March 29, 2019

日本でも売れる可能性はある

日本では見ないタイプの自転車があります。


あまり見ないのは、リカンベントやベロモービルなどいくつかあると思いますが、カーゴバイクもその一つでしょう。欧米では一般的に使われており、特に珍しいものではありません。特に多いわけではないものの、一定の割合で使う人がいて、普通に走っているのを見る都市は少なくありません。

自転車は、その使い方や使う場所などによって、さまざまな種類が用意されています。汎用性の高いものもありますが、限られた人力は、なるべく効率的に使えたほうがいいわけで、それぞれの使い方に合ったもの、特化した種類を選択するのが合理的ということになります。

舗装路を速く走るならロードバイクですが、オフロードならMTBです。フォールディングバイクなら、小さくたたんで、勤務先のデスクの下に入れておけるとか、ファットバイクなら雪道でも走れる、砂浜を走ったりすることが多いならビーチクルーザーなど、それぞれ選ぶ理由があります。

Muli Cargo eBikeMuli Cargo eBike

大きな荷物、たくさんの荷物を運びたいならカーゴバイクです。日本で一般的なママチャリの前カゴや荷台では、運べる量や大きさが限られます。前カゴに満載したり、ハンドルにぶら下げたりしている人も見ますが、不安定で危険ということもあります。やはり荷物を運ぶならカーゴバイクが優れています。

欧米では、カーゴバイクに子供を乗せる人もいます。日本のママチャリに子供用シートを取り付けるスタイルだと、どうしても重心が高くなります。駐輪する際など、ちょっと目を離したスキに転倒し、子どもが落下して大怪我をする事例も多く報告されています。高い位置からの落下となるため、怪我が深刻になりやすいのです。

カーゴバイクだと、子どもの乗る位置が低くなるぶん、怪我が重篤になるリスクは減ります。子供を乗せて走るにも安定します。ママチャリだと、子どもが少し動いてバランスが崩れると、倒れないようにするのに大きな腕力が必要になりますが、その点でもカーゴバイクに軍配が上がります。

Muli Cargo eBikeMuli Cargo eBike

近所のスーパーに買い物に行ったり、子どもを幼稚園などに送り迎えすることが多いお母さんにとって、カーゴバイクは持ってこいのタイプと言えるでしょう。しかし、日本では、ほとんど走っているのを見ることがありません。全く普及していないのは何故なのでしょう。

一番の問題は、歩道走行ではないでしょうか。多くのカーゴバイクは、日本の法令で定められている「普通自転車」の要件を満たしません。つまり、車道走行をしなければなりません。この点が敬遠されるのだと思われます。なかには歩道を通らなくて済む人もいるでしょうが、日本ではニーズが無いため販売されないのでしょう。

日本では駐輪も厄介です。場所をとるため、駐輪時や自宅での保管の面で不便です。幅があるため駐輪機に入らなかったりするでしょう。日本の自転車店では、まず見ることがないため、カーゴバイクの存在すら知らない人が多いのも、普及しない理由かも知れません。

Muli Cargo eBikeMuli Cargo eBike

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道路環境が整っていれば便利だと思うのですが、日本でカーゴバイクは、諸般の事情からなかなか人気が出ないのが実情というところでしょう。ところで、そんな中で注目されるカーゴバイクが開発されています。ドイツのスタートアップによる、新たなカーゴバイクの提案、“Muli Cargo eBike”です。

一見すると一般的なカーゴバイクです。荷物もたくさん積めそうですし、荷台が低くて安定しているので、子どもを乗せるのにも適しています。しかし、このカーゴバイクの最大の特徴は、荷台のカゴがたためることです。荷物や子供を乗せない時にはバスケット部分をたたむことが出来ます。

Muli Cargo eBikeMuli Cargo eBike

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カゴの部分を広げた状態で、幅は60センチありますが、たたむと、わずか28センチになります。これなら駐輪しやすいですし、場所をとって邪魔になることもありません。日本のママチャリの前カゴよりも幅が狭いくらいです。これは便利に使えそうです。

ありそうでなかったカーゴバイクと言えるでしょう。重量は70キロまで積載でき、容量も100リットルあります。カゴ、バスケットの部分は40センチ×60センチです。長さは195センチ、自体の重量は24キロとなっています。サイズ的には普通の自転車とそれほど変わらない大きさです。

Muli Cargo eBikeMuli Cargo eBike

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長さも一般的なカーゴバイクより短く、ドイツの鉄道駅の駐輪機に収まる大きさです。eBike、電動アシスト仕様も選べます。チャイルドシートや、濡れないようにかぶせる屋根などのオプションもあります。ハンドルバーが回転するなど工夫されており、電車内やエレベータなどへの持ち込みにも配慮されています。

これは、日本でも使いやすいカーゴバイクではないでしょうか。実は、日本の法令における「普通自転車」の要件は、長さが190センチなので、あと5センチ短ければ歩道も走行できます。幅は60センチまでなので問題ありません。多少バスケットを小さくすれば、普通自転車サイズに収めることも可能でしょう。

Muli Cargo eBikeMuli Cargo eBike

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価格は、2千725ユーロからとなっています。日本市場を席捲する格安のママチャリと比べれば高いですが、スポーツバイク、カーゴバイクとしての価格と見れば決して高くありません。子供乗せ自転車として、短期間だけ使うのには割高かも知れませんが、荷物を運べる自転車として長く使うのであれば、十分リーズナブルです。

この、“Muli Cargo eBike”、ヨーロッパで開催される世界的な自転車見本市、“Eurobike”で“GOLD AWARD”を受賞しており、現地でもホイールベースが短くてコンパクトな、日常使用に向いたカーゴバイクとして高く評価されているようです。

Muli Cargo eBike



長さが5センチだけ長いので、このままでは日本に輸入しても普通自転車としては認められません。しかし、あと少し小さくすれば、歩道走行も可能なカーゴバイクとして、日本でもニーズが掘り起こせる可能性があるのではないでしょうか。

日本では、メーカーも輸入元もカーゴバイクは売れないと思っているのでしょう。ただ、それは先入観に過ぎないかも知れません。子どもを安定して乗せられる自転車という点も含め、サイズなどの工夫によっては、カーゴバイクも新しいタイプの自転車として、受け入れられる余地はあるような気がします。




新元号の発表まで、あと3日となりました。さて、どんな元号になるのか、初めてのケースだけに注目されますね。

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