November 05, 2018

子供たちから高齢の選手まで

平成30年も、はや霜月(しもつき)となりました。


最近はやりのフレーズで言えば、平成最後の11月ということになります。早いもので、もう今年もあと56日ほどになりました。さて、そんな折りですが、例によって最近の自転車関連のニュースの中から、気になったものをいくつかピックアップしてみたいと思います。


西鉄・トヨタが検索アプリ、鉄道や自転車含め最適経路 11月1日から福岡市周辺で実証実験

マイルート西日本鉄道とトヨタ自動車は31日、バスや鉄道、タクシーなど複数の交通手段を組み合わせて、目的地への最適経路を検索できるスマートフォン用アプリを開発したと発表した。11月1日から来年3月末まで、福岡市とその周辺で実証実験をする。

アプリ「my route(マイルート)」は、「到着が早い」「料金が安い」「乗り換えが少ない」の3パターンに応じて、移動手段を提示する。公共交通機関と自動車だけなく、自転車、徒歩なども含める。西鉄が運用するバスの運行情報システムも組み込まれている。

一部のタクシーは、アプリ内で予約・決済ができ、目的地周辺の観光情報も取得できる。実験には、自転車シェアサービスを展開する企業など7社と、福岡市も参加した。

自動車メーカーにとって、電気自動車や無人運転の普及など、将来の環境激変が予想される。トヨタは自動車だけでなく、人の移動に関わるサービスに力を入れる。西鉄も交通体系の将来像を模索しており、実験に参加した。アプリは無料でダウンロードできる。(2018.11.1 産経新聞)


よくある乗り換えのアプリだと、電車やバスなどに限られ、自転車は移動手段としてルート候補に上がってこないと思います。最近はシェア自転車がある場所も増えてきましたから、候補の中に交通手段としての自転車を反映させるのは、自然な流れと言ってもいいかも知れません。

マイルート自転車で自宅の最寄り駅までしか行ったことのない人は、自転車で電車の1駅分以上の距離を走ることはないかも知れません。しかし、やってみると案外近くて早く着くことに驚くのではないでしょうか。東京のような街では、乗り換えなどを考えると自転車のほうが断然早い区間というのは無数に存在するはずです。

鉄道路線図で見ると乗り換え駅ではなく、だいぶ距離があるように見えても、実際には歩けてしまうような場所、そのほうが速いという区間もあります。まして自転車なら、なおさらでしょう。朝夕の渋滞を考えたら、バスより速いケースも多いはずです。

このようなアプリが当たり前になっていけば、都市交通としての自転車ということが広く理解されていくことになるでしょう。シェア自転車の利用も促進され、最寄り駅や近所のスーパーまでのアシではなく、交通手段としての自転車への理解も高まっていくと思います。

福岡の交通網について詳しくないのでわかりませんが、自転車を交通手段として組み込むことで、選択肢が大幅に増えたり、最適なルートが大きく変わったりするかも知れません。もちろん、利用できるシェア自転車の数にもよるでしょうが、これは他の地域にも広がってほしいものです。


シェア自転車、中国企業撤退検討 提携自治体困惑

シェア自転車大津市と和歌山市、北九州市で今春から事業を展開している中国シェア自転車大手のオフォ(ofo)が「十月末で日本事業から撤退を検討している」と、自治体の関係者らに伝えていたことが分かった。

中国ではシェア自転車の競争激化から事業の撤退の動きが相次いでいる。余波が日本にも及んだ格好で、地元活性化の一助になると期待をかけていた自治体関係者は困惑している。

シェア自転車はスマートフォンなどで登録した利用者が、街中で乗りたい駐輪場で借り、目的地の駐輪場で返すことのできる自転車共有(シェア)サービス。放置自転車や渋滞軽減の効果も期待され、日本でも多くの都市で導入が進んでいる。オフォのシェア自転車はスマホのアプリでカギの解除や料金支払いができる利便性が売りだった。

大津市の都市再生課によると、オフォ日本法人から撤退検討の意向を電話で伝えられたのは今月十七日。和歌山市も十八日に同様の意向を把握した。しかし、その後、オフォの担当者が電話に出なくなり、両市とも同社幹部に、具体的なスケジュールなどの詳細を求めてメールで要請しているが、「本社に確認中」という返事しかないという。

大津市ではオフォと官民出資の株式会社「まちづくり大津」が包括連携協定を結び、自転車四百台、駐輪場六十六カ所の体制で四月にスタートした。平均で月約一千〜二千人の利用があったという。撤退となれば利用者への事前の周知や自転車の回収などが必要になるが、オフォ側が早急に対処しなければ、自転車が放置されたままになる懸念もある。駐輪場についても賃貸料などの問題が生じる可能性がある。

