January 25, 2019

気持ちを贈る自転車イベント

最近は各地で自転車イベントが行われています。


このブログでも全国の自転車関連のニュースを取り上げていますが、最近は全国各地で、自転車を使った地域振興を目指す自治体が増えています。サイクリングロードなどを整備したり、自転車の街をアピールしたり、関連イベントを開催するなどして、観光客を呼び込もうというわけです。

一種のブームのような形で、各地の自治体が力を入れています。ただ自治体も、しまなみ海道や琵琶湖一周といった有名な観光資源があるところばかりではありません。単に自転車向けの設備を少し設置したくらいではアピール度は低く、観光客に興味を持ってもらうのは容易ではないでしょう。

イベントにしても、市民レースとかヒルクライム大会、ライドイベント、ガイドツアーなど、いずれも、もはや珍しくありません。有名な景勝地があれば、そこへのヒルクライムとか、寺社仏閣や名所旧跡があれば、そのガイドツアーの人気は出るかも知れませんが、知名度にもよります。

なかには、廃校の校舎内を走るとか、立体駐車場のヒルクライムとか、特定のドレスコードを決めたツイードランといった珍しいイベントを開催するところもあります。ただ、それが安定した誘客につながるとは限らず、いかに注目してもらうかに苦心しているようです。

Cranksgiving

ところで、自転車イベントは世界各国で行われています。日本のように自治体が地域振興で行うようなものは、むしろ少なく、自然発生的に始まったり、地域のコアなサイクリスト有志が始めたイベントが、広く知られるようになったりするものが比較的多いようです。

クリティカルマスなどが有名でしょう。全裸でサイクリングする、ワールド・ネイキッド・バイクライドなんていうのもあります。もっと一般的には、クリスマス・ライドとか、ハロウィン・ライドといった、年中行事に合わせて、各地で草の根で行われるものも、たくさん行われているようです。

年中行事と言えば、昔からの行事、正月、節分、ひな祭り、端午の節句、七夕などに加え、日本にも、西洋から入ってきた行事があります。クリスマスやバレンタイン、ハロウィンなども、近年お馴染みになってきました。西洋発祥でも、日本独特のものに変化しているのが特徴でしょうか。

でも、海外ではメジャーな行事なのに、なぜか日本には入ってこないものもあります。その代表的なものが感謝祭、“Thanksgiving Day”ではないでしょうか。北米では一番の年中行事で、国民の祝日にもなっています。家族や友人などで集まり、収穫を神に感謝する祭りです。

Cranksgiving

元々キリスト教由来ですが、最近は宗教的な意味合いは薄くなっています。日本だと、お正月やお盆に似た感じでしょうか。親戚や友人が大勢で集まって、食事会をするのが一般的です。感謝祭の休みに合わせて、国民が移動して大混雑し、当日は駅や空港か閑散とするのも、日本の盆・正月と似ているかも知れません。

国によって違いますが、アメリカでは11月の第4木曜日となっています。日本でも毎年ニュースで、大統領がホワイトハウスで2羽の七面鳥を屠殺される運命から恩赦するのが報じられます。北米では、詰め物をした七面鳥の丸焼きが、代表的な感謝祭のごちそうだからです。

地域によっても多少違いますが、感謝祭翌日の金曜日も祝日扱いとし4日間、あるいは5日間の連休にするところもあります。それほど大きな行事であり、大切な家族のイベントです。各地の慈善団体などが、ホームレスなど恵まれない人々に温かい七面鳥料理をふるまうのも恒例となっています。

CranksgivingCranksgiving

さて、特に北米では大きな年中行事の感謝祭、サンクスギビングデーですが、これに合わせて行われる自転車イベントがあります。“Cranksgiving”です。自転車のクランクとサンクスギビングを合わせています。北米各地の都市でそれぞれ行われており、感謝祭の前の週末などに行われるケースが多いようです。

このクランクスギビング、地域の市民が参加するレース形式の自転車イベントです。あらかじめ決められたチェックポイントのうち、規定の数のポイントを通って、早くゴールした人の勝ちです。どのポイントを選び、どんなルートで回るかが勝負を分けることになります。

CranksgivingCranksgiving

ここで特徴的なのは、チェックポイントが食料品を扱う店であることです。各店舗で、何か食品を購入することでチェックポイント通過となります。言ってみれば、自転車での買い物競争のようなものです。この購入費用は参加者の自腹です。それでも各店で一つ買えばいいので、最低限なら十数ドル程度でしょう。

