May 31, 2020

世界と日本ではいろいろ違う

少しずつ日常が戻り始めています。


全国で緊急事態宣言が解除されて徐々に経済活動が再開され、人出も増えつつあります。しかし、一方では、北九州市や東京などでも新たなクラスターが発生し、早くも第2波が懸念されています。さて、そんな折りですが、前回に続いて、もう少し自転車関連のニュースを取り上げておこうと思います。


自転車通勤の波くるか 新型コロナで需要増 好調の自転車業界 品薄のウワサは?

自転車通勤新型コロナウイルスの感染拡大を防止する新生活様式として、自転車通勤が国ぐるみで推奨されています。多くの業種で業績が低迷するなか、強気の見通しを示す自転車店もあります。

政府も自転車通勤を後押し

新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、需要の伸びが予想されるもののひとつが、自転車です。政府が打ち出した、いわゆる「新しい生活様式」のひとつとして、公共交通機関と自転車の併用が推奨されているなど、「密」を回避する移動手段として注目が集まっているようです。

一方で自転車については、新生活が始まる書き入れ時であるはずの春に、品薄の報道も多く見られました。中国などからの供給が途絶える、あるいは滞ってしまったためといわれますが、実際にはどうなのでしょうか。全国で自転車店「サイクルベースあさひ」を展開するあさひ(大阪市都島区)に聞きました。

――新型コロナウイルスの影響が顕在化して以降、自転車の売上は伸びているのでしょうか?

実際に新型コロナウイルスの影響がどれほど販売実績に影響しているかは数字上では判断はできませんが、3月度(2月21日から3月20日)の売上高は、もともと通勤や通学などの新生活に向けた自転車需要が高まる時期でもあり、前年比18.5%増だったものの、4月度(3月21日から4月20日)は前年比16%減でした。緊急事態宣言が全国に拡大され、外出自粛によりお客様がご来店いただけなかったためと思われます。

――品薄も聞かれますが、どうでしょうか?

5月以降、全体的な自転車の供給量は順調で、品薄な状況にはありません。おもな生産国である中国国内の各工場の稼働状態も元に戻りつつあります。ただ、キッズ用の自転車、一輪車、キックバイクなどに関しては、売れ行きは好調ではあるものの、全国的に品薄な状況が続いています。

というのも、小学校や幼稚園が臨時休校あるいは休園となり、お子様の運動不足やストレス解消のために購入される方が多いと思われるのですが、例年であれば、こうしたキッズ車は春の時期に売れる商材ではなかったこともあり、各メーカー含めて在庫量と生産量が少なくなっているためです。(後略 2020.05.29 乗りものニュース)


海外では自転車に乗る人が急増し、場所によっては売り切れが続出し、入手までかなりの期間がかかっていることは、何度も取り上げました。一方、日本では例年とあまり変わらず、特に自転車が売れているということはなさそうです。サプライチェーンの関係で、一時的、一部で供給が減っただけのようです。

首長などが対策として言及したりすることはありますが、国ぐるみで自転車通勤を推奨している認識も薄いと思います。もちろん、リスクを避ける方法として一部で使う人が増えてはいるものの、欧米のような大きなムーブメントにはなっていません。自転車も普通に手に入ります。

諸外国と違って、自治体が急遽、即席の自転車レーンを設置する動きもほとんど聞きませんし、これまでの利用の延長で、自転車に乗るケースが多少増えているということのようです。やはり相対的に鉄道網が発達している日本では、平均的な通勤距離が長く、職場までの自転車通勤は敷居が高いこともあるのでしょう。


「シェア自転車」で一石二鳥 中国版“新たな日常”へ

シェア自転車マスク姿の人が目立つ中国だが、道路は渋滞し、日常が戻りつつあるように見える。そんな人通りの多い広場に現れたのは、シェア自転車。

北京市当局とシェア自転車を運営する大手3社は、5月20日から、朝と夕方の通勤時間帯、最大30分までの利用を無料とするキャンペーンを始めた。

通常、30分の基本料金は、日本円にして20円余りだが、今回の措置で、時間内ならどれだけ使っても無料となった。この“タダチャリ”キャンペーン、理由はやはり、コロナ対策。シェア自転車運営会社「バスに乗る人も増えていて、感染が心配なら、このとても換気のいい自転車が、きっと問題を解決しますよ」

