがなく立って乗るため、スーツでもシワになりにくく、お尻の部分がテカテカになったりしません。通勤などでビジネスマンが使うにも好都合と言えそうです。さらに、時間がなくてフィットネスジムに行けない人には、運動する時間の節約にもなって一石二鳥でしょう。

日本でもキャンペーンが行われ、販売もされています。ただ、価格が20万円前後からと、格安のママチャリの値段に慣れた日本人には、高く感じられるのは間違いないでしょう。あまり人気が出たという話は聞きません。汎用性のあるパーツばかりではないため、量産されないと価格的には不利なのだろうと思います。

ME-MOVER FITME-MOVER FIT

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見た目で、奇をてらった自転車や、子供用の乗り物のように見られるのかも知れません。ただ、コンセプトは面白いと思います。サドルを省くという引き算の発想で、コンパクトにして都市の近距離の移動に特化し、フィットネス需要をも取り込もうというのは、なかなかユニークな発想と言えるでしょう。

自転車先進国、デンマークだからこそ生まれ、あるいは受け入れられる可能性があるのでしょう。一方、自転車が広く受け入れられている中で、新たな分野を切り開くという点で、飽くなき挑戦と言えそうです。このあたりも、自転車王国、先進国たる所以なのかも知れません。




再来年の東京五輪、この酷暑の中でのマラソンが懸念されてます。思い切って、奥多摩の高地を会場にしては?

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