January 29, 2021

便利さとリスクは背中合わせ

スマートフォンは便利です。


今さら言うまでことでもないですが、生活の中で手放せない道具となっている人は多いでしょう。自転車に乗る時もそれは例外ではありません。例えば、スマホをナビとして使えば、知らない場所へ行く時、知らないルートを通る時などに迷わずに済みます。

自転車に乗っている時でも、メールやSNSの着信があったりするでしょうし、周辺のお店などの情報がリアルタイムでわかれば立ち寄ることも出来ます。最近はサイコンに代わって高度な機能を実現するアプリもありますし、自転車用のハイテク周辺機器をアプリでコントロールするものも増えています。

バッグやジャージのバックポケットなどに入れておくのではなく、ハンドルバー回りにマウントしておきたいと考える人も多いでしょう。すでにたくさんの種類の自転車用のスマホホルダーが売られています。さらに新しいホルダーを開発しようとする人もいます。

The NRG Power StemThe NRG Power Stem

こちらは、スマホを充電することが出来るステムです。スマホホルダーと一緒に使えば、ここから乗車中に充電したり、アプリの使用中にバッテリー切れを防ぐことが出来ます。例えば、走行中の動画を撮ったりすれば相応に電力を消費しますから、これは重宝するでしょう。

Black HornBlack Horn

こちらは、スマホホルダーにワイヤレスでチャージできる充電器に加え、スピーカーがついています。走行中に音楽を聴いたり、電話に応答することも出来ます。スマホにイヤホンをつなぐ必要がなく、耳をふさがないので周囲の音が聞こえなくなることもありません。

IndoorVeloIndoorVelo

こちらはインドア用、エアロバイクやトレーナーに装着してペダルをこぐ時用ですが、タブレットなら画面が大きくで情報が見やすいと、屋外の走行中にも装着したいと考える人が出てきてもおかしくありません。実際に街で見かけるようになっても不思議ではない気がします。

タブレット装着はともかく(笑)、自転車にホルダーを取り付け、スマホを走行中に使うスタイルは広がる一方です。スマホが便利なことは否定しませんが、自転車に乗りながらのスマホがエスカレートする一方なのは、個人的には気になる傾向です。

最近は、街でスマホを片手に持って使いながら自転車に乗る人を見ます。これは危険なので、その点ではスマホホルダーに固定したほうがベターでしょう。しかし、ホルダーに装着していてもスマホを使うことには違いがないわけで、どうしてもよそ見をする形になってしまいます。その危険性は排除出来ません。

音楽を聴くだけなら、脇見にならないので安全に思えますが、実はそうではありません。どうしても注意力が分散されるので、聞こえていても、あるいは見えていても反応が遅れると指摘されています。音楽に気を取られて、視界に入っているはずなのに見ていないこともあります。

car_unten_keitaismartphone_jitensya_woman

ナビなどの利用中に、チラッと確認するだけなら、さほど危険ではないとは思います。しかし、アプリが高機能になっていけば、確認する秒数は伸びがちです。慣れてきて、目を離す秒数が長くなれば、そのぶんリスクは大きくなります。このことに気づきにくいのも間違いないでしょう。

私も自転車で出かける時、スマホを持って行くことはあります。しかし、ハンドル周りには取り付けません。音楽も聴きません。取り付けたほうが便利なことがあるとは思いますが、それに慣れて危険性が増すのは避けたいからです。バッグやポケットに入れて携行し、必要な時に停まって使います。

これは私の個人的な考えであり、他人に押し付けようとは思いません。一人ひとりの判断です。ただ、個人的には自転車に乗る時まで、スマホを使わなくてもいいだろうという気がするのです。スマホは便利なので、あればどうしても使ってしまいますし、それはエスカートしがちです。そのリスクもあると思います。

smartphone_gorogoro_man_neetsmartphone_businesswoman_stand

直接関係ない話ですが、近年、スマホ依存症が増えています。風呂やトイレの中でも、常にスマホを見てないとイライラする人、スマホの見過ぎで仕事や勉強に支障が出てしまう人、SNSなどにすぐ返事が来ないと怒ったり不安になる人、そして明らかに問題なのにスマホの過度な利用がやめられない人です。