経済・社会活動の再開が本格化してきた中国。しかし、通勤のバス・地下鉄などで「密」が戻りつつある状況をなんとか改善したいのが、当局の本音。また、混雑する公共交通機関を避けてマイカー通勤する人も増えた結果、渋滞が急増しているのも悩みの種。その両方を解消しようと目をつけたのが、シェア自転車。

しかし、不特定多数の人が触れるシェア自転車。市民に抵抗はないか。北京市民「家に帰ったら、まず手を洗う。だからそんなにリスクはない」、「(自転車に乗るのが)増えた。地下鉄は人が多いから、近ければ自転車を選ぶ」運営する3社は、エリアを分担し、1日3回の消毒を行うなどして、安心をアピール。

シェア自転車は、もともと北京など都市部で普及が進んでおり、慣れ親しんだ便利さからか、気にする市民はあまりいないようだが、中には慎重な利用者もいて、あちらこちらでサドルをふく人の姿が。コロナ後の新たな日常の足として、手軽さと便利さのシェアは広がっていくのだろうか。(2020年5月28日 FNN)


中国では、コロナ対策に加えて、大気汚染が酷いこともあって、シェア自転車の無料キャンペーンが始まったようです。一時期の大ブームで過当競争と経営難に苦しんだシェア自転車業者だけでなく、北京市当局も加わっていることが注目されます。

日本でも、密を避けるため、市民に時差通勤やテレワークをお願いするだけでなく、こうしたシェア自転車の利用促進のような、具体策を実施してもいいのではないでしょうか。通勤はともかく、日中の電車やバスの混雑を緩和し、密を減らすことにもなると思います。


自転車保険の販売好調 コロナ予防に通勤切り替え

自転車保険の販売が好調だ。4月の新規加入者数は新型コロナウイルスの感染拡大前と比べ数倍に増えた。各地の地方自治体が条例で加入の義務化を進めたことや、感染予防のために通勤手段を公共交通機関から自転車に切り替える動きが背景にあるようだ。

警察庁によると、自転車が絡む事故は近年減少傾向にあるが、2019年には全国で8万473件発生している。コロナを機に久しぶりに自転車に乗るなど不慣れな利用者も多く、損害保険各社は自転車保険への加入を呼び掛けている。

損保ジャパンは無料通信アプリのLINE(ライン)を通じた4月の販売が1月と比べ、約9倍に伸びた。(2020年5月30日 福井新聞)


自転車保険の加入者は増えているようです。これはローカルニュースではなく、各地のメディアが報じているので、全国的な傾向と思われます。このコロナで乗り始めた人で、利用開始を機に加入する人も増えているのでしょう。選択肢も増え、手軽な価格のものが周知されるようになったこともありそうです。


大鳴門橋、下に自転車道? 「新幹線通るまで」地元検討

大鳴門橋兵庫県の淡路島と徳島県鳴門市を結ぶ全長約1.6キロメートルの大鳴門橋。よく見ると、上部の高速道に加え、下部にも空間を持つ2層構造だ。

両県はこの道路下空間に自転車道を整備できないか検討を始めた。大鳴門橋開通から今年で35年。そもそも、この空間は何のためにあるのか。なぜ活用案が浮上しているのか。

自転車道計画は兵庫県が2018年度から累計1億3千万円の予算を計上し、徳島県と一緒に検討してきた。橋を管理する本州四国連絡高速道路(神戸市)に委託した重量増加の影響調査を19年に公表。

道路下の未利用空間に幅4メートル(厚さ3センチ)のアスファルト舗装を施し、両端に高さ2.5メートルの防護柵を設けるなどと仮定。すると橋全体の耐風安定性に問題はなかった。今後はニーズ調査を進める。

なぜ遊歩道でなく、自転車道で結ぶのか。淡路島南端の南あわじ市に聞くと「四国の2市と連携したサイクリングツーリズムがきっかけです」(商工観光課)という。鳴門海峡を隔てる徳島県鳴門市と香川県東かがわ市の計3市は「ASAトライアングルサイクリングツーリズム」を16年から推進。自転車による地域振興を県などに訴えた。淡路交通(兵庫県洲本市)も淡路島と四国を結ぶ自転車輸送の支援を19年に始めている。

