August 23, 2019

消費者の選択が企業を動かす

環境問題への注目が高まっています。


今に始まったことではありませんが、気候変動、環境汚染、熱帯雨林や生態系の破壊、砂漠化、生物多様性の喪失など、地球規模の問題がクローズアップされ、人類や人間社会の持続可能性への懸念が、ますます大きくなってきているのは確かでしょう。

Nespressoいろいろな問題がありますが、その一つに最近話題になることの多い、プラスチックの海洋汚染の問題があります。それが生態系の破壊や人類の生存についても大きな脅威であることが広く知られるようになり、特に欧米では、さまざまな取り組みが始まりつつあります。

例えば、ファーストフードのチェーンなどがストローを廃止したり、非プラスチック素材への置き換えを進めています。スーパーなどでは、レジ袋を有料化して買い物袋の持参を求めたり、包装パックをプラスチック由来のものから、自然に還る生分解性のものに変える企業も出てきています。

最近は、企業も漫然と対応を怠っていたりすると、すぐにSNSなどで糾弾されたり、企業イメージの悪化へとつながることもあるので、うかうかしていられません。ストローやレジ袋の対策を打ち出したからと油断していると、次に何が槍玉に上がるかわかりません。

ところで、最近はコーヒーの入れ方も変わってきました。豆を焙煎してドリップするのではなく、カプセルをコーヒーマシンにセットするだけで、簡単にコーヒーが入れられる方式もあります。ホテルのラウンジや、オフィスなどに設置され、セルフサービスになっていたりします。

カプセルポッド
Nespresso


ただ、カプセル式のコーヒーマシンだと、コーヒー1杯ごとにカプセルが1個必要となり、使い捨てなのでゴミがたくさん出ます。カップやマドラー、ミルクなども使い捨てだったりします。欧米などの一部では、こうした使い捨てが、プラスチックゴミを増やす元凶として批判が集まっています。

コーヒーカップやスプーン、ミルクポットなどは、使い捨てでないものを置けば、とりあえずゴミにはなりません。しかし、コーヒーのカプセル、専用のカートリッジに関しては、置き換えようがありません。衛生面やリユースの手間などの面から、どうしても使い捨てにせざるを得ません。

そこで、大手ネスレ社は、カプセル式コーヒー、ネスプレッソのカートリッジを独自にリサイクルすることにしました。同社のカプセルは、鮮度を保つために、アルミホイルなどと同じ、アルミニウム素材で出来ており、他のプラスチックゴミと一緒に回収してリサイクル出来ないのも難点でした。



同社の使い捨てのカプセルを回収し、そのアルミをリサイクルして、なんと自転車のフレームを作ろうと言うのです。自転車の製造については、スウェーデンの自転車メーカー“Velosophy”社と提携しています。自転車の名前は、文字通り“RE:CYCLE”です。

一般的に、プラスチック素材をリサイクルするのは難しいですが、アルミならばリサイクルの技術は確立されています。飲料のアルミ缶などと同じです。実はアルミが使われていて、プラスチックゴミでないことを、逆に活かしたリサイクル方法と言えるかも知れません。

RE:CYCLERE:CYCLE

RE:CYCLERE:CYCLE

1台につき、使い捨てカプセルが何個必要になるかは不明ですが、自転車のフレームにするとは意外です。しかし、よく考えると、単なるアルミ製品ではインパクトに欠けます。せっかく環境に配慮してのリサイクルなのに、クルマのアルミパーツにするというのではイメージが悪いでしょう。自転車が必然だったのかも知れません。

自転車というだけで、エコで環境に優しいイメージがあります。コーヒー会社なので、カップホルダーも取り付けました。さらに、“Velosophy”社は自転車が一台売れるたびに、アフリカの発展途上国の子供が、教育へのアクセスを改善するための寄付をしています。同時に途上国援助にもなるという仕組みです。

RE:CYCLERE:CYCLE

RE:CYCLERE:CYCLE

価格は、1,290ユーロで同社の通販サイトからのみ購入できます。企業の環境保護のアピールとしては、よく考えられています。ただ、製造される“RE:CYCLE”は、1千台限定です。一度だけ限定で製造するだけなら、持続的なリサイクルのシステムとは言えません。

そのあたりが、どう評価されるかと言うことになりそうですが、同社は、自社のカプセルがリサイクル可能なことを示したとして、今後は53か国以上でリサイクル計画を進めると表明しています。ちなみに、このカプセル、カートリッジなど呼び方はいろいろですが、海外ではポッドと呼ばれることが多いようです。

RE:CYCLERE:CYCLE

手軽で便利なため、こうしたポッド式のコーヒーマシンは増えています。でも、いったん便利になると、それを昔のやり方に戻せというのは、なかなか難しいでしょう。企業も、環境負荷が高いからと、他社との競争を置いて自社だけ撤退する判断は困難だと思います。世界的に禁止するならともかく、1社だけ廃止しても意味がありません。

そう考えると、民間企業にだけ、環境に対する責任を負わせるのは酷と言えそうです。もちろん、コーヒーのカプセルだけリサイクル出来ても問題の解決にはなりません。海洋プラスチックごみ問題の元凶のように矢面に立たされているレジ袋も、プラスチックごみ全体からすれば、1%とか2%というレベルだそうです。

やはり、私たち消費者が生活の中で、いかにゴミを減らしていく覚悟を持てるかが問題です。一度手にした利便性を手放すのは非常に困難ですが、多少のところは我慢し、環境保護との妥協点を探る姿勢が、私たち一人ひとりに求められているのでしょう。そして、それに基づく選別が、企業に対策を促すことにもなると思います。




まさか、韓国が“GSOMIA”の破棄までするとは思いませんでした。今後のアメリカの対応も注目されるところです。

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