March 26, 2020

リスクを下げて運動もしたい

パンデミックが加速しています。


ヨーロッパで感染が急拡大しているのに加え、アメリカの感染者が急速に増えています。今後はアメリカが流行の中心となる可能性が指摘されています。これを受けて14州で外出制限が発令されるなど、感染拡大を防ぐ対策が強化されています。世界では感染者が40万人を超えました。

ここのところ、連続でこの話題を取り上げていますが、前回取り上げた後も、新たな報道が相次いでいます。前回までは目立たなかったのですが、コロナ危機下での自転車に関連した報道が増えています。そこで、今回はアメリカの話題を中心に取り上げてみようと思います。


特に感染者の増加が著しいニューヨークでは、住民に外出を控え自宅にとどまるよう求めています。ただ、食料品の購入など、どうしても必要な移動に、地下鉄などを避け自転車を使う人が増えています。当初、自転車店も緊急の閉鎖命令に含まれていましたが、除外されました。クオモ知事もデブラシオ市長も同意しました。

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一般の人に加え、フードデリバリーの配達員が、食料品を届けるために走行しており、修理や消耗品の補修など、自転車輸送のインフラと見なされたからです。これまで、自転車店がインフラなどと意識されたことはなかったこともあり、最初は混乱も見られましたが、同州ではコンセンサスが得られたようです。




アマゾンに買収されたことでも知られるグロサリー・ストア(食料品スーパー)チェーンのホールフーズは、宅配需要が急増したため、配達員が大幅に不足していると言います。同社は新たに働いてくれるサイクルストを募集しています。急なニーズ拡大で、シェア自転車を配達用に提供しようという動きもあります。


ニューヨークでは、外出禁止にも関わらず、一部の人が公園などに集まっています。この事態を憂慮したクオモ知事は、ニューヨーク市のいくつかの道路をクルマの通行禁止にし、自転車やランナーに開放することを決定しました。サイクリストやジョギングする人などが、安全な間隔をとって運動できる場所をつくるためです。

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暇を持て余した若者が公園などに集まれば感染拡大のリスクが高まるため、解散を命じる一方で、一部の道路を解放し、そこで運動してもらおうというわけです。市内のクルマの交通量が大幅に減っていることが、道路解放を容易にしており、空いた道路スペースを有効活用する策でもあります。


このクオモ知事の要請に応え、デブラシオ市長は、市内のいくつかの道路をクルマ通行禁止にしました。しかし、すぐに少ないとの声が上がったため、10本の通りに拡大しました。市民の不要不急の外出を禁止しなければならないのは確かですが、一方で市民が運動を必要としていることも認めています。

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これまでも自転車に乗ってきた人ばかりではありません。この事態を受けて乗り始めた人は必ずしも自分の自転車を持っていません。このためシェア自転車の利用が大幅に拡大しています。シェア業者もハンドルの消毒などに取り組んでいますが、十分ではないので、乗る前に手袋を使うかグリップを消毒するよう勧めています。


大通りの解放だけでなく、移動のためのインフラの拡大や安全の充実を求める声もあります。路上にパイロンなどを設置し、クルマとセパレートされた臨時の自転車レーンが設置されています。クルマの交通量が少なくなっているため、こうした措置が可能になり、ニーズも拡大しているのです。

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このニューヨークの動きは、他の地区でも注目されています。首都ワシントンD.Cでもバスなどの公共交通機関の混雑を避けるためにも、クルマと区分された自転車レーンの設置が求められています。移動に加えて運動の面にも貢献しますし、保護された臨時の自転車レーンの設置は、緊急措置として簡単に展開できるからです。


アメリカでは、ニューヨーク州の感染者が半数を占めるなど、州によっても感染拡大の勢いが違います。対策にも温度差がある状態です。ペンシルベニア州ピッツバーグでは、住民に家にいるよう要請する一方で、屋外で運動するために外出することは許可しています。

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もちろん、周囲から6フィートの社会的距離を維持するのが条件です。そのため、一部の道路を閉鎖して『ソーシャルディスタンスフィットネスゾーン』を設けることが提案されています。道路を通行止めにして転用することで、自転車、ジョギング、スケートボードなどの運動に使おうというわけです。


マサチューセッツ州では、ベイカー知事による営業停止要請、閉鎖の緊急命令の除外リストに自転車店が入っていません。どうしても必要な移動でのリスクの低さと、人々のメンタルヘルスの面、運動不足解消の面でも自転車が最適だと、自転車店主らが除外を求めています。

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サンフランシスコ州でも、必須でないビジネスの閉鎖が命じられました。自転車店も含まれます。しかし、この命令にも関わらず、ベイエリアのいくつかの自転車店は店を開けています。地域に必須のサービスだと主張しており、医療スタッフを含めた市民の自転車による移動のニーズに応えるという信念を持っているのです。


一方、オレゴン州は市民に物理的な接触を最小限に抑えるよう行政命令を出していますが、自転車店は閉鎖が必要なビジネスのリストに含められませんでした。他のサイクリストとの距離を6フィート以上維持することを条件に、近所で自転車に乗ることを認めると、ブラウン州知事が言明しました。

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ミシガン州では、コロナウイルスに伴う在宅措置に至るまでの数週間で、自転車店のビジネスが劇的に好転しました。人々のエクササイズの行動パターンが変わり、自転車の売上が大きく伸びたのです。バージニア州では、屋内で使うエアロバイクを貸し出すサービスも始まりました。

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この危機に対応しようとしているのは、自転車店ばかりではありません。もともと、自転車レーンの駐車違反を報告するための地図アプリは、このパンデミックで人々が必要とする食料品や必需品、トイレットペーパーや消毒液など、これらが売っている店を人々が発見するための機能を搭載しました。


開幕が延期されているメジャーリーグですが、大谷翔平選手が所属するロサンゼルス・エンゼルスは、新しいマネージャーであるジョー・マドンが、近所を30分間自転車で走るビデオを公開しました。野球に加えていろいろなことを喋っており、アメリカ人が野球に飢えている中で、魅力的なコンテンツとなっています。

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チャリティーイベントの開催は、コロナウイルスの大流行により、安全でなく軽率なものになってしまいました。しかし、ニュージャージー州で毎年4月に行われてきた、チャリティー・バイクライドは決行の予定です。個別に十分な距離をとって走行することで、むしろ安全なイベントに出来ると考えられているのです。

そのほか、自転車関連の企業が感染拡大に向けた取り組みを打ち出しています。ウェアなどスポーツ用品を製造するメーカーがマスクの製造に乗り出したり、メンテナンス用のケミカル製品の会社が消毒液の製造に乗り出すなどといった事例も報告されています。

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急速に感染者が増えるアメリカでは、その半分を占めるニューヨーク州をはじめ、各州で危機感が高まりつつあります。ロックダウンなどの対策がとられる一方で、リスクを避けるため自転車で移動したり、サイクリングで健康を保とうする市民も増えているようです。今後、ビジネスが再開されれば通勤などにも用いられるでしょう。

トランプ大統領は対策を進める一方で、なるべく早急にビジネスを再開させないと大不況や恐慌が起き、より多くの人を失うとも述べています。アメリカ経済が大不況に陥れば、世界に大きな影響が及ぶのは必至です。その意味でも、アメリカでの感染の勢いに歯止めがかかることを祈りたいものです。




◇ ◇ ◇

安倍首相が来年の夏までに開催としたのは自分の任期に合わせたとの見方があります。IOCも夏以外を容認するようですし、完全に終息していない可能性も考え、むしろ少しでも先、来年秋に延期すべきではないでしょうか。

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