March 08, 2019

転んだ時に差し伸べられる手

転ばぬ先の杖などと言います。


人生、いつ何が起きるかわかりません。想定を超えることは想定できないとしても、考えられうるリスクについて備えておくのは大切なことと言えるでしょう。平時には無駄に思えることも多いですが、イザという時、備えておいてよかったと感じることがあるかも知れません。

ただ、備えきれないこと、想定以上のこと、思いもよらぬことも起きます。そんな困難や不幸な出来事に遭ってしまい、転ばぬ先の杖を用意していなかった場合に、もし、「転んだ後に差し伸べられる手」があったら助かります。そのありがたさに、心から感謝するに違いありません。

突然の不幸や、困難な境遇に陥ってしまった人に、手を差し伸べようというサイトがあります。“GoFundMe”というクラウドファンディングサイトです。不特定多数の人に、広くネット上で金銭的な支援を求めることが出来ます。街頭で行う募金活動のネット版といったところでしょうか。

GoFundMeGoFundMe

クラウドファンディングサイトと言うと、“Kickstarter”や、“Indiegogo”が有名です。このブログでも、時々出てきます。これらのサイトにもチャリテイー関連の案件はありますが、多くは新しいアイディアやプロダクツ、サービスなどに対して投資を求めるものとなっています。

あるいは販売型で、両サイトを通して、販路を広げるようなものが中心です。これに対し、“GoFundMe”のほうは、自分や友人、家族などの身に起こった困難な状況のため、支援の募金を求めるケースが大多数となっています。“Kickstarter”や、“Indiegogo”とは明らかに趣の違ったサイトとなっています。

“GoFundMe”が設立されたのは、“Kickstarter”より古く、“Indiegogo”と同じ時期でした。しかし、メディアに取り上げられるのは2つが多く、“GoFundMe”が注目されることは多くありません。最近も、“GoFundMe”を使った詐欺事件が報じられた時くらいでしょうか。

個人的な支援、募金の色合いが濃いので、あまり注目が集まらないというのはあるでしょう。しかし、実際には多くの募金、支援金が集まっています。実は、他の二つと比べて知名度は高くないものの、“GoFundMe”は、2つに次ぐ、世界第3位のトラフィックを誇るクラウドファンディングサイトなのです。

もちろん、不幸な境遇ばかりではありません。個人的な挑戦への支援だとか、チャリティーのプロジェクトに対する協賛など、いろいろな案件があります。ただ、割合的にも、困難な状況に陥り、医療費、学費、旅費などの支援を求めるものが多くなっています。

GoFundMeGoFundMe

他にも同じような募金系のクラウドファンディングサイトはありますが、“GoFundMe”は、オンラインの医療資金調達分野のリーダー的存在となっています。サイトを通して年間、6億5千万ドル以上の寄付が行われており、一種の医療保険のような役割を果たしています。

サイトを見ると、さまざまなケースが載っています。例えば、自転車に関連するものに限ってみても、自転車の事故で大怪我を負った、サイクリストの友人が難病になってしまった、闘病中で、費用のかかる手術のための資金が必要といった、困難な状況にある事例が掲載されています。

移民の学生が学校へ通うための自転車を盗まれてしまった、自閉症の友人の唯一の移動手段の自転車が盗まれたといった、盗難に関係するものも多くなっています。目標金額は、自転車を買うための金額で、さほど高くないものも多いですが、それぞれに温かい支援が寄せられ、多くが目標に達しています。

“GoFundMe”では、他の2つのように期限が区切られておらず、目標金額に達しなかったとしても、集まった資金の全額を受け取ることが出来ます。このスタイルは、個人的な困難への克服に大きく貢献するでしょう。少しでも資金がほしいという切実なケースも多いはずです。

もちろん、なかには仲良しグループの一人が自転車を盗まれたというだけで、果たして支援を求めるケースなのか、首を傾げたくなるようなものもあります。不運なことは間違いないものの、特に困った境遇とは書かれておらず、日本人の感覚だと、失礼ながら多少図々しく見えるものもあります。

GoFundMeGoFundMe

それでも、金額の大きいものはともかく、比較的少額のものは、かなりの割合の資金が集まっています。少額といっても、相対的な話で、個人にとっては苦境にたたされている中、貴重な支援に違いありません。寄せられた善意の募金に対して、深い感謝の言葉が述べられています。

このサイトはドルやユーロで、主にアメリカやヨーロッパ向けとなっています。よく言われるように、欧米ではキリスト教の教えがベースにあって、寄付の文化が根付いているという背景があるのは間違いないでしょう。リアルの世界でもチャリティーが盛んですが、それがネットにも広がっている形です。

もちろん、アメリカなどでは寄付金の一部が所得から控除され、節税になるのも確かです。しかし、全額が控除されるわけではないので、節税だけが目的とは言えません。そして、アメリカで年間に寄付される金額は、日本のそれの数十倍以上、年間で数十兆円という日本の年間の税収にも匹敵するようなレベルです。

日本と欧米諸国とでは、文化も税制も、社会福祉関連の制度も違うので、一概に比較するわけにはいきません。国民皆保険の日本では、個人の寄付に頼るのではなく、公的な仕組みを通じて支援されるわけで、どちらがいいと決めつけられるものでもないでしょう。

ただ、“GoFundMe”のようなサイトを見ると、不幸なことに遭遇してしまった人に対して、多くの温かい支援金が寄せられているのが印象的です。知人が寄付するケースもあるでしょうが、思わぬ不幸に直面した時に、全く見知らぬ人が手を差し伸べてくれるありがたさは、身に染みるのではないでしょうか。

GoFundMeGoFundMe

日本でも近年、寄付金に対する税額控除の制度が整備されつつあります。個人向けで関心が高いのが、言うまでもなく、ふるさと納税でしょう。実は、地方自治体以外にも、社会福祉法人とか更生保護法人といった公益法人などにも寄付は出来るのですが、ほとんどは返礼品の魅力の高い地方自治体に集中しています。

ふるさと納税以外にも、寄附をした場合に控除される制度はあるのですが、対象は指定された特定の法人・団体だけです。各地の共同募金会や日本赤十字社の支部なども入っていますが、特定の個人に対して支援の寄付をしても税額控除はされません。日本では、寄付の文化が育ってないことも要因でしょう。

もちろん、税額控除がなくても、寄付をすればいいわけですが、なかなか関心が高まらないのは確かです。ふるさと納税が注目されたように、税制によっては、困っている個人を助けようという寄付にも関心が向かう可能性があります。日本でも、もう少し、「転んだ時に差し伸べられる手」を考えてみてもいい気がします。




変装したゴーン被告の保釈の舞台裏にはいろいろあったようです。弁護士が知恵を絞るのは、そこかという気も。

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