October 10, 2020

自転車から何が減らせるのか

新しいことに挑戦する人は常にいます。


半導体技術や素材、加工技術等の革新を受け、今までにない自転車用品なども誕生しています。しかし、自転車関連用品ならともかく、自転車本体となると、部分的な改良は別として、長いこと基本的な形は変わっていません。いわば熟成した製品であり、自転車の革新は簡単なことではないでしょう。

Reevo Reevo

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そんな中で、今回取り上げるのは、“Reevo”、ハブレスのe-bikeです。すぐに目が行きますが、タイヤにハブもスポークもありません。それだけで斬新な印象を受けます。当然ながら、スプロケット、ディレーラー、チェーンなど、従来型のドライブトレインもありません。

クランクから直接ホイールに力が伝わります。チェーンがなく、駆動部分も覆われているので注油などの必要もなく、基本的にメンテナンスフリーです。面倒なメンテナンス作業をしなくて済むという点がメリットと言えるでしょう。スポークもないので、ホイールの振れ取りなど、やりたくても出来ません(笑)。

Reevo Reevo

もう一つ特徴的なのは、指紋認証によるロックを採用しており、ロックを解除しないと動かないことです。ロックは駆動部の中にあるので、チェーンカッターなどで物理的に破壊することは出来ません。このことで従来型のロックは不要、事実上の盗難防止になっていると主張しています。

持ち上げて運べば持ち去ることは出来るでしょうが、指紋認証ロックを解除しない限り走れず、ロックを破壊すると走れなくなってしまうので、盗んでも仕方ないということでしょう。U字錠などだと、キーを落としたり、忘れたりするといったトラブルも起こりえますが、そうした心配とも無縁です。

Reevo Reevo

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駐輪してその場を離れた時、自転車が動かされたりすると、モーションセンサーで手元のスマホに通報してくれるシステムも搭載しています。もし盗まれるなどした場合には、GPSの位置情報を使った追跡機能も備えています。実際に盗まれないかはともかく、何重ものセキュリティ対策がなされています。

ロックやGPSトラッキングなどはスマホアプリを通して管理します。走行中はデジタルダッシュボード、サイコンのような使い方も出来ます。前後のLEDライトはホイール部分に組み込まれており、周囲が暗くなったら自動で点灯します。さらにブレーキランプやターンシグナルとしても機能します。

Reevo Reevo

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キックスタンドも本体に組み込まれたような形になっており、駐輪時以外に邪魔になりません。バッテリーはダウンチューブ部に組み込まれ、取り外し可能なので持ち帰って充電できます。本来ならハブとスポークがある部分には何も無いので、専用のバッグなどでストレージとして使えます。

アメリカ仕では750Wのモーターを搭載し、電動アシストとしてだけでなく、スロットルを開くだけ、ペダルをこがなくてもモーターだけで走る、e-bike モードもあります。最高速は時速約40キロです。EU仕様だと、250Wのモーターで電動アシストのみ、最高速は時速25キロとなっています。

Reevo Reevo

なかなかチャレンジングなモデルであることは間違いないでしょう。乗ってみたわけではないので、性能や乗り心地はわかりませんが、ハブレスというだけで斬新です。メンテナンスフリーは、ふだんの移動にしか使わない人には便利でしょうし、指紋認証によるロックというのも新しい点です。

実は、この“Reevo”、以前から欧米のメディアで取り上げられており、クラウドファンディングサイトでも公開開始が予告されていたので、私も知っていました。始まったら取り上げようと考えていましたが、ついに今週資金調達を兼ねた予約販売が始まりました。

Reevo Reevo

まだ3日ほどしか経っていませんが、すでに目標の12倍を超える申し込みがあり、なお増え続けています。今なら、定価の4割引き、2千ドルで買えるとは言え、快調な出だしです。価格をどう感じるかは人によると思いますが、この斬新なフォルムで電動アシストなら、それなりにリーズナブルと感じる人もあるでしょう。

多くの人は、ハブレスの自転車など見たことがないでしょうし、その他の機能も含めて未来的なイメージです。関心が高まるのも無理はないのかも知れません。ハブもスポークもチェーンもないというだけでも、これまでの自転車の常識を覆す挑戦的な製品なのは確かでしょう。( ↓ 下の動画も参照。)



ただ、ハブレス自転車自体はかなり昔、一説には50年以上前からあったコンセプトです。私もこれまでにいくつか見たことがありますし、このブログでも取り上げました。必ずしも新しいアイディアではありません。これまで何度となく企画され、試作され、製品化されたにも関わらず、一般には普及しませんでした。

そのどれにも乗ったことがないのでわかりませんが、おそらく効率が悪い、性能的に問題がある、見た目は斬新だけどハブレスにするメリットが無いといった理由で普及せず、自転車の1つのスタイルとしても確立しなかったのだろうと考えていました。

Reevo Reevo

もちろん、技術革新は日進月歩であり、この“Reevo”によって、ハブレスが一般的になるかも知れません。これまでとは違い、電動アシスト、あるいは電動自転車、e-bikeとして構成されたことにより、多少の効率の悪さは問題にならないであろうことも有利に働く可能性があります。

もし、ハブレスの駆動装置が高効率で、従来のチェーン駆動よりも優れているとなれば、自転車の形が大きく変わることになるでしょう。しかし、少なくともこれまでは、何度も挑戦されてきたにもかかわらず、ハブレスは普及しませんでした。そう考えると、個人的には懐疑的にならざるを得ません。

Reevo Reevo



一方で、こういう挑戦をする人がいなげれば、100年以上基本的な形が変わっていない自転車に、ブレイクスルーが起きないことも確かでしょう。ハブレスが普通になるなら大きな変化です。はたして街角で当たり前のようにハブレスを見るようになるのか、今後の動向を見守りたいと思います。




◇ ◇ ◇

母娘が亡くなった池袋暴走事故の初公判での飯塚被告、無罪を主張とは酷い話です。これまでの官僚人生でも間違いを認めたことのない性分が記憶を書き換え、クルマの故障と自分に思い込ませているのかも知れません。

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この記事へのコメント
cycleroadさんこんにちは。

以前にも紹介されていたハブレスバイク、今度はどうなのでしょうね。
ご自身でも書かれているように、私も懐疑的に思うところと、
その一方で、乗ってみたいという気持ちも有ります。

その他にも以前紹介されていたリカンベント、クルーズバイク、色々有りましたが、
乗ってはみたいものの、今一歩踏み出せない気持ちも有ります。
懐具合の問題も小さくありませんね。

http://blog.cycleroad.com/archives/52102729.html
http://blog.cycleroad.com/archives/52051185.html

このようなバイクが一般的になり、手が出しやすくなることを願っています。
Posted by Fischer at October 15, 2020 13:11
Fischerさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
私も、保守的でもなければ、色眼鏡で見るつもりもないのですが、実際に乗ってみないと、いまいちピンと来ない、実感がわかないというのはありますね。
日本では、自転車と言えばママチャリと思っている人が多く、諸外国より自転車の自由度が低いと思います。
もちろん、懐の問題はありますが(笑)、もっと人々の認識が変わっていけば、いろいろなタイプの自転車が身近になって、手も出しやすくなると思います。
Posted by cycleroad at October 16, 2020 13:17
 
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