業界関係者によるとオフォの東京事務所は既に閉鎖され、アルバイト従業員が数人いるだけ。元社員との間で立て替え金の未払いなどを巡り訴訟も起きている。大津市都市再生課は「利用状況は順調だっただけに、驚いている。会社側からの正式な回答がないと何も準備ができない」と戸惑いを隠さない。

<シェア自転車> 市民や観光客らが気軽に利用できる地域の足として期待されており、全国約110の自治体が本格導入している。国土交通省も普及を促進する考えで、6月に策定した推進計画では2020年度までに駐輪場を現在の約2倍の1700カ所に増やす数値目標を掲げている。(2018年10月24日 東京新聞)


シェア自転車が、中国各地で急激に普及したことは知られています。おびただしい数の自転車を配置してシェア獲得を争う一方で、過当競争となり、撤退や破綻するところも増えています。中国本土での勢いをかって、世界各国へも進出した中国のシェア自転車企業も曲がり角に来ているようです。

爆発的に普及した一方、いろいろな問題も露わとなり、中国本土では急速に使われなくなっている場所も少なくないようです。記事にもあるように、勢いに乗って日本へも進出したものの、肝心の中国内の事業環境が急速に悪化している、その余波ということもあるのでしょう。

しかし、ただでさえ放置自転車が問題となっている日本では、中国の都市のような、どこでも乗り捨て自由というスタイルでは展開出来ないことはわかっていたはずです。限られた拠点でサービスを展開すれば、どうしても利便性は低くなり、利用者も増えません。採算的にも厳しくなるであろうことは充分に予想されました。

中国の新興企業は新しい事業、例えばドローンビジネスでも、ライドシェアでも、スマホ宅配でも、AI無人店舗でも、とにかくどんなものでも、まずやってみて、ダメならさっさと撤退するスタイルと言われています。日本での自転車シェア事業も、見込みがないと判断したということなのでしょう。


フェリーが浅瀬に乗り上げ 自転車も運ぶ船 香川

ラズリ30日午後7時ごろ、香川県の直島の本村港付近の浅瀬に、瀬戸内クルージング(広島県尾道市)が運航するフェリー「サイクルシップ・ラズリ」(19トン)が乗り上げた。

乗客20人と乗組員3人にけがはなかった。浸水や油の流出は確認されていない。

高松海上保安部によると、フェリーは自転車ごと乗客が船に乗れるのが特徴。本村港から高松港に向け出航した直後に乗り上げた。午後8時15分ごろ、地元の船が乗客全員を本村港に運んだ。海上保安部が事故原因などを調べている。フェリーの乗組員が118番した。(2018.10.30 産経新聞)


「サイクルシップ・ラズリ」は10月28日がデビューだったと思いますが、いきなり座礁したということなのでしょうか。今のところ続報が見当たらないのでわかりませんが、運航は存続するのでしょうか。せっかくの新しい試みですし、原因究明や再発防止、安全を徹底した上で再開してほしいものです。


クラクション鳴らされた自転車男性、車に向かう…車の男が男性はねて逃走 容疑で逮捕 男性は意識不明/さいたま

クラクション岩槻署は9日までに、交通トラブルになった男性を車ではねたとして殺人未遂の疑いで、同県白岡市篠津、無職の男(35)を逮捕した。

男性は胸部外傷などで意識不明の重体。逮捕容疑は5日午後2時35分ごろ、蓮田市の市道で、白岡市の職業不詳の男性(42)に乗用車をぶつけて殺害しようとした疑い。

岩槻署によると「避けようと思ったがぶつかった」と、殺意を否認している。現場は歩道のない直線。

男は「(男性の)自転車が車道にはみ出してきたのでクラクションを鳴らした」と説明。自転車を降りて近づいてきた男性に車を急発進させ、腰や胸などをひいたとみられる。男は現場から走り去ったが、車のナンバーの目撃情報などから浮上した。(2018年10月9日 埼玉新聞)


詳細がわからないので確かなことは言えませんが、おそらく腹を立てて、ドライバーに抗議しようとしたのでしょう。自転車を面白半分で煽ったり、嫌がらせや危険な幅寄せなどをするようなドライバーは存在します。腹が立つようなケースがありうると、多くのサイクリストが感じているのではないでしょうか。

あおり運転をした上、高速道路上で停車させ、夫婦を死に追いやった事件もありました。危険な運転をしたり、あおり運転をするような人物の中には、常識では考えられないような行動をする人物がいるのは間違いありません。そのあたりも充分に頭に入れて行動するようにしたいものです。