そもそも大鳴門橋に不要な下部空間をなぜ設けたのか。兵庫県高速道路推進室の鵜池泰一班長に尋ねると「新幹線を通せる鉄道併用橋だからです」と教えてくれた。兵庫県と徳島県を結ぶ神戸淡路鳴門自動車道の開通記念誌「夢の架け橋」を開くと、1973年の年表には「神戸・鳴門ルートは道路鉄道併用橋として着工決定」と確かにある。大阪―淡路―四国―大分を結ぶ壮大な計画だった。

しかし98年開通の明石海峡大橋は道路単独の橋だ。鉄道は通せない。四国新幹線の構想はついえたのだろうか。鵜池班長は「別ルートも検討できる。自転車道はあくまでも暫定利用だ」と強調する。

では四国新幹線の実現性はどのくらいか。国土交通省幹線鉄道課に聞くと「四国新幹線の基本計画はあるが、構想にとどまっている」。国は全国の幹線鉄道ネットワークを検討する費用を4年連続で盛り込んでいるが、四国地域での具体的な進展はない。

検討できる鉄道代替ルートはあるのか。交通計画に詳しい大阪産業大学の波床正敏教授に聞くと「明石海峡か紀淡海峡に新幹線が通れるトンネルか橋を通す」方法があるという。ただ国などによる紀淡海峡のルート調査は10年以上も実施されていないようだ。

鉄道を通す可能性が少しでも残るなら自転車道整備は新幹線誘致の足かせにならないか。波床教授は「どんなに早くても計画に数年以上、工事に10年くらいかかる。暫定的な活用は問題ない」と話す。

四国側の反応はどうか。経済界などでつくる四国新幹線整備促進期成会(2017年発足)は四国新幹線の実現を国に要望している。しかし実現性の高いルートとして挙げるのは岡山―香川を結ぶ瀬戸大橋ルートだという。四国経済連合会の石原俊輔特任理事は「瀬戸大橋は新幹線仕様で設計され、運行試験も実施した。宝の持ち腐れになっている」。海底トンネルを設ける鳴門ルートと比べ現実的だとする民間試算もある。

大鳴門橋の鉄道空間が当面使われない――ならば、活用しない手はないのだろう。すでに徳島県は一部の鉄道空間(約450メートル)を遊歩道「渦の道」に整備。00年以来、渦潮観賞の場所として人気だ。

淡路島でも1周約150キロメートルを自転車で走る通称「アワイチ」が近年好評だ。南あわじ市は自転車道整備で「アワイチから淡路島と四国、本州を結ぶ『セトイチ』を目指す」と話す。現実的な考えだと納得した。(2020/5/12 日本経済新聞)


大鳴門橋の自転車道構想については、これまでも断続的に何度も取り上げてきました。ただ、今回の報道も、橋の下部に新幹線を通す構想があること、そこを暫定利用で自転車道にしようと検討しているなど、以前から取り上げてきた報道と同じです。内容的に、特に新しいことはありません。

もし実現すれば、しまなみ海道に並ぶ、海上自転車道が誕生するだけでなく、両者を使って瀬戸内海を一周するようなコースも可能になります。しかし、今回の報道も取材した記者が納得したというだけで、特に計画に前進があったわけではありません。

時々、思い出したように報じられるのですが、依然として検討段階であり、何も進展していません。しかし、こういう報道が、時折繰り返されなければ、本当に立ち消えになってしまいますし、実現の機運が高まることもないでしょう。そう思うので、このブログでも、今回も取り上げておきたいと思います。


「なんで避けないの」歩道走るママチャリ、通行人と接触し激怒…悪いのはどっち?

歩行者優先「歩道で避けるべきは自転車じゃないのか!」。電動ママチャリにぶつけられた挙句、いちゃもんをつけられたという相談が弁護士ドットコムに寄せられました。

相談者の男性が歩道を歩いていると、子どもを乗せた母親の運転する電動自転車が正面から走ってきました。道幅は歩行者がやっとすれ違えるほどの狭さ。

自転車は歩道中央付近を歩く男性に構わずまっすぐ進み、男性の右ヒジと女性の右腕付近が接触しました。

女性は激高し、500メートルにわたって男性を追いかけてきて「おまえがわざと避けずにぶつかってきたんだ」と110番通報しました。

駆けつけた警察官らは、通報した女性の話を聞いたうえで、男性に「自転車を認知しているのに、避けないのは暴行罪にあたる」と伝えてきました。男性が「道路交通法上は自転車が停止すべきですよ」と自身の正当性を主張しても、聞き入れてもらえなかったそうです。

