November 06, 2020

啓発するだけでは効果が薄い

日本では圧倒的に低くなっています。


ヘルメットの着用率です。調査によれば、しまなみ海道を擁し、自転車政策に力を入れる愛媛県が一位で29%ですが、全国平均で11%だそうです。実感としてはもっと低い気がしますが、13歳未満だと63%なので、そのぶん大人の着用率は低いということでしょう。

スポーツバイクに乗る人の着用率は高いですが、日本で圧倒的に多いママチャリに乗る人は、ほとんどかぶっていません。もし事故に遭った場合、ヘルメット着用が命を救うというのは誰もが理解すると思いますが、さほどスピードを出すわけでもなく、習慣もないので、不要と考える人がほとんどなのでしょう。

自治体や警察ほか関係者は、死亡事故の大多数はノーヘルであり、ヘルメットの着用を呼びかける啓発活動を続けています。しかし、あまり効果が上がっているとは言えません。周囲のほとんどの人がかぶっていないわけで、ピンと来ていない人は多いでしょう。着用率が低いのも無理はありません。

ヘルメット
通学用


地域によっては高校生にはかぶらせようという声もありますが、学校関係者でさえ難しいと考える人は多いと言います。まわりの大人がそもそも着用していないのですから、反発も大きいに違いありません。強制しても、かえって卒業した途端、かぶらなくなってしまうとの指摘もあります。

安全になるのは間違いありません。ただ、私はヘルメットを着用しましょうなどと言うつもりはありません。法令で決められていない以上、個人の自由に任せるべきだと思います。ヘルメットを敬遠する気持ちもわかりますし、大多数がママチャリでの近所へのアシとしての使い方が中心で、あまり実感がわかない部分もあるでしょう。

ロードバイクに乗って車道走行し、それなりのスピードを出す人が、危険があると感じたら着用すればいい話ですし、乗り方的に危険度が低く、必要と感じないのであれば、使わないのも自由です。髪が乱れるとか、暑い、カッコ悪い、似合わない、持ち歩くのが面倒など、理由はいろいろでしょうが、その人の勝手です。

義務付けられていない以上、強制は出来ません。もちろん、啓発活動をするのは否定しませんが、あまり着用率は上がりそうにありません。万一の時の為、安全性だけが理由では、かぶる気がおきない人が大多数でしょう。もっと違うアプローチは考えられないでしょうか。

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Road Helmet One”はカメラを内蔵しています。ストリーミングカメラテクノロジーを搭載したハイテク・ヘルメットです。サイクリング体験を簡単に記録して共有できます。最近は、スマホで気軽に写真や動画を撮ってSNSにアップするのが当たり前になっていますが、自転車乗車中はそうもいきません。

このヘルメットなら、AI駆動のデジタルジャイロによる手ぶれ補正で、なめらかな動画を撮れます。音声やタッチによるコントロールにも対応し、自転車に乗ったまま撮影可能です。手元のスマホと連動させ、専用のアプリを使って、いろいろ制御したり、編集したり、SNSでの共有が簡単になっています。

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ライブ中継することも出来ます。カフェなどに入ったら、インスタ映えする料理の写真を撮るのと同じ感覚で、映える風景を目にしたら、すぐにSNSにアップするというのが一般的になれば、誰もがカメラ付きヘルメットを使いたくなるかも知れません。

Apple Watch などとも連動します。新たなウェアラブル端末として認知されれば、広く使われるようになる可能性もあるでしょう。例えば、自転車通勤を始めて、事故や、あおり運転などのリスクを感じ、自転車版のドライブレコーダーが欲しいと感じた人などにも魅力的かも知れません。

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そのほかにも、ライトとバックライトを内蔵したヘルメットもいろいろ出ています。夜間走行用に、ライト類を持ち歩くのが面倒という人には、一つにまとめられるぶん重宝するかも知れません。ウィンカー機能を搭載しているものもあります。多くは自動点灯機能があるので便利です。

センサーで減速を感知してブレーキランプを点灯させるものもあります。もし事故などで転倒した場合、それを検知して自動で通報するようなヘルメットもあります。なかには、ヘルメットの外側に太陽電池が貼られていて、自動で充電するものまであります。

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最近の海外での傾向としては、ヘルメット本来の役目、すなわち頭部が保護されるだけのものではなくなりつつあります。新しいニーズに応えたり、需要を創出するようなアプローチも増えています。これまで着用していない人でも、積極的に使いたくなるような製品、新たな価値を創造しようと考えるのでしょう。

必ずしもハイテク機能に限りません。オシャレでかぶりたくなるようなもの、個性を強調したり、機能性やデザインをアピールする製品も増えています。ただ、残念ながら、いま日本で流通しているヘルメットは、スポーツバイクに乗る人がかぶるタイプか、中学生に嫌われるカッコ悪いデザインのものが多いと思います。

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頭部の保護の必要性を啓発し、ヘルメット着用を促すのも大事だと思いますが、敬遠されているものを勧めても、なかなか人々には響かないでしょう。むしろ、積極的に使いたくなるヘルメットを増やしていくのが、着用率アップの近道なのではないでしょうか。




◇ ◇ ◇

たまたまTVで自民党本部に『国民のために働く内閣』と書かれた菅首相のポスターが貼ってあるのを見ました。こんなの当たり前の話ですが、わざわざポスターにするくらい、自民党にとっては新鮮な宣伝コピーなのでしょうか。

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この記事へのコメント
cycleroadさん,おはようございます.

当地長野でも,高校生以上になると自転車でヘルメットの着用率はガクンと低くなります.

ヘルメットにドラレコならぬ❝サイレコ❞のような装置を装着できればと,私も以前から思ってはいました.自転車レース中の動画は何年も前からYou TubeによくUPされていますので,私も時々観て楽しんでおります.

それは自分の記録のみならず,万一の際にも大きくモノを言う効果が期待できそうですね.

また,ヘルメット自体のデザインも仰る通り大いに改善の余地はあります.約50年前,サイクリング自転車がジュニア層の人気を集めた頃,その広告のモデルの少年はよくテンガロンハットを被っていました.あれは現代のMTBでもよく調和しそうですが,あのようなデザインのカバーの付いたヘルメットも考えられて良いのではないでしょうか.
Posted by マイロネフ at November 08, 2020 09:15
マイロネフさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
テンガロンハットですか。つばが広いぶん、風の抵抗が大きくて、あまり向いていない気がしますが。
アメリカンな自転車、ホースバックライディング風のチョッパーなどと呼ばれる自転車なら、雰囲気は出るかも知れません。
まあ、いずれにせよ、画一的なデザインばかりでなく、もっといろいろな個性を主張できるような選択肢があってもいいでしょうね。
Posted by cycleroad at November 10, 2020 17:11
たしかオランダ等では自転車着用義務化は弊害のほうが多いのでヘルメット着用推進はしてないんですよね。
その代わり自転車専用道ネットワーク整備を市街地でも徹底的にやっており、統計でも事故率の優位な減少など成功している。
日本もそれでよいのでは?と思います。
Posted by まんた at November 30, 2020 22:44
 
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