September 13, 2019

自転車にも乗る人のメリット

サイクリストが乗るのは自転車だけとは限りません。


ふだんは自転車に乗っているけど、クルマにも乗るという人は少なくないでしょう。自転車好き、自転車を使うことが多かったとしても、自転車では出来ない移動や輸送もあります。私もそうですが、サイクリストでも必要に応じてクルマの運転をする人は多いと思います。

もちろん、自転車に乗らず、クルマしか運転しない人もいるので、クルマのドライバーには、自転車にも乗るドライバーと、クルマにしか乗らないドライバーがいることになります。この分け方で両者を比較したところ、明らかに運転に違いがあることがわかりました。

自転車にも乗るドライバーの運転技術は、クルマにしか乗らないドライバーより優れていると言うのです。これは、イギリスの保険会社、“Chris Knott Insurance”社の調査によって判明しました。事故を起こしたドライバーの割合が、明らかにサイクリストのほうが低かったのです。

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同社が保険契約をしている加入者のうち、1年間に少なくとも1回以上事故を起こして保険金の請求を行った人が、全体では13%だったのに対し、サイクリストでもあるドライバーの場合は6%と、半分以下だったと言います。これは、文句なく有意の差があると認められる違いです。

この分析は、以前に学術誌の“Science Direct”に掲載された、“Accident Analysis&Prevention”という研究論文の実験結果とも整合しています。運転経験等、自転車に乗るかどうか以外の属性の影響を排除して実験した結果、サイクリストは、明らかにクルマの運転に優れていると結論づけられています。

理由はいくつか考えられます。サイクリストは、路上における危険をよく知っています。路上を自転車で走行している時は、周囲の交通状況に十分注意を払います。クルマと違って生身なので、漫然とした走行や、危険の見落としは、深刻な事故に直結します。鉄の箱で守られているクルマと危機意識が違うのは当然です。

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つまり、クルマだけのドライバーに比べて、サイクリストのドライバーは、周囲によく注意を払う傾向があるそうです。自転車に乗っている時と同じ感覚とは言わないまでも、周囲の交通状況によく注意を払って運転する傾向があるため、事故を起こす割合が低いと考えられるわけです。

自転車に乗っているぶん、自転車の特性をよく理解しています。自転車に乗っている人が、どのような挙動をしがちか、どのような危険・リスクがあるか、わかってクルマを運転しているため、クルマしか知らないドライバーより、自転車との事故を起こしにくいことも指摘されています。

実験では、クルマの運転中に、周囲の自転車に気づくスピードも格段に速かったそうです。自転車のことを特に意識していないドライバーとは違い、すぐに気づくわけです。自転車に気づかなかったというのが、自転車との事故を起こした原因の典型であり、この差も大きいと思われます。

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さらに、ふだんから運動をしているサイクリストのほうが、全般的な運動能力や、いわゆる反射神経、敏捷性の点でも優れており、事故の回避能力も高いという結果が出たと言います。個々の比較では、必ずしもそうとは限りませんが、全体的に見れば、そういう傾向もあるのでしょう。

調査結果を受け、この保険会社では、サイクリストであるドライバーに対し、クルマの保険の保険料割引を行っています。平均して、22%安くなるそうです。イギリスで初めての仕組みですが、サイクリストに報いたいとしています。事故の発生率が半分以下なのですから、妥当と言えば妥当でしょう。

言われてみれば、なるほどと思いますが、サイクリストがドライバーとして優れているとは意識していませんでした。保険としても画期的と言えそうです。そしてこのことは、自転車にも乗るドライバーが増えれば、交通事故が減る可能性を示唆しています。自転車優遇が、間接的に事故を減らす効果が期待されています。

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もちろん、これが日本でもそのまま当てはまるかは疑問です。日本は、ママチャリで歩道走行する人が圧倒的に多いという世界的に見ても特殊な状況があります。歩道走行では、車道上の危険に気づけないでしょうし、イギリスでの実験結果や保険加入者の統計分析とは違ってくる可能性があります。

ただ、日本でも、ふだん車道走行しているサイクリストなら当てはまりそうです。個人的には、日本の保険会社にも保険料を割り引いてほしいところです(笑)。日本でも、国交省や警察庁が、自転車を原則車道走行とする本来の形へ回帰させようと180度方針転換しましたし、調査してみるのも興味深いのではないでしょうか。

日本であっても、自転車での日常的な車道走行が、クルマで事故を起こさない運転に貢献するのは同じと推測されます。最近はスポーツバイクに乗る人も増えつつありますが、全体としてみれば、サイクリスト人口の増加が、交通事故減少に寄与する可能性はありそうです。

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ふだん、クルマしか乗らない人は、試しにスポーツバイクに乗ってみるのも有意義ではないでしょうか。自転車のこともわかりますし、また違った角度で道路交通やその危険について見直すことにもなるでしょう。案外、その快適さや面白さに目覚め、好んで乗るようになるかも知れません。

最近は、高齢者の免許返納といったことも話題になります。自転車にも乗る人、乗っていた経験のある人であれば、クルマ生活から自転車生活への移行もスムースになるでしょう。いろいろな点から、自転車に乗る人が増えることは、より良い社会へとつながっていくと思います。




千葉県の大規模停電が長引き、被災者は厳しい状態のようです。少し涼しくなったのが、せめてもの救いですが。

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