結局のところ、双方おとがめなしとして解散となりましたが、納得のいかない男性は今でも「歩道で避けるべきなのは自転車のほうだろ!」と考えています。

歩道ですれ違った歩行者と自転車、どちらに避ける義務があるのでしょう。警察官の言うように、避けない歩行者は暴行罪に問われる可能性があるのでしょうか。前島申長弁護士に聞きました。

●歩道では自転車が止まるか避けるべき

ーー歩道で歩行者と自転車がすれ違って接触があった場合、どちらに回避義務があるのでしょうか

自転車は軽車両であり、車両の一種にあたります。また、道路交通法では、車体の大きさ及び構造が政令で定める基準に適合する自転車を普通自転車と定義しています(道交法63条の3)。

街中でよく見かける電動ママチャリは、一般的には普通自転車に該当すると考えられます。道交法によると、自転車は、歩道と車道の区別のある道路では、車道を通行する必要があります。

ただし、普通自転車に関しては、車道又は道路の状況に照らして当該自転車の通行の安全を確保するために当該自転車が歩道を通行することがやむを得ないと認められる場合には歩道の通行が可能となります(道路交通法63条の4、1項)。

もっとも、かかる場合においても自転車は、歩道の中央から車道寄りの部分を徐行しなければならず、また自転車の進行が歩行者の通行を妨げることになる場合は、一時停止しなければなりません(同条2項)。

本件におきましても女性としては、男性を認識したのであれば、歩道の車道寄りに自転車を移動させるかもしくは一時停止して男性の歩行者が通りすぎるのを待つべきだったと考えられます。

ーー前方から進行してくる自転車を認識したうえで回避せず接触した場合、歩行者の暴行罪は成立するのでしょうか

一方、自転車を避けようとしなかった男性に暴行罪が成立するかですが、男性としては女性が停止すると考えている以上、不法な有形力を行使する意図が認められませんので暴行罪の故意を欠き、暴行罪は成立しないと考えられます。

仮に男性が暴行罪に問われるとすれば、男性が、女性を転倒させるような強い害意をもって意図的に自転車に体当たりをしていったような極めて例外的なケースに限られると思われます。(2020年5月18日 弁護士ドットコム)


ニュースではありませんが、気になる記事があったので取り上げておきます。ネット上では、一部で話題になっているようです。まず、この警察官の認識違いには甚だしいものがあります。例えていうならば、クルマと歩行者が接触してケガをしたら、歩行者のほうが器物損壊の罪になりますよと言うようなものです。

本当だとしたら、まずこの警察官を処分すべきでしょう。この警察官のような認識の人はいるかも知れませんが、警察官が言ってはいけません。まして暴行罪だと答えるなど論外でしょう。不勉強で詳しくなかったとしても、道交法の原則を考えれば、この答えは出ないと思います。

推測ですが、この警察官は、激昂した母親の勢いに気圧されたか、子育て中の母親のほうが、より保護されるべきと考えたのかも知れません。感情的にはわからないでもないですが、そんなことで判断するのは、やはり間違いです。現場で法を執行する警察官としては失格と言わざるを得ません。

このような母親は、実際に多いのではないでしょうか。つまり、子育て中の母親は、もっと世間から優しくされるべきであり、歩行者のほうが避けて道をあけるべきだと考える人です。子どもを乗せて、フラついて大変なのだから、そのくらい察しろとか、道をあけるのが当たり前だろという母親です。

もちろん、子育て中の母親には、基本的に親切にすべきだと思いますし、例えば電車で席を譲ったり、荷物を持つなど助けることに、やぶさかではありません。しかし、それと道交法の問題は別です。いくら子供を乗せていたとしても、歩行者と衝突すれば、ケガをするのは歩行者です。歩行者が優先なのは当然の話です。

子育て中の母親でなくても、歩道上で自転車が優先とでも思っているかのような人がいます。例えばベルを鳴らして歩行者をどかせようとする人などです。こうした根本的に間違えている人がいるから、歩道上での自転車と歩行者の事故、トラブルが絶えないのでしょう。

そもそも自転車が歩道走行すること自体、問題であり、諸悪の根源になっていることは再三書いています。現状で、歩道走行を認めるのは仕方ないとしても、せめて歩道での歩行者優先は徹底させる必要があります。まず警察官を再教育し、路上でも積極的に傍若無人な自転車のふるまいを諫めさせるべきだと思います。