羽田、自転車OKに 駐輪場あす新設

羽田駐輪場大きな飛行機が止められる羽田空港に止められない小さな乗り物、なーんだ? 旅客数一日二十三万人、航空機の駐機場二百カ所超、駐車場の収容能力一万台。

世界有数の規模を誇る羽田空港で進められていた自転車置き場の新設工事がほぼ終わり、一日午前五時にオープンする。

自転車置き場ができるのは国際線ターミナルビル近くの歩道脇。スペースは百七十一台分。空港スタッフか観光客かを問わず、誰でも無料で使うことができる。監視カメラも設置し、盗難を防ぐ。日本の表玄関で続くルール違反の駐輪をなくし、近くのサイクリングコースから足を延ばす新たな見物客を呼び込む“両輪”の効果が期待されている。

従来の羽田空港では自転車でやってくると、空いているスペースにこっそり止めるしかなかった。スタッフが通勤に使う自転車が道ばたにあふれ、観光のため自転車で訪れた人からは「駐輪場はないのか」と問い合わせが続出。国土交通省が放置された自転車を撤去しても、しばらくすれば復活する状態が続いていた。

羽田駐輪場羽田空港では、東京湾や都心のビルを背景に航空機が離着陸する様子を展望デッキから見ようと、搭乗予定がなくても訪れる人が多い。近くの多摩川沿いにはサイクリングコースが整備されており、今後はサイクリストの新たな立ち寄りスポットになりそうだ。

自転車置き場の新設を決めた国際線ターミナルビルの運営会社の担当者は「空港内の景観を良くし、サイクリング人気にも応えたい」と話している。(2018年10月31日 東京新聞)


私も、多摩川のサイクリングロードから足を伸ばして羽田空港に行ったことがあるので、駐輪場がなく、駐輪できるような場所もほとんどないのは知っていました。仮に飛行機輪行なら駐輪場は不要ですし、空港に自転車で行く人、行くケースがほとんどないであろうことを考えれば、仕方ないかなと思っていました。

しかし、観光で羽田に自転車で来る人が少なくなく、駐輪場の問い合わせが続出しているとは知りませんでした。空港以外に、付近に食事をするような場所も少ないですし、駐輪場があれば便利です。多摩川のサイクリングロードを走って羽田でお昼が出来れば、人気が出るかも知れません。


ピラーを透視? 歩行者や自転車が見える…「バーチャルAピラー」をコンチネンタルが開発

バーチャルAピラーコンチネンタル(Continental)は10月25日、自動車の車内のAピラーを透視して見せることで、ドライバーの死角をなくす先進運転支援システム(ADAS)、「バーチャルAピラー」を開発した、と発表した。

Aピラーは、時にドライバーの視界を遮り、死角を生み出す一因となる。万一の横転事故で乗員を守り、より厳しい各国政府の安全基準を満たすため、最近のAピラーは太くなる傾向。そのため、ドライバーの死角に入る歩行者や自転車にとっては、危険性が増大している。

バーチャルAピラーコンチネンタルのバーチャルAピラーは、OLEDディスプレイとヘッドトラッキング技術により、ドライバーを支援。バーチャルAピラーは、ステアリングホイールに取り付けられたカメラが、ドライバーの頭部の動きを追跡。

同時に、車両の外側に取り付けられたサラウンドビューカメラが捉えた映像を、Aピラーに埋め込まれたOLEDディスプレイに表示する。

コンチネンタルでは、バーチャルAピラーが車両周囲のライブ映像とドライバーの頭部の動きを追跡することにより、ドライバーにダイナミックな視点を提供。バーチャルAピラーは、カメラ技術とディスプレイ技術の進歩により、ドライバーが右左折するときの視界をサポートし、歩行者や自転車、その他の脆弱な道路利用者の安全性を高める、としている。(2018年10月26日 レスポンス)


たしかに最近のクルマのAピラーは太くなっている気がします。ドライバーの安全を守るための衝突安全性能も大事でしょうが、そのバーターで視界が悪くなるのはいただけません。歩行者や自転車の危険が増すということは、ドライバーにとっても、死傷事故を起こしてしまう可能性が高まってしまうということでしょう。

このシステムは一つの解決策ということなのだと思いますが、ドライバーの頭の動きを追跡してディスプレーに外部の景色を映すというハイテク装備、コストもかかるでしょう。果たして広く普及するのでしょうか。例えば、視界を遮らない方向に太さを増すなど、もっと簡単に出来ることがあるような気かします。


