February 24, 2019

自転車にチェーンという呪縛

自転車にチェーンはつきものです。


市販されている自転車にも、一部シャフトドライブやベルトドライブを採用しているものがありますが、大多数はチェーンです。構造的に軽量でパワーロスが少なく、変速が容易など総合的に優れているのは確かでしょう。自転車にチェーンが使われるのは当たり前になっています。

ただ、チェーン、シャフト、ベルト以外の方式もあります。少し前に取り上げたのは、駆動輪である後輪のハブに直接パワーを伝えるクランクを使い、テコの原理で動かすクランクバイクでした。今回取り上げるのは、ストリング(ひも、ロープ)を使って動力を伝えるタイプの自転車、“Stringbike”です。

StringbikeStringbike



ストリングバイクの利点はたくさんあります。まず、チェーンとは違ってメンテナンスがラクです。注油は不要なので、手や服が油で汚れることはありません。チェーンの宿命と諦めている人は多いと思いますが、ストリングならば、注油も油汚れも関係ありません。

ストリングによる方式は、なめらかな乗り心地で、音が静かなのも特徴です。チェーンの場合、メンテナンスが行き届いていないと、すぐ異音が発生しますが、ヒモならば異音がすることはありません。異音どころか、チェーンの流れる音までしないので、タイヤのロードノイズ以外に音が無いのが不思議なくらいです。

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ストリングドライブでも独自の機構によって19段の変速が出来ます。登り坂を立ち漕ぎしている時など、チェーンだと大きな負荷がかかって変速しにくい場面でも、変速可能です。ギヤを変えた時に、チェーンが外れるようなこともありません。直そうとして、鋭利なスプロケットで怪我をする心配も無用です。

ストリングを交換するのも簡単です。工具も不要、2分で交換出来ます。交換のためにホイールを取り外したりする必要はありません。軽いので、予備をシートポストの中に入れておくことも出来ます。ダートを走るなどして、泥やホコリなどでストリングが汚れてしまった場合、取り外して、いつでも洗濯機で洗うことが出来ます。

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左右のペダルから、それぞれストリング経由で駆動力を伝えるデュアルドライブです。チェーンのように片側だけに駆動装置が偏らないので、車体の左右のバランスもとれます。さらに、ケガなどで、左右の脚力が違うような場合には、左右のドラムを変えることで、負荷を変えることも出来ます。

ストリングは、直接後輪のハブにつながっているわけではありません。スプロケットも無いので、後輪を前輪と同じように簡単に取り外せるのも特徴でしょう。もちろん、特別な工具は必要ありません。輪行や、クルマに積んだり、保管する時などに便利です。





ストリングは、当然ながらチェーンより軽量です。チェーンリングにあたる部分は独特な形をしていますが、一枚で変速できるので、重量的にも有利でしょう。スプロケットもありません。具体的な比較は書いてありませんが、普通に考えるとチェーン機構よりも軽くなりそうです。この点も長所でしょう。

構造もシンプルで、パーツが少ないぶん、チェーンと比較して、コスト的にも有利になります。チェーンのように緩むこともないと言います。スプロケットが摩耗することもありません。オイルなども不要ですので、当然ランニングコストも安くなるでしょう。

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ストリングドライブのハンドサイクルもあります。チェーン式のように手でクランクを回すのではなく、ボートをこぐように、押したり引いたりすることで動きます。チェーン式のハンドサイクルだと、チェーンやギヤが目の前にくる形になりますが、ストリングなら汚れないぶん、気分的にも違うのではないでしょうか。

クルマ椅子に取り付けて、ローイングで動かせるキットもあります。着脱も簡単で、座ったままドッキングさせたり、切り離したりすることも可能です。車イスの車輪を直接回すより、効率よく駆動でき、スピードも出ます。変速することも可能です。世界初とされる片手用のハンドバイクや、ストリング機構の車イスもあります。

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私は実際に乗ったことがないので、果たして普通のチェーンの自転車と比べて、優れているかどうかの評価は出来ません。しかし、こうして見る限り、チェーンより優れている点が多く、なかなか革新的に見えます。もしかしたら、画期的なドライブ機構なのかも知れません。

理論的には、ストリングの方がエネルギー効率が高くなるようです。ただ、チェーンの効率が大きく劣るわけではなく、その差はほとんどありません。手入れされたチェーンはストリングの効率に匹敵します。違うとすれば、メンテナンスフリーで高効率を維持できる点ということになりそうです。





もし、チェーンより実用的ならば、なぜ普及していないのか、ということになると思います。でも、まだ2011年に誕生したばかりです。量産するには需要が必要ですし、そのためにまず認知される必要があります。流通の問題などもあるでしょう。ただ、各種の賞をとるなど、少しずつ評価は高まっているようです。

あまり、自転車的に注目度の高くないハンガリーのブタペスト生まれというのもハンデかも知れません。そして何より、人々の先入観が大きいと思われます。見た目の違和感もありますし、どうしても自転車はチェーンという固定観念があるため、それを突き崩すのは容易なことではないでしょう。

乗ってみないとピンと来ない一方で、多くの人は乗る機会がなく、乗ろうとも思わない人が多いと思います。新しいものは何でもそうですが、最初はそのあたりの「ニワトリと卵」的なジレンマもあるでしょう。後にブレイクするものでも、火が付くまでに時間がかかるという例は少なくないはずです。

実はこの“Stringbike”、5年前にも少し触れました。その時は正直、私も単なる変わり種自転車としか見ていませんでした。やはり、チェーンという先入観や思い込みは強いものがありそうです。しかし、そんなチェーンの呪縛から解放される人が増えれば、近い将来、ストリングバイクがブレイクしても不思議でない気がします。




また全日空で副操縦士から酒気検出です。これだけ問題となる中、この危機感のなさ、アル中なのでしょうか?

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