目が疲れて視力が落ちたり、ブルーライトを浴びるため寝つきが悪くなったり、昼夜逆転する、肩こりや手の痛みが出る、イライラしたり気力が減退するなど、身体やメンタルの面で健康を損なう人もいます。それでもやめられない人は少なくありません。

子どもや、特に10代の依存の症状は深刻だと言います。自分はスマホなしでは生きられないと自覚していて、親がスマホを取り上げるとパニックになり、大暴れしたり刃物で親を刺す殺人未遂事件まで実際に起きています。たかがスマホ依存とは言っていられない状況です。

sleep_futon_smartphone_womanwalking_smartphone

歩きスマホで線路に転落したり、通行人とトラブルになる人もいます。私も実際に、歩きながらスマホを使い電信柱に激突した女性を見たことがあります。フラフラして明らかに危険なのに自転車に乗りながらスマホを使っている人も含め、下手をすれば命の危険があるのにやめられない人も多いのではないでしょうか。

ちなみに次の症状、1.風呂やトイレでもスマホを見ている、2.いつも寝る直前までベッドでスマホを見ている、3.友人や家族と一緒に食事をしているときもスマホを見る、4.歩行中にスマホをチェックする、5.スマホを忘れたら必ず家に取りに帰る、6.実際には鳴っていないのにスマホが鳴ったような気がすることがよくある。

7.夜中までスマホに熱中して睡眠不足になることがよくある、8.スマホの見過ぎで肩こりや目の疲れや手の痛みなどを感じる、9.思っていたよりも長い時間スマホを見続けてしまう、10.スマホがないと退屈で他のことをやる気がおきない、このうち3個以上でスマホ依存予備軍、5個以上はスマホ依存症の可能性が高いそうです。

nagara_smartphone_tv_okashi_mansmartphone_neru_woman

よく、スマホやテクノロジーが悪いわけではない、使う人の問題で、どう使うかは使う人が決めることだと言う人がいます。たしかにそのような気がしますが、実は違います。スマホのメーカー、アプリやサービスの提供者、広告を出稿する会社などは、人々が長く使うほど利益が見込めます。

つまり、少しでも依存させるほうが、彼らにとって優れたテクノロジーなのです。テクノロジーは中立ではありません。ソーシャルゲームの課金システムもそうですが、スマホやアプリ、サービスは、いかに人々を依存症にするかを競って開発されているとも言えるわけです。

もちろん、一方で我々の生活を便利にしたり、豊かにしてくれることは否定しません。ただ、多くの人は使えば使うほど、依存症に引き込まれるように出来ているという点を忘れるべきではないでしょう。結果として依存症だけでなく、犯罪や誹謗中傷から健康被害、社会不安や分断などの問題まで、いろいろと影響も出ています。

smartphone_shokujieye_ganseihirou_smartphone_woman

すべてスマホのせいとは言いませんが、以前と比べて人間関係に悩んで学校や会社を辞めたり、不幸な結果を招く人、経済的な困難に陥る人なども増えています。脳が委縮するなどの研究もあります。スマホのヘビーユーザーでなく中毒、依存症となれば、これは病気です。このことに気づかない人も多いのです。

これだけ多くの人がスマホ依存か、それに近いような使い方をしているのを見ても、その魔力は強力です。何も考えずに使って依存症になったり、危険な使い方になって事故やトラブルなど、結果として深刻な結果を招きかねません。そのうち何らかの対策が出てくるかも知れませんが、今は野放しに近い状態です。

自分で自覚して、過度なスマホ依存にならないよう、なる前に気をつけるしかありません。直接の危険もあるので、せめて自転車に乗っている時くらいはスマホを使わないようにしてもいいのではないでしょうか。スマホは便利です。しかし、同時に危険もあることに留意したいものです。




◇ ◇ ◇

補正予算でGoToに1兆円もつけて、未だにこだわっていますが、GoToがなくても旅行に行けるようになれば皆行きます。他国より開始が遅れているワクチン接種を少しでも早くスムースに進めることにこそ注力すべきでしょう。

このエントリーをはてなブックマークに追加

 デル株式会社


Amazonの自転車関連グッズ
Amazonで自転車関連のグッズを見たり注文することが出来ます。



 楽天トラベル

 
※全角800字を越える場合は2回以上に分けて下さい。(書込ボタンを押す前に念のためコピーを)