自粛いらない自転車旅 おうちで「日本縦断」挑戦中

日本縦断新型コロナウイルスの感染拡大で世の中が外出自粛を続けるなか、気軽に北海道で自転車旅をしている東京の男性がいる。でも誤解しないで。旅を満喫しているのは仮想現実での中。でも、そのやり方は本格的。いざ、鹿児島をめざすという男性の部屋の中へ。

フィットネスバイク+ストリートビュー

東京都品川区のマンションの一室。モニターに向かってフィットネスバイクをこぐ男性がいる。IT会社員の岡田悠さん(32)。好きなときに走り、自由に行き先を変える。ユニークな試みのネット実況が人気を博している。旅の仕方はこうだ。

グーグル社が提供するウェブサービス「ストリートビュー」を活用する。岡田さんのフィットネスバイクに仕掛けがある。ペダルの回転数を「ストリートビュー」に連動させているのだ。電子工作に詳しい知人の協力を得て、短期間で作り上げた。

画面に表示される映像は、こいだ距離に応じて変わり、ウェブカメラに向けて手で合図すれば、好きな方向に「転進」できる。道沿いの景色を360度で映し出せる「ストリートビュー」の機能をいかんなく発揮させた。

岡田さんは仕事のかたわら、トラベルライターとして旅行記をウェブメディア「cakes」「オモコロ」などに寄稿してきた。これまでに70カ国を訪ね、長期休暇には欠かさず旅に出た。アメリカのシアトルからサンフランシスコまで自転車で旅した経験もあり、「野犬に追われて大変な目にあった」。

そんな岡田さんも巻き込まれた新型コロナ禍。3月1日に会社がリモートワークになり、自らの結婚式も中止に。自宅でのオンライン飲み会にも飽き足らなくなった岡田さんの旅心は募るばかりだった。4月も半ば、仮想旅行を思い立ったのは、「衝動的」だった。(後略 2020年5月10日 朝日新聞)


自宅でトレーナーを使い、バーチャルのロードレースなど楽しむ人は何度か取り上げましたが、Googleのストリートビューで日本縦断とはユニークです。レースではないので、マイペースでペダルをこげるでしょう。それでいて、退屈な室内トレーニングのモチベーションになります。こういうアプリがあっても良さそうです。


〈星野リゾート〉初の自転車を楽しむサイクリングホテル。

サイクリングホテル星野リゾートが手がけるサイクリングホテル〈星野リゾート BEB5土浦〉が、茨城県土浦市の体験型サイクリングリゾート〈PLAYatre TSUCHIURA〉内にオープンしました。

3月19日にソフトオープンした星野リゾート初のサイクリングホテル〈星野リゾート BEB5土浦〉は、自転車好きなら一度は訪れたいスポットだ。

星野リゾートがこれまで展開してきた「星のや」「リゾナーレ」「界」「OMO」に続き、5つ目のブランドとなる「BEB」シリーズ。

〈BEB5土浦〉は軽井沢に続く2軒目となり、国内最大級・日本初の駅直結サイクリング特化施設として星野リゾートならではの“輪泊”が楽しめる。ホテルがオープンするのは、JR土浦駅に直結するサイクリングリゾート〈PLAYatre TSUCHIURA〉内。自転車と一緒にチェックインとチェックアウトができる「サイクルイン・サイクルアウト」や、自転車と一緒に練り歩いてもストレスがないゆとりのある設計が特徴だ。

〈PLAYatre TSUCHIURA〉は全長180kmのサイクリングコース「つくば霞ヶ浦りんりんロード」のスタート地点として、2018年にオープンしたサイクリングを楽しむ人のベースキャンプ。その3〜5階が〈星野リゾート BEB5土浦〉となっている。

サイクリングホテルサイクリングホテル

日本百名山のひとつである筑波山や、日本で2番目に大きな湖である霞ヶ浦、世界一大きなブロンズ立像の牛久大仏などサイクリングを楽しむ人にはぴったりの茨城県。全長約180kmの「つくば霞ヶ浦りんりんロード」をはじめ、自転車に優しい地域づくりが盛り上がりを見せている。

いろいろな自転車をレンタルできるスポットも多く、初心者でもレベルの心配は無用。土浦駅直結の〈星野リゾート BEB5土浦〉は思い立ったらすぐに行けるリゾートとして、この夏の気分転換にぴったりだ。(May 18, 2020 Casa )


