March 29, 2020

自分の出来る範囲で協力する

東京でも外出自粛要請が出されました。


ここにきて急に感染者の判明が増えており、特に感染経路のわからない陽性患者の増えていることが懸念されています。小池知事は、感染爆発の懸念が高まる重大局面を迎えているとし、強い危機感を表明しています。周辺の県と併せて不要不急の外出自粛を強く求めています。

陽気とサクラに誘われ、街に人ごみが出来ている様子に、日本は危機感が無さすぎると、わざわざ海外の有力誌が警鐘を鳴らすほどの状態でしたが、さすがに今週末は、宴会どころか歩いての花見も自粛を促され、商業施設の臨時休業も相次ぎ、人出は明らかに減っているようです。

世界では、202の国と地域に感染が広がり、感染者は50万人を突破しました。多くの国で、感染拡大を食い止めようと躍起になっています。もはや世界中の人達が、多かれ少なかれ影響を受け、今年の初め頃には思いもよらなかった生活を送っている人も多いことでしょう。

イタリアやスペインなどの厳しい状況は連日報道されています。感染が急拡大したアメリカでは、すでに世界最多の感染者数となり、相次いで都市が封鎖されています。先週だけで失業申請をした人が、330万人と桁違いの過去最悪の人数になっています。しかし、そんな中でも人々は、なんとか生活を保とうと努力しています。

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ニューヨーク州のクオモ知事は、州内の重要でない事業すべてを無期限に閉鎖しなければならないと発表しました。多くの商店や施設が閉鎖を余儀なくされる中、ニューヨーク・クイーンズ、アストリア地区にあるバイクショップの店長、Carlos Romero さんも、店のスタッフに解雇は避けられないと話し始めていました。

店を閉める準備も出来ていました。しかし、当初含まれていなかった営業の続行許可リストに、一転して載ったことで、従業員の解雇を免れました。ほっとした一方で、責任を感じています。医療関係者や警察、消防関係者なども含めた、通勤に自転車での移動が必要な人のためにも、店を開け続ける覚悟です。

アーカンソー州のバイクショップの店長、Nickel Potter さんの店も、営業禁止を免れました。しかし営業を継続すれば、自分たちだけでなく、店内に人が集まることで、お客が感染するリスクも高めかねません。店内の消毒の徹底や、店内でお客が社会的な距離をとれるような工夫をこらしています。

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彼も、自転車はこの環境下で必要な移動手段であり、人々が運動をしたり、息抜きをしたりする重要なアイテムでもあると考えています。そして自転車店は、それを支えるインフラです。修理を予約制にして行列や混雑を避けるなど、スタッフとお客の感染リスクを下げるさまざまな工夫をしつつ営業を続けています。

オハイオ州のトレドで75年も続いている自転車ショップのオーナー、Jill Wersell さんも、このコロナ禍で、自転車店が必要不可欠とされるのは当然と考えています。その上で、とにかく店内の消毒を繰り返し、手を洗い、利用客が多く訪れた時に、6フィートの間隔がとれるよう、床にマークを貼るなど対策をしています。

レストランやバーにとっては、店を閉めれば売り上げがなくなり、死活問題です。そこで新たに宅配を始める店が増えています。ミズーリ州で、自転車によるフードデリバリーをしている、Alex Ward さんは、これまで以上に仕事をすることで、苦境に陥ったレストランなど店を助けたいと考えています。

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ブルックリンのクリントンヒル地区にあるバー、イジーローズのバーテンダー、Tom Roughton さんは、カクテルを自転車で届けることにしました。注文してくれる常連さんがいることもありがたいですが、常連さんたちも、気分を盛り上げるための何かを必要としていたようです。

カウンター越しのいつものようにはいきませんが、お酒を届けた際に顧客と会話も楽しみます。宅配用の新たなカクテルを作ったり、新しいメニューも考案しました。スーパーで買ってきたお酒に飽き足らず、顧客がわざわざ注文してくれるのは、家に閉じこもっている中で、誰かとのつながりを欲しているのだろうと感じています。

ニューヨーク州のシラキュースで、シェア自転車を管理している、Paul Colabufo さんは、レストランの店主が急遽宅配を始める際には、シェア自転車という手も使えることを知らせようとしています。わざわざバンなどを用意するより、自転車を借りるのは、手軽で敷居の低い手段であるのは間違いないでしょう。

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すぐに始められますし、ランニングコストも格安です。クルマとは違って、使用するたびに簡単に消毒できるのもメリットでしょう。もちろん電動アシスト付きです。保温用断熱素材でできたバックパックなども用意し、苦境にあるレストランオーナーたちを支援したいと考えています。

