May 25, 2019

自転車に乗る時だけに限らず

海洋のプラスチック汚染が深刻です。


既に世界の海に流入したプラスチックごみは、推定1億5千万トン、さらに年間8百万トン、重さにしてジャンボジェット機5万台(!)に相当する量が毎年加わっています。この大量のプラスチックごみは、海の生態系に甚大な影響を与えており、悪化する一方です。

2050年には海洋プラスチックごみの量が、海にいる魚を上回るというショッキングな予測も発表されています。これは、単に魚や海鳥、ウミガメなど海洋生物に深刻な影響を与えるだけにとどまりません。我々、人類に影響を与える可能性まで懸念されています。

プラスチックごみは、紫外線や波の作用で細かい粒子状物質、いわゆるマイクロプラスチックになります。これが有害物質を吸着します。そして魚の体内に蓄積し、食物連鎖を通して人間の体内にも入ることになります。昨年の調査では、日本含む8カ国、全対象国の人の便からマイクロプラスチックが検出されました。

人の体内に微小プラ粒子人の体内に微小プラ粒子

一度海洋に放出されたプラスチックごみは、容易に自然分解されないのが厄介です。分解されるのにはレジ袋で20年、発泡スチロールだと50年、ペットボトルだと400年かかります。かと言って、海から回収するのは、技術的にも経済的にも困難です。早急にプラスチックごみを減らすしかありません。

プラスチックの年間生産量は、過去50年で20倍に増大しています。最近の10年間だけで、20世紀に使用した全てのプラスチックを超える量が生産されました。毎年、世界では5兆枚のビニール袋が使われ、1分間になんと100万本のプラスチックボトルが売られています。

私たちが使っているプラスチックの5割は使い捨てであり、リサイクルされたのは、全体のわずか9%に過ぎません。ちなみに、日本のプラスチック生産量は世界第3位、1人当たりの容器や包装のプラスチックごみの発生量は世界第2位です。年間400億枚のレジ袋が流通し、ペットボトルの国内年間出荷は227億本です。



日本は、廃プラの有効利用率が84%と進んでいるとされていますが、これまで多くを頼ってきた新興国への輸出の道は閉ざされつつあります。また、全体の57.5%は、燃焼させてエネルギーを回収するサーマルリサイクルです。つまり化石燃料を燃やしているのと一緒でCO2を排出しており、国際的には評価されていません。

どの数字をとっても気の遠くなるような数字ですが、私たち自身や子や孫に影響が及ぶ問題です。手をこまねいて見ているわけにはいきません。身の回りにあふれるプラスチックの日用品を減らすのは大変ですが、せめて使い捨てされるレジ袋やペットボトルなどを使わないようにしていくべきでしょう。

さて、そのペットボトルですが、身近な存在として、毎日のように手にしている人は多いと思います。これからの時期は、熱中症の危険がありますから、自転車でツーリングなどに出かける際にも、ボトルホルダーなどにペットボトルを入れて出かける人も多いのではないでしょうか。

Modula CageModula Cageボトルケージ

趣味のサイクリストなら、専用のボトルを使っている人も多いでしょう。これもプラスチック製が多いですが、毎回ペットボトルを使い捨てにするよりは、はるかにマシです。なるべくなら、専用のボトルに、水道水か、お茶などを沸かして持って行きたいものです。

ちなみに、水も、いつの間にか、ペットボトルで売られている水を飲む人が多くなりました。昔は水道水を当たり前のように飲んでいたのに、一度ペットボトルの飲用水を飲み始めると、水道水に戻れない人は多いと思います。これは、フランスの大手有名飲料水メーカーの営業戦略だと言われています。うまい手を使ったものです。

よく考えると、ガソリンより高い値段の水を飲んでいるわけで、経済面でも合理的ではありません。毎年、水用のペットボトルだけでも、世界で4800億本ものペットボトルが売られ、その製造のために、年間1千7百万バレルもの石油が使われているそうです。

日本の水道水は、一般的に美味しく、衛生的です。出来るのであれば、ペットボトルを減らすため、水道水に戻ることも考えたいところです。あるいは、水道水でお茶などを沸かして飲んでもいいでしょう。そうすれば、かなりの量のペットボトルを買わなくて済む人も多いのではないでしょうか。

MODLMODL

MODLMODL

ところで、サイクリストも使えるボトルで、面白い製品が提案されています。“MODL”と名付けられたこのボトル、飲み終わったら折りたたんで持ち帰ることが出来ます。かさばらないので便利です。キャップを換えると、簡易シャワーとしても使えます。容量は1リットルです。

さらに浄水機能のついたフィルターを取り付けることが可能です。1分で1リットルの水を浄化する能力があり、大腸菌やコレラ菌、サルモネラ菌などを、99.9999%除去することが出来ます。フィルターは3千リットルまで使えます。これなら出先で川の水だって飲めます。

MODLMODL

MODLMODL

日本では、少し行けばコンビニがありますが、ツーリングなどで田舎に行くと、店も販売機も無く、なかなか飲料を買えないような場所もあります。あらかじめ買って携行するなど、なかなか川の水を飲むような機会は無いかも知れませんが、イザという時には心強いでしょう。

自転車用ボトルのような飲み口からだけでなく、専用のチューブで飲むことも出来るので、ハイドレーションバッグのような使い方も出来ます。トレッキングなどをする人なら、リュックサックに入れたまま飲むことが出来るので、いちいち止まって荷物から出して飲む必要がないぶん便利です。

MODLMODL

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そのほか、簡易枕として使ったり、器としても使えるとなっています。浄水機能も含め、これは災害時にも重宝しそうです。ふだんは気にしていませんが、最近は地震だけでなく、台風や集中豪雨による土砂災害も増えています。イザ、断水した時などにはありがたいアイテムになるでしょう。

上下が大きなキャップになっているので、洗いやすいのも長所です。クラウドファンディングサイトで、あっという間に、目標の10倍近い資金調達に成功しています。これは、自転車用にも使えますし、イザという時も含め、いろいろと使えそうです。

MODLMODL

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このボトル、当然ながら、自転車やトレッキングなど、アウトドアスポーツなどのシーンで使うことが想定されています。しかし、これを日常生活で使ってもいいのではないでしょうか。最近は熱中症対策もありますし、常にペットボトルの飲料をカバンに入れている人は多いと思います。

通勤や通学時に携行して1日に1本、あるいはそれ以上飲む人も多いでしょうから、年間にしてみれば、相当な本数になります。これを、使い捨てでないボトルにすれば、プラスチックごみの削減に貢献します。マイボトルを持ち歩く人が増えれば、ごみは大きく減るでしょう。

MODLMODL

マイボトルを携行する人が増えれば、ペットボトルではない飲料水の販売方法も広がるに違いありません。生ビールを、ビールサーバーから注ぐようなスタイルで量り売りし、マイボトルに直接入れてもらう方式も考えられます。業務用の金属の樽などで流通させれば、ペットボトルは大きく削減できるに違いありません。

一時期、マイボトルが話題になったことがありますが、残念なことに、あまり普及には至っていません。しかし、海洋プラスチックごみの汚染問題は、私たちの問題です。まず、一人ひとりが、使い捨てでないボトルや水筒などを持ち歩くことから始めていきたいものです。




先日は突然パソコンが壊れ、更新が出来ませんでした。まだ問題があり、更新は不定期になるかも知れません。


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