June 18, 2020

優しくサポートできる自転車

自転車には、たくさんの種類があります。


自転車に乗る目的、乗る場所、乗り方、乗る人数などに応じて、さまざまなタイプが用意されています。道路を走るならロードバイクが向いていますし、野山を走るならマウンテンバイクです。雪道でも滑りにくいファットバイク、荷物を運ぶならカーゴバイク、2人乗りのタンデムバイクなどもあります。

クロスバイクやBMX、折りたためるフォールディングバイクに乗っている人もあるでしょう。あまり街で見かけることはありませんが、三輪のトライク、リカンベント、ハンドサイクル、ベロモービルなんて自転車もあります。さらに特殊なものあって、数え切れないほどの種類に分かれています。

個人の身体的な事情によって、自転車の種類を選ぶこともあるでしょう。一般的な二輪の自転車、普通の市販の自転車だと、乗るのが難しい人もいます。でも、種類によっては問題なく乗ることが出来て、ほかの人と一緒にサイクリングを楽しむことが出来る場合があります。

パラリンピック自転車競技パラリンピック自転車競技

パラリンピックの自転車競技を考えるとわかりやすいかも知れません。競技にはトラックとロードがありますが、障害の種類に応じてクラスが分かれており、使われる自転車もそれぞれ違います。例えば、下肢切断や麻痺など、下肢に重度の障害がある場合は、手でこぐハンドサイクルが使われます。

体幹の障害や脳性麻痺などでバランスがとれない場合に使われるのは、3輪のトライクです。視覚障害がある場合には2人乗りのタンデム自転車が使われ、健常者とコンビを組んで走ります。もちろん、切断や麻痺など四肢の障害でも、義足などを装着し、通常の二輪の自転車が使われるクラスもあります。

パラリンピック自転車競技パラリンピック自転車競技

さまざまなタイプがあることで、障害のある人でも自転車に乗ることが出来るわけです。介助する人がいるならば、タンデムバイクを使うことでサイクリングを楽しめる人も増えるでしょう。日本でも最近は規制が緩和される方向にあり、一般の公道でも走れる場所が増えてきました。

以前は、都道府県ごとに規制で公道を走れなかったりしましたが、かなり改善されてきました。各地の社会福祉法人などがタンデムバイクの体験会などを開催するなど、利用が広がっています。これまで難かしかったサイクリングが楽しめるようになり、視覚障害のある人の福音となっています。


2人乗り「タンデム自転車」解禁 宇都宮で体験講習/栃木

視覚障害者もサイクリングを 香南市でタンデム自転車の講習会/高知

2人乗り自転車、楽しさ倍 道内公道走行4月解禁 視覚障害者、観光利用に期待/北海道

タンデム自転車、公道走行解禁へ 岡山県警、4月から県内全域で/岡山

タンデム自転車、解禁 障害者「60年ぶりに風」/茨城

タンデム自転車、解禁 - 2人乗り走行可能に/県内できょうから/奈良

※こちらに挙げたのは一部の最近の例で、解禁された都道府県は他にもたくさんあります。


タンデム自転車タンデム自転車

ただ、タンデムバイクであっても乗るのが難しい人もいます。知的障害や発達障害、自閉症スペクトラム障害などを持つ人の中には、突然、常同行動を起こしたり、パニック状態になったりする、強度行動障害などの症状を伴う人がいます。

道を歩いていても、突然車道に飛び出したりしかねないため、常に手をつなぐなど、注意する必要があったりします。そうなると、タンデムバイクの後ろの席に乗せるのは、目が届かず、対応も出来ないため困難でしょう。もちろん、前の席に乗せるのも危険で難しいということになります。

HUGBIKEHUGBIKE

HUGBIKEHUGBIKE

そんな障害を持つ人でも、介助者がいればサイクリングを楽しめる自転車が登場しました。新しい発想のタンデムバイク、その名も“HUGBIKE”です。ハンドルが長くなっており、後の人がハンドルを握ります。前の人を腕で抱え込むように、それこそハグするかのようにサポートしながら乗ることが出来ます。

介助者は自分の前にいるので安心です。後ろの席からハンドル操作やブレーキが使え、イザという時にはすぐに止まることが出来ます。ハンドルと腕で囲むようになるため、突然動いたりしてもサポートできます。落ちたりしないように支えることも出来るでしょう。



HUGBIKEHUGBIKE

HUGBIKEHUGBIKE

タンデムバイクと言うと、前に乗る人がハンドルを握るものでした。ハンドルを伸ばしただけですが、後ろに乗る人がハンドルを握るというのは画期的です。簡単な工夫ですが、優れたアイディアと言えると思います。もちろん、前の人用にペダルもハンドルもついていますから、サイクリングを満喫することが出来るでしょう。

この“HUGBIKE”、イタリアの非営利団体、“Fundation Oltre il Labirinto onlus”がプロジェクトに協力しており、組み立てにも障害を持つ人たちが携わっています。開発の目的だけでなく、その製造プロセスもエシカル(倫理的)な自転車としてプロデュースされているのです。

HUGBIKEHUGBIKE

HUGBIKEHUGBIKE

見た目にも普通のタンデムバイクのように見えて、違和感はありません。パッと見ただけでは気づかないかも知れません。突然の行動を抑止するため、乗車装置に縛り付けるような発想ではありません。優しく包み込んで、ハグするというスタイルは、高く評価できるのではないでしょうか。

広い意味で、タンデムバイクに含まれますが、従来のものとは明らかに違います。また一つ、新しい種類の自転車が生まれたことになります。自転車は自分に合わせてセッティングして乗るものですが、10人の人がいたら10種類の自転車があっていいわけで、まだまだ新しいタイプが開発され、自転車の種類は増えていきそうです。








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明日にも承認される唾液による抗原検査は15分程で判明するそうです。さっと調べて問題なければ安心して飲めるなんて形になれば、居酒屋などの苦境も救われるでしょう。なんとか大量生産して安くならないものでしょうか。

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