コロナで観光業、宿泊業などが大きな打撃を受けています。宣言解除後も、そう簡単には戻らないでしょう。インバウンドもほぼゼロに近くなっており、増える目途はたっていません。国内の観光客は、少しずつ戻るとしても、従来のようなスタイルに戻るとは限りません。

つまり、密になるような行動を伴う観光です。その点、サイクリングが目的ならば比較的リスクが低いと判断される可能性は高いでしょう。特にサイクリスト向けでなく、今まで特に周辺のサイクリングコースを前面に出していなかったホテルでも、これからは、サイクリングで売ることを考えてみてもいいのかも知れません。


日本最年少2歳3カ月で自転車 黒部の男の子「記録更新」

記録更新黒部市植木の山崎大翔(ひろと)ちゃんは今月2日、2歳3カ月で、補助輪なしの自転車に乗れるようになった。さまざまな分野の日本一を認定して掲載するサイト「日本一ネット」で、「自転車運転の日本最年少」として紹介されている。

母親の絵里加さん(33)によると、大翔ちゃんは1歳半からペダルがない自転車「ランニングバイク」で遊んでいた。兄の晴翔(はると)ちゃん(4)が自転車を楽しむ様子を見て、大翔ちゃんも乗りたがったことから、三輪車でペダルをこぐ練習をした上で、補助輪なしの自転車に乗せてみることにした。

すると、今月2日の初めての挑戦で、足は地面に届かないものの、難なく乗りこなした。「びっくりした」と絵里加さん。「日本一ネット」で調べると、自転車運転の日本最年少は2歳8カ月とされていたため、自転車に乗る大翔ちゃんの写真を送るなど記録更新を申請したところ、事務局に認定された。

兄弟は、晴れの日は毎日のように近所の公園などで自転車に乗って遊ぶ。自転車をこぐのは「楽しい」と言う大翔ちゃん。兄の晴翔ちゃんは今月、父の和也さん(34)と共に自転車でハーフマラソンの距離を走破した。絵里加さんは2人の息子を見守りながら「これからも何でも挑戦してほしい」と話した。(2020.05.20 北日本新聞)


「自転車運転の日本最年少」という記録があったとは知りませんでした。でも、言われてみれば2歳3カ月というのは、相当早い気がします。一般的に、まだ歩くのも覚束ないと思われる年齢ですが、もしかしたら、むしろ自転車のほうが歩くよりも簡単なのかも知れません。


ウーバーが数千台のレンタル自転車を「廃棄処分」で非難殺到

ウーバーウーバーは同社の傘下の電動自転車シェアリング企業「Jump」が保有していた、数千台の自転車やスクーターを廃棄処分にしたことで強い非難を浴びている。

ウーバーは5月初旬に、Jumpのビジネスをこの分野の競合のLimeに譲渡したが、事業を移管する過程で不要になったJumpの車両を処分した。

しかし、新型コロナウイルスのパンデミック以降、公共交通に代わる移動手段として電動自転車やスクーターの重要性は高まっており、まだ使える車両を寄付するのではなく、鉄クズにするというスタンスが批判を浴びている。

ウーバーは5月27日、全米各地から回収したJumpのロゴ入りの電動自転車や電動スクーターを金属リサイクル工場に送り、車両の電子部品も適切に処分したと述べた。

フロリダ州の起業家のCris Moffittは先週、Jumpの赤いロゴ入りの数千台の自転車がスクラップ処理場に送られた動画をツイッターに投稿していた。「もっとましなやり方があったはずだ」と彼は述べた。

ウーバーは2018年4月にJumpを買収したが、その後さらにLimeにも出資を行っていた。5月初旬にLimeは、ウーバーの主導により1億7000万ドル(約180億円)の資金調達を実施した。出資にはアルファベットの投資部門であるGV(旧グーグルベンチャーズ)も参加した。

この取り引きの一貫でウーバーはLimeにJumpの事業を吸収させており、比較的新しい車両はLimeが引き継いた。ウーバーはその残りの車両を「責任を持ってリサイクル処分した」と主張している。

ウーバーはNBCニュース宛ての声明で「当社は残りの旧式の車両について寄付することも検討したが、修理の必要性や車体の信頼性、安全面での課題など、様々な事情を考慮した結果、責任を持ってリサイクル処分するのが妥当だと判断した」と述べた。