自転車買えない子どもたちへ 長野のNPОが明石の施設に寄贈

自転車買えない子どもたちへ自転車は子どもの重要な移動手段であり、遊び道具だが、貧困を理由に買えない家庭も存在する。自転車を通じた地域活性化に取り組む長野県のNPO法人「散走が楽しい地域を拓く会」はこうした子どもを支援しようと「こどもサポート財団」(兵庫県西宮市)を通じ、明石市内の児童養護施設などに自転車を寄贈した。

サイクリングを通じたチャリティーイベントに参加していた同会は、こどもサポート財団の小谷公仁子事務局長から「自転車を買えない子はたくさんいる」と聞き、衝撃を受けた。「どういうこと?」と尋ね、貧困が背景にあると知った。

同会は「チャリティーforちゃり」という企画を立ち上げ、長野県で7、9月にサイクリングイベントを実施。参加費として集めた10万6千円で自転車3台とヘルメットを購入した。

男女兼用で使えるデザインのものと、補助輪付き子ども用、ピンク色の女の子用の3台。家庭の事情で自転車が買えない小学生や、遠くの進学塾に通いたい児童養護施設の高校生に贈った。

小谷事務局長は「子どもは成長ですぐに自転車のサイズが変わるし、中古品が少ない。自転車を買えない子は実はたくさんいる」と話す。

寄贈された児童養護施設「カーサ汐彩」の中井慎也さん(36)は「すごくありがたい。これまでは1台を取り合う状態だったので、子どもたちも大喜びだと思う」と話した。(2018/10/24 神戸新聞)


最近は、日本国内でも相対的貧困状態の子どもが増えていると言われています。食事や衣服、日用品などですら満足に手に入れられない子供もいることを思えば、自転車が欲しくても買ってもらえない子供が「たくさんいる」というのも、むべなるかな、です。

放置されたママチャリなら、処分に困って途上国に無料で贈呈するほどある一方、子供用の自転車の中古は少なく、すなわち価格も高いのでしょう。言われてみれば、なるほどと思います。考えたこともなかった人は多いのではないでしょうか。これはとても素敵な取り組みだと思います。


古い自転車で松本巡ろう 愛好家19人、昭和期の愛車で

レトロ自転車古い自転車の愛好家でつくるグループ「レトロ自転車ミーティング(MTG)」は28日、古い自転車に乗って松本市内を巡る催しを開いた。同市や諏訪市、埼玉県などのメンバー19人が参加。1950年代後半?80年代の自転車で市街地を走った。

代表の太田光亮(みつあき)さん(45)=安曇野市穂高有明=によると、古い自転車は重い荷物を運べるようタイヤが太いなど、現在の自転車には見られない特徴がある。

この日はそれぞれ、金属棒がつながったブレーキや前輪の泥よけに飾りが付くなどした自転車を持ち寄った。レトロな雰囲気に合わせ、はかま姿の人もいた。

参加者は中町通りの多目的施設「中町・蔵シック館」前で記念撮影した後、自転車に乗って出発。途中で近くの老舗自転車店「岡田バイシクル」を見学したり、国宝松本城を訪れたりした。

催しは昭和期などに使われた自転車の良さを楽しみながら伝えようと3年目。実家が自転車店で昨年から催しに参加している飯野正也さん(31)=埼玉県本庄市=は「愛好家が集まることができてうれしい。古い自転車を直して乗り続け、残していきたい」と思いを新たにしていた。(10月29日 信濃毎日新聞)


レトロな自転車をコレクションしている愛好家はいるだろうと思っていましたが、集団で乗って楽しんでいる人たちがいるとは知りませんでした。おそらく替えのパーツなどは入手困難でしょうし、乗れる状態に保つのは大変なのだろうと思います。しかも、乗り心地は決していいとは言えないはずです。粋な趣味と言えそうです。


もうすぐ107歳の元自転車選手、練習を再開

もうすぐ107歳引退を表明した106歳の自転車元選手が26日、パリ郊外の屋内コースで練習を再開した。この人は、フランスのアマチュア自転車元選手で、高齢での世界記録保持者として有名なロベール・マルシャンさん。

マルシャンさんは、105歳で約22.5キロの距離を1時間以内で走破し、記録を打ち立てた。だが来月で107歳を迎えるマルシャンさんは、今年1月に引退を表明した。(2018年 10月 29日 ロイター)


フランスのロベール・マルシャンさん、105歳で新記録を達成した時にも取り上げましたが、スゴい人です。106歳で引退したのに、またカムバックして練習再開、記録の更新を狙おうと言うのでしょうか。元気で長寿の見本のような方ですが、挑戦する意欲も見習いたいものです。




今後の世界経済を占う面でも注目される、アメリカの中間選挙の投票が迫りました。果たしてどうなるでしょうか。

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