原則として参加費は無料ですが、この食品の購入費用が参加費となります。そして、参加者が買い集めてきた食料品は、全て慈善団体を通してホームレスなどの食事に困っている人に配られるのです。“Cranksgiving”は、自転車レースであると同時にチャリティーイベントでもあり、感謝祭の伝統も踏襲しているわけです。

Cranksgiving



元々は、ニューヨークのメッセンジャーたちが始めたレースだと言われています。感謝祭は家族や友人で集まって感謝をする日、ご馳走をいただく日ですが、それが出来ないホームレスなどの人々にも、感謝祭の気分を少しでも味わってもらいたいという気持ちから始まったものなのです。

自転車イベントが、同時にチャリティー、ボランティアでもあるというのは素敵なことだと思います。ただ、感謝祭という行事、なぜか日本では人気にならないため、このクランクスギビングが日本で行われるようになるのも、すぐには期待出来そうにありません。

Cranksgiving 2013 @ Velo Cult, Portland OR

SWIFT HQ & #Cranksgiving

SWIFT HQ & #Cranksgiving

“Thanksgiving Day”は、日本では馴染みのない行事ですが、クリスマスもハロウィンも、元は馴染みがありませんでした。そう考えれば、日本で、また新たな年中行事としてメジャーになる可能性はあります。そして、この“Cranksgiving”が日本で行われるようになる可能性もないわけではありません。

1998年から始まって、まだ20年ほどです。鳥の格好をしている人がいるのは、感謝祭のターキーにちなんでいるのでしょう。レースにゲーム的な要素も加わり、老若男女、家族で参加している人もいます。順位はありますが、チャリティーイベントとして、参加者がみな楽しんでいるのが印象的です。

SWIFT HQ & #Cranksgiving

GO!!!

Cranksgiving 2008 024

さて、この“Cranksgiving”ですが、日本の各地の自治体で、新しい自転車イベントとして開催してはどうでしょう。他と差別化するアイディアがなくて困っている自治体や関係者の方、いかがでしょうか。実は、豊かに思える日本でも、食べ物を必要としている人たちがいます。

例えば、最近は子供の貧困が問題となっています。およそ6人に1人の子供が貧困状態にあるとされ、家庭で満足な食事、十分な栄養を摂取できていないと言います。最近は、子どもが1人でも安心して来られる無料、または低額の食堂、子ども食堂というボランティアの活動も各地で行われているようです。

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Santa Cruz Cranksgiving

2012 Cranksgiving

もちろん、子どもだけではありません。食品メーカーや農家、個人宅から出る、まだ食べられる食料品、廃棄される運命にある食品を引き取り、児童養護施設やDV被害者のためのシェルター、路上生活を強いられている人たちの元へ届ける、フードバンクと言われる取り組みも行われています。

このような社会的なニーズにも合致するイベントと言えるでしょう。同時に市内の食料品店をチェックポイントにすれば、地域振興にもなりそうです。自転車イベントとして、域外からの来訪も促すかも知れません。日本でも、こうした趣旨に賛同する人はいるはずです。

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Cranksgiving 2013

Cranksgiving 2011

元々、“Cranksgiving”は、草の根的な形で始まり、現在も公的機関が主催するようなものではありません。キリスト教のチャリティー文化があって発生したもの、広がったものと見ることも出来ます。自治体が地域振興として主催する自転車イベントとは、趣を異にするのは確かです。

しかし、自発的でなくてもチャリティーイベントはいろいろ行われています。自治体ではなく、地域のNPOとか慈善団体が主催する手も考えられます。特に珍しかったり、人の目をひくものでなくても、その趣旨に賛同する人が集まり、地域の住人を巻き込み、人々を継続的に集めるイベントとなる可能性は十分にあると思います。

CranksgivingCranksgiving

CranksgivingCranksgiving

珍しかったり、目立つばかりが自転車イベントではありません。地域性や珍しさを出すのではなく、その趣旨を前面に出し、賛同する人を集める自転車イベントがあってもいいのではないでしょうか。とくに景勝地や旧跡がない地域でも、比較的簡単に開催できると思います。

感謝祭には馴染みのない日本人ですが、ハロウィンが仮装イベントになったように、“Thanksgiving Day”は、楽しんでチャリティをする日になるかも知れません。“Cranksgiving”という自転車イベント、是非うちでもやってみようという地域が出てくることを期待したいと思います。




イベントの担当者の方、いかがでしょう。是非ご検討ください。知り合いに関係者がいる方、教えてあげて下さい。

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