Jumpの元従業員のRudi Rietは、スクラップ処理場に送られた自転車の動画にコメントし、「これはJumpで働いていた人たちに対する侮辱としか思えない。ウーバーは恥を知るべきだ!」と述べた。

シェア自転車の有効性を訴える非営利団体のBike Share Museumも公式サイトで「ウーバーはまたしても人々の期待を裏切り、環境にダメージを与え、マイクロモビリティを推進する人々を失望させた」と述べた。

「ウーバーはパンデミック以降に、自転車が人々の暮らしに欠かせないツールとなる中で、2万台もの車両をスクラップにした。多くの人々が経済的苦境にあえいでおり、これらの車両は日常の足として有効活用できたはずだ」

人々は混雑した公共交通機関を避ける傾向にあり、全米の各州で自転車の売上は伸びている。(2020/05/29 Forbes)


またウーバーが問題になっています。前回も、日本のウーバイーツの問題を取り上げましたが、海外では、これまでも大小の問題、不祥事、社会から批難される出来事は数知れません。もう創立11年も経っているのですし、世界に展開する大企業です。何か根本的にガバナンスが効いていないと思わざるを得ません。

このご時世に、環境を考えない行動をすれば批難されるのは必至です。それにより会社のイメージだって傷つくでしょう。なぜ常識的な判断が出来ないのか、ここまでイメージダウンを招くような行為、不祥事が多いのか不思議なくらいです。企業体質なのでしょうか。


自転車競技インド代表入りか 負傷の父を1200キロ搬送の少女

1200キロ搬送ニューデリー近郊から東部ビハール州の故郷まで約1200キロ、負傷した父を自転車で搬送したインドの少女が、自転車競技インド代表入りのテストに誘われている。

競技連盟の会長は「父を後ろに乗せ7日間で走破した。耐久力という点で彼女には何かがある。ぜひ試してみたい」と述べている。

少女ジョティ・クマリさん(15)の父は三輪タクシーの運転手だった。モディ政権が3月に導入した新型コロナウイルス対策の「全土封鎖」で失業。今月16日に故郷の村へ帰り着いた。

インド各紙に走破が報じられ、連盟の目に留まった。会長は「勉強を続けたいとジョティさんは言っているが、選手養成校でも勉強はできるよう配慮する」と呼び掛けている。(2020年05月23日 時事通信)


1200キロ搬送1200キロを7日間、一日170キロの道のりです。当然ながら高低差もあるでしょうし、インドですから、都市部でも未舗装の悪路が多く、それを思えば尋常ではない距離です。しかも、高性能とはとても思えない質素な自転車、ケガした父親を乗せてです。自転車競技連盟の会長でなくても驚く、信じられない脚力です。

以前、インドの3歳の子どもがハーフマラソンを2時間で走破し、4歳でフルマラソン完走48回という話を目にしたことがありますが、インドにはまだまだスゴイ子どもがいそうです。人口が多いというだけではなく、何かとんでもない素質を持つ子どもが埋もれていそうな気がします。


自転車利用をアピールする「#GoByBike」キャンペーン トレックが全世界で呼びかけ

#GoByBikeトレックが5月19日、インスタグラムのハッシュタグを用いた「#GoByBike」キャンペーンを開始した。ロックダウンや外出自粛によりもたらされた地球環境改善を、コロナウイルス収束後も自転車を利用することで継続しようと呼びかけるものだ。

キャンペーンは全世界のサイクリスト、トレックユーザー以外も含めた全てのサイクリストに参加を呼びかけるもの。週1回、自転車を使って移動し、ライド中に撮影した写真をインスタグラムで「#GoByBike」のハッシュタグを付けて投稿することで、この運動に参加ができる。スポーツとしての自転車だけでなく、買い物、通勤通学など、あらゆる目的での自転車利用をアピールする。他の人をタグ付けし、参加を募ることも呼びかけている。

今回の運動は、コロナ禍を受け、世界中の国々や地域でロックダウンや外出の自粛が行われたことにより、地球環境に改善がみられたことがきっかけで呼びかけられたもの。車での移動が激減し、日常的な移動でクロスバイクやe-BIKEを使い始める人が増加した結果、アメリカ北東部上空の大気中の窒素酸化物は30%も減少したという。世界的で大規模な活動を行うことができれば、わずか2カ月程度で大気汚染は大幅に改善することがコロナ禍をきっかけとして分かったのだ。

