July 15, 2020

予想外の出来事が普及の転機

コロナが、いろいろなものを変えています。


新型コロナウイルスによるパンデミックなんて、今年の初め頃は、世界中のほとんどの人が想像もしていなかったわけですが、この突然の出来事は、オーバーシュートやロックダウンを通して、私たちの日常を大きく変えました。依然として世界全体では感染拡大が続いています。

変化はいろいろありますが、例えばテレワークが突然普及しました。日本でも一時期、電車で通勤する人が激減しましたが、その前は、満員電車による通勤苦を解消するため、電車と駅のホームの両方を2階建てにするなんてアイディアが取り沙汰されていたのですから、否応なく対応させられた形です。

CityQ緊急事態宣言が解除され、再び通勤する人が増えましたが、ここへ来て感染者が増加傾向にあるため、またテレワークに戻す動きもあるようです。これを機会に全面的、あるいは大幅にテレワークに移行し、元に戻さないという企業も増えつつあると言います。

テレワーク関連製品を扱う企業は、テレワークの普及には十年単位の時間がかかると予測していたそうですが、コロナ禍によって一挙に普及したことに驚いています。世界的な傾向でもあり、コロナが収束しても、わざわざ移動して会議しなくなるなど、人々の移動は大きく変わると見ています。

飲食店の営業自粛や、外食の敬遠傾向を受けて、テイクアウトやフードデリバリー、宅配代行も急拡大しました。メインのライドシェアがコロナで低迷したウーバーは、逆に大きくニーズの伸びたウーバイーツに、力を入れています。求人が拡大し、失業した人の受け入れ先にもなっています。

公共交通機関から自転車へのシフトもその一つでしょう。日本では、少し増えた程度ですが、これまでも再三取り上げたように、世界では大きなトレンドになっています。世界各国で自転車需要が急増して在庫が払底、かなり先まで手に入らない事態となっています。

日本では見られませんが、世界各地で即席の自転車レーンが多数誕生しました。クルマの通行量が減ったぶん、車線を自転車用に振り替えた事例も少なくありません。都市部での渋滞や大気汚染対策、環境負荷軽減のため、これを好機としてクルマの都市への流入を抑制し、自転車レーンを恒久化する動きも広がっています。

ただ、自転車を利用し始めて困るのは、やはり天候でしょう。運動のために乗るなら、出かけなければ済みますが、通勤や日常の移動に利用している場合は困ることになります。出来れば、雨がっぱを着て乗るのは敬遠したいという人は多いでしょう。

CityQCityQ

CityQCityQ

でも、雨がっぱ以外にも解決策があります。クルマと同じようなキャビンを持った自転車、ベロモービルです。車体が大きくて重い、価格が高い、保管や駐輪に困るなど、デメリットも多いですが、雨に濡れずに移動できるというメリットは大きいものがあります。

このブログでは、過去にいろいろなベロモービルを取り上げてきました。一部には日常的に乗るマニアの人もいますし、中には通勤に使っている人もいますが、やはり限られています。日本では、見たこともない人が多いでしょうし、どうしてもマニアック、かなりニッチな自転車と言わざるを得ません。

しかし、ここへ来て、ベロモービル市場を開拓しようとする製品も出てきました。そのうちの一つが、スウェーデンのメーカーが開発した、“CityQ”です。ベロモービルではなく、“Car-eBike”と呼んでいます。一般にはベロモービルより、クルマのような、eBike、のほうがわかりやすいかも知れません。

CityQCityQ

CityQCityQ

なかなかスタイリッシュなデザインです。ベロモービルと言うと、空気抵抗を減らすため、リカンベントをベースにした前方の見にくい、一般の人には乗りにくいタイプが思い浮かびます。しかし、この、“CityQ”はクルマに似た4輪で、見るからに乗りやすそうです。

依然として価格や保管・駐輪の問題などがネックとなるため、万人向けとは言えません。しかし、これなら乗ってみたいと思う人も出てきそうです。雨でも濡れずに乗りたい人には、有力な選択肢になるのではないでしょうか。幅も87センチ、重量も70キロとコンパクトです。

下の動画にあるように、ペダルをこぐ電動アシスト自転車です。最高出力250Wのモーターを搭載し、最大で時速25キロまでアシストします。前後に2人乗れて、荷物を載せるスペースもあります。一回の充電で走れる航続距離は70〜100キロと日常の移動には十分でしょう。





技術的には、同じ大きさでフル電動のモビリティも製作可能だとは思いますが、クルマにするより電動アシスト自転車のほうが便利なことも多いはずです。国にもよりますが、免許や車検、道交法上の位置付けなどから、クルマよりも手軽に使えるケースは多いと思います。

都市によっては、クルマで移動するより便利ということもあるでしょう。普通の自転車より多くの荷物、大きな荷物も運べます。日本では見ませんが、ヨーロッパでは近年、電動アシストのカーゴバイクが普及してきているため、3輪や4輪にそれほど違和感のない人も多く、乗り換えの敷居も低そうです。

車体幅が狭いため、道路スペースの有効活用にもつながります。都市を移動するクルマの平均乗車人数は、1人ちょっとと言われています。クルマ1車線で、ベロモービル用に2車線とれます。スピードは出ませんが、都市での渋滞を考えれば、平均速度はあまり違わないのではないでしょうか。

CityQCityQ

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今回のコロナ禍で、ロックダウンが行われ、クルマの交通量が大幅に減った結果、大気汚染が大幅に低減し、空気がきれいになったことを実感する都市も多かったようです。元の渋滞や大気汚染で健康が脅かされる状態には戻りたくないと思った人も多いと言われています。

自転車に乗る人も増えたわけですが、そうした人の中に、さらに雨でも乗れる、“Car-eBike”に触手を伸ばす人が出てきてもおかしくありません。充電池や素材、加工技術などの進歩により、これまでより質が高く、相対的に価格が下がってきたことも、追い風と言えるでしょう。

欧米では、もともと環境への意識の高い人が多い上、コロナで自転車人口が増えたため、いわば潜在的な市場が拡大していることも好環境です。クルマの車線を転用したり、即席あるいは恒久的な自転車レーンが増え、自転車に乗るインフラが充実する傾向にあることも、普及を後押しする可能性があります。

CityQCityQ

CityQCityQ

この“CityQ”は、このたび注文受付を開始し、来年の納車を予定しています。もちろん、コロナの蔓延を受けて開発を開始したわけではありませんが、結果としてコロナによって、より関心を持ってもらえるタイミングで、予約がスタート出来たということになりそうです。

果たして、どれくらい売れるかはわかりません。しかし、テレワークや宅配代行のように、大きく伸びる可能性も無いとは言えないでしょう。これまで、どうしてもメジャーになりえなかったベロモービルですが、もしかしたら、このコロナが転機となるかも知れません。





◇ ◇ ◇

コロナ治療に協力した結果、大赤字になる病院や、ボーナスも出ずに疲弊して辞める医療従事者が出ています。放置すれば医療体制が危機に陥ります。GOTOキャンペーンは時期尚早、こちらが先なのではないでしょうか。

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この記事へのコメント
こんばんは。
世界中があらゆる転換期に来ていますね。
私が注目したのはハンドルバーですよ。
近い将来、私が提案したブルホーンバーの時代が来るかもしれません
Posted by 輪行菩薩 at July 16, 2020 02:40
輪行菩薩さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
予想もしていなかった突然の転換のチャンスということでしょうね。
変わるとは思っていなかった、思いがけない変化が起きるかも知れません。
Posted by cycleroad at July 18, 2020 13:56
 
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