October 18, 2018

技術革新競争に決着はつくか

自転車用品には求められる性能があります。


盗難防止用のチェーンロックであれば、盗難を防ぐため、切断が困難な高い強度が求められます。日本でも、高価なスポーツバイクに乗っている人は、相応に頑丈で簡単には切断されないようなワイヤーロックなどを使っている人が多いのではないかと思います。

日本と比べると、欧米などではその要求されるレベルが、さらに高いと言っていいでしょう。都市によっても違いますが、はるかに多くの自転車盗が発生しています。よく言われるように、油断していると、あっという間に盗まれてしまうのも間違いありません。サイクリストの対策もより厳重です。

重い前輪を外して

海外の都市では、駐輪時に、かなり厳重に施錠するのが普通です。その厳重ぶりは日本とは違うレベルと言っていいでしょう。前輪も盗まれないよう、いちいち外して施錠されていたり、使われているのが日本でよく見るようなワイヤー錠ではなく、太い鎖だったりします。

サイクリストは移動中、その太い鎖をたすき掛けにしたり、腰に巻いたりして運んでいます。確かに頑丈で、かなりの大型の工具でもないと切断は困難に思えます。ただ、実際にショップに行って売られているものを持ってみると、その重さに驚きます。正直、私は使いたくない重さです。

太い鎖身体に巻く

古くても太いチェーン

顔にはモザイクをかけてありますが、写真のように、細くて非力そうな若い女性でも、そんな鎖をたすき掛けにして乗っていたりします。事情を知らない日本人は、身体に鎖を巻いた女性に驚くと思いますが、真剣に盗難防止をするとこうなるわけです。多くの人は、盗まれて痛い目にあったこともあるに違いありません。

盗難事情を考えれば、太くて頑丈な鎖を使うのも仕方ないのでしょうが、なるべく荷物を軽くしたいのに、荷物以外に重い鎖を携行しなければならないのは厄介です。そこで、そんな苦労や不満を過去のものにしようと、新しい製品が登場しました。

Litelok SilverLitelok Silver

Litelok SilverLitelok Silver

最新技術を使った素材と先端的な技術で製造されたロック、“Litelok Silver”です。切断が相当に困難なワイヤーロックとしては、世界で最も軽量というのがウリです。重さは長さによりますが、630グラム程度からと、その軽さは際立っています。

これならば、たすき掛けにしなくても、自転車のフレームに取り付けておけます。あるいは、ベルトのように腰に巻いても、重いと感じることはないでしょう。普通のベルトのような薄さで、邪魔になることもないはずです。これで切断されないのか心配になるような薄さです。

Litelok SilverLitelok Silver

Litelok SilverLitelok Silver

新開発されたハイテンション鋼や特殊なポリマー素材を重ねて使うことで強度をアップし、ロックの部分も高強度のステンレス鋼が使われています。ある程度の柔軟性もあるので、腰に巻いても気になりません。切断だけでなく、ねじれや引っ張り荷重、腐食にも強いと言います。

イギリス有数の試験機関として知られる、Sold Secure 社がこの製品を“Silver”ランクと評価しています。これは客観的な評価として信頼性が高いものだそうです。ロック部分も同体になっているので、別途U字錠や南京錠を用意する必要もありません。キーによるロックも簡単になっています。

Litelok SilverLitelok Silver

Litelok SilverLitelok Silver

プロの窃盗犯が使うようなカッターでも切ることは出来ません。その耐切断荷重は、148kN(キロニュートン)です。これは、アメリカ軍の原子力空母に艦載される戦闘攻撃機、F / A−18E(通称スーパーホーネット)の重さ約15トンが一点にかかっても切れない強さだと言います。

戦闘機の重さと言われてもピンときませんが、人間の力では切れないどころか、尋常ではない強さということなのでしょう。イギリスの、Litelok 社の製品ですが、クラウドファンディングサイトで、販売する形での資金調達、キャンペーンを行っています。

Litelok Silver



現在、締め切りまで15日を残して、2万5千ポンドの目標に対し、6万6千ポンド以上の応募を集めており、既にファンディングに成功しています。この数字だけを見ても、いかに人気で、期待を集めているかがわかります。もちろん、海外のメディアなどにも取り上げられています。

ちなみに、究極の安心のためとして、Litelok Theft Protection という保証を購入と同時にオプションでつけることができます。使用条件に基づいた状態で、Litelok を使用していて自転車が盗まれた場合に、一定の条件で保証してくれます。同社の自信の表れなのでしょう。

Litelok SilverLitelok Silver

Litelok SilverLitelok Silver

あのゴツくて重いチェーンを身体に巻かなくて済むとなれば、人気が出るのも当然でしょう。私も現地で売られている鎖を巻いてみましたが、日本のワイヤー錠とは、全然重さが違います。これを担いで乗るのは勘弁、日本に生まれて良かった(笑)と思ったくらいですから、期待が集まるのはよくわかります。

ただ、もしかしたら、プロの自転車泥棒は、こうした新しいロックに対抗して、さらに優れた工具を使ってくるのかも知れません。最新の技術によるカッターがどれほどのものなのか知りませんが、盾と矛の関係で、技術革新の競争は「いたちごっこ」ということになるのでしょうか。

絶対に切断や破壊が不可能というロックは、物理的に無理なのかも知れません。しかし、相当のレベルに達すれば、事実上盗むのが困難という状態にはなるはずです。これがそうかはわかりませんが、早くそのレベルに達し、施錠を忘れでもしなければ、基本的に盗まれることのない世界が実現してほしいものです。




またデータ改ざん、今度は免震ダンパーです。倒壊の恐れはないと言っていますが、揺れが大きくなって建物が破損したり、什器が倒れて人が死亡する可能性もあるわけで、この会社はどう責任をとるつもりなのでしょうか。

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