#GoByBike

コロナウイルスが収束した後も環境に負荷を与えず、自転車を活用し、地球環境の改善を全世界のサイクリストとともに行う?トレック本社のジョン・バーク社長は「トレック史上最大のブランドキャンペーンとなる」と話し、メーカーとして力を入れるべき運動だと位置づけている。(2020/05/19 サンスポ)


トレックが“#GoByBike”というキャンペーンを始めました。海外では、自転車に乗る人が急増し、通勤や運動に使い始めるという大きなムーブメントが起きています。同時に、ロックダウンで酷い大気汚染が消え、温暖化ガスが、17%とか25%といったレベルで減少したことが観測されています。



ヨーロッパ各国では、これを機に自転車の利用を推進しようと、さまざまな施策を打ち出していますし、まさに地球規模で自転車へのシフトを呼びかけるに相応しいタイミングと言えるでしょう。ただ、日本では小泉環境大臣の影は薄いですし、一般にも全く話題に上らないだろうことが残念です。











◇ ◇ ◇

「#政権批判は誹謗中傷でない」というハッシュタグがトレンドになっています。政治家個人に対してであっても批判するのは政治の基本的な部分であり、著名人への誹謗中傷とは全く違います。こんな当たり前のことを主張しなければならないのは、モリカケ桜に黒川と続く安倍政権の横暴ぶり、隠ぺい体質、責任を認めるも責任をとらない態度、驕りから、政権批判を封じ込めるような規制を平気でやりかねないと国民に見られているのでしょうね。

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この記事へのコメント
cycleroadさん,こんばんは.

今回の記事では子連れママチャリと歩行者とのトラブルの件に強く関心を惹かれました.

この問題に関しては当方のLivedoorブログでも取り上げておりますが,パトロールと称して歩道上を当然の如く自転車で乗り歩く警察官もおりますし,ましてその警察官の対応は問題外と言わざるを得ませんね.

自転車は歩道の車道寄りを通れと言うなら,初めからそこを車道と同一仕様の専用レーンに設定すれば良かった筈なのですが,何故それができないのか常々非常に疑問に思っております.用地が無いとかいう口実は通用しない事は明白です.
Posted by マイロネフ at May 31, 2020 21:52
こんにちは。
私は電動アシスト車は一般自転車から除外すべきだと思っています。
また、警察官は道交法を勉強していませんから教育すべきだということを山形県警に直訴しております。

警察官の本来の仕事は危険な場所を未然に改善する、または、市民からの危険情報を素直に聞き実施することだと思います。

兎に角、日本と言う国は自転車をなめてかかっています。
山形では「自転車は歩道」が常識であり、「危険だと思ったら歩道を走っていいんですよ。」という道交法の抜け道を積極的にアピールしてきます。

国土交通省も最悪ですよ。「国道は自転車が走行することを想定されていない。」とはっきり言いますから。

ヨーロッパの話をすると、「ここはヨーロッパではない。」と平気で言います。こういう人たちが税金で食べていると思うと許せない気持ちになります。
Posted by 輪行菩薩 at June 02, 2020 11:49
マイロネフさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
たしかに、日本で自転車のルールが守られない混沌とした状況は、まさに警察官の対応のナンセンスさが表していると言えそうです。
50年前に、歩道走行を決めた時は、あくまでも緊急避難措置とされていたと言います。暫定措置なので、当然ながら歩道のままでいいと考えたのでしょう。
それがズルズルと伸び、やがて役人の意識も自転車は歩道走行となってしまい、歩道上に通行帯を作るようなナンセンスなことも常態化してしまったということでしょうね。
Posted by cycleroad at June 03, 2020 16:41
輪行菩薩さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
このブログでも過去に何度も取り上げましたが、国土交通省と警察庁は、2015年に、それれまでの自転車の歩道走行という方針を大転換し、原則車道走行にすると表明しました。
当時は、それなりに話題になりましたが、末端までは行き届いていないこともあるのでしょう。
あまりに長い間、歩道走行で来てしまったため、意識としても抜けきれない人が多いに違いありません。
本来は、方針転換の最前線に立つべき警察官や国土交通省の役人に全く徹底されていないのですから、一般の人に浸透するはずがありません。
この点では、暗澹たる気持ちになりますね。
Posted by cycleroad at June 03, 2020 16:48
 
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