コロナウィルスが猛威をふるう中でも、いつもの日課を続ける人もいます。アイオワ州セダーラピッドに住む、 Clarence Boesenberg さん、なんと御年94歳です。彼がこの8年間続けてきた日課は、施設にいる妻に食事を届けることです。誰かに頼むのではなく、彼は自分で運びたいのです。

熱心なサイクリストである、Boesenberg さんは、寒い日でも1日45マイル走ります。高齢でコロナに感染すれば重症化するリスクがあるわけですが、人ごみに行くわけでもなく、バスやタクシーを使うわけでもないので、むしろ低リスクと考えています。心配する周囲には、健康とストレス解消のために自転車に乗るよう、逆に勧めています。

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ロンドンの医療機関に勤める、Laura Pujol さんは集中治療室で働く医師です。彼女は先週、通勤に使っていた自転車を盗まれました。そのことを発見したのは、13時間の勤務を終えた後です。彼女は、2歳の娘を託児所に預け、その後出勤するため、自転車が不可欠です。

自身が感染すれば、ただでさえ足りない医師が減ることになります。そこで地下鉄やタクシーを使うことを避けたいとも考え、自転車を使っていました。過酷な勤務の後、新鮮な空気を吸いながら自転車に乗るのは、唯一の息抜きの時間でもあります。その自転車を盗まれたことに戸惑っています。

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Pujol さんだけではありません。残念なことに医療従事者、医師や看護師らが通勤に使う自転車を盗まれる事例が、各地で発生しています。医療機関の駐輪場から盗まれる事例も出ています。よりによって、コロナとの闘いの最前線に立ち、非常に過酷な状況の中で働いている人たちの自転車を盗むなんて信じられません。

それでなくても自転車盗は腹の立つ犯罪ですが、このコロナ蔓延という非常時にも、盗む人がいるわけです。さらに、人々の命を救うため奮戦する医療従事者を狙うというのが許しがたいところです。ただ、こうしたニュースに接し、自転車を寄付する申し出る人が相次いでいるのが救われるところです。

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世界的感染拡大の中、多くの人がそれぞれ自分が出来るやり方で、コロナの感染を防ごうとしています。我慢を強いられることも多いでしょう。特効薬もワクチンも無い中、人々が接触を避け、これ以上感染させないようにするしか、闘う方法がないのも事実です。

ただ、中には危機感の薄い人がいるのも間違いありません。とくに若い世代は、重症化リスクが低いのをいいことに、集まって騒ぐなどして、各国で問題となっています。暇を持て余し、ストレスを発散したいのでしょうが、社会全体でコロナと闘おうとしている中、身勝手な行動と言わざるを得ません。

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濃厚接触して感染し、自身は無症状、発症しなかったとしても、ウイルスをばらまく形になる可能性があります。大多数が外出を自粛し、感染拡大を防ぐ行動をしていても、それが、わずかな数の人によって台無しになりかねません。イタリアでは、こうした人達に対し、知事や市長が激怒するのも無理はありません。



日本でも、危機感の薄い人がいます。若いので関係ないと思っているようですが、必ずしも重症化しないとは限らないようです。そのことを集中治療室にいながら動画で訴える人もいますし、フランスでは10代の女性が、咳が出始めて僅か7日後に亡くなった例も報告されています。

たとえ、自分が重症化しなかったとしても、感染の拡大に寄与してしまう可能性はあります。そのことによって、終息までが長引き、社会は大きなダメージを負って、経済的にも大打撃になります。リーマンショックを超え、大不況に陥る事態が現実になります。



そうなれば、若い世代であろうと少なからず影響を受けます。親や祖父母が亡くならなかったとしても、失業したり、所得が減ったりするかも知れません。社会の閉そく状態が続き、不便な生活は長引きます。今、皆が協力しているのですから、少し我慢して、少しでも早い終息を一緒に目指すべきではないでしょうか。

目に見えないため、実感がわかないこともあるのでしょう。しかし、まさに対岸の火事ではありません。いつ感染が拡大し、イタリアやスペインのようになっても不思議ではありません。ぜひ皆で、自分が出来る範囲で感染を防ぐ行動をしていきたいものです。




◇ ◇ ◇

日本でも、医療機関の人たちが最前線で奮闘されています。医療従事者にも感染が広がり、人手不足や物資も不足し始める中で頭が下がります。それを思えば、外出を自粛して家にいるくらいわけないことだと思いますね。

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