May 14, 2021

お互いのための配慮を促す形

自転車に乗っていてヒヤリとすることがあります。


いろいろあると思いますが、側方、しかもすぐ近くをクルマに追い抜かれる時もその一つだと思います。危うく接触しかねない距離まで接近された経験のある方も多いのではないでしょうか。接触はしなかったとしても、焦ってフラつくこともありますし、大型車だと風圧を受けて転倒しかねません。

運が悪ければ転倒して、後続車にひかれる可能性だってあるでしょう。サイクリストにとっては命を失いかねないわけで、ヒヤリでは済まされないリスクです。日本では、長年にわたる異例の扱いから歩道走行する人が多いわけですが、車道走行が原則と言われても、なかなか怖くて出来ない原因でもあるでしょう。

West Midlands PoliceWest Midlands Police

ドライバーの中には、邪魔だとばかり幅寄せなどの嫌がらせをする人もいます。自転車は歩道走行するものだと思っている人も多く、タイミング的になかなか抜けなかったりすると腹を立てるようです。しかし、もし事故になれば交通強者の立場として、相応の責任を問われます。その意味で軽率な行動なのも確かでしょう。

故意に幅寄せする人は論外として、中にはその危険性を意識していない人もいます。さほど接近しているとは思わなかったり、極端に言えば接触しなければ問題ないと考えるのかも知れません。近づき過ぎただけで、事故になりかねないとまでは考えないのでしょう。

愛媛県愛媛県

(愛媛 ↑ 、伊豆 ↓ )
伊豆

悪意でなく、間隔をとらない人もいるので、そのことを伊豆や愛媛県などでは啓発しています。海外、例えばイギリスでは、安全な側方通過は法的に義務付けられており、警察官が自転車で走行して取締りをしています。1.5m以上の間隔をあけずに危険だと判断されると、前方で別の警察官が停止させて検挙するという取締りです。

ただ、取締りには限度があり、実際には守られていないことも少なくありません。海外でも、このことについて危険に感じているサイクリストは少なくないようです。自分で工夫して、その対策をとる人もいます。例えば、“pool noodle”を使う方法です。プールで「浮き」として使うウレタンの棒です。( ↓ 動画参照)





動画のように、追い抜く時には間隔をとってくれとアピールしているわけです。素材がウレタンで柔らかいため、万一接触しても曲がるので大きな力が伝わることはありません。相手のクルマのボディを傷つけることもないでしょう。このウレタンを使っている人は、ほかにも見かけます。

ただ、夜間は見えにくいという弱点があります。この点を工夫した製品が発表されています。ロンドン在住のプロダクツデザイナー、Sean whiffin さんが考案した、“L-BOW”です。後方への視認性のため、テールライトを取り付ける人は多いと思いますが、これは、その形状が独特です。

L-BOWL-BOW

L-BOWL-BOW

縦でも使えますが、いつでも横に出来、車体の中心より外側にライトを移動できます。わずかな距離ではありますが、そのぶん後続車に間隔を開けさせる効果が期待できるでしょう。必要ない時は縦のままでも使えます。言われてみれば簡単な工夫ですが、なかなかユニークなアイディアです。

特徴的なのは、きっちりと固定されているわけではないことです。素材自体は曲がったりしませんが、取り付け方が柔軟に曲がるような方式になっていて、万一接触しても問題ありません。動画を見るとわかりますが、乗降りの時に足が引っかかってもフレキシブルに曲がり、元に戻ります。

L-BOWL-BOW

L-BOWL-BOW

もっと大きいほうが視認性もアップしそうですが、それだと邪魔だったり、空気抵抗が大きくなったりします。大きくではなく、長くすることで、視認性は高まっています。スリムにすることでデザイン性も上がり、使ってもいいと考える人は増えるかも知れません。

自転車用のテールライト、バックライトはいろいろな製品が売られています。自転車用品として定番であり、珍しいものではありません。デザインもさまざまですが、横に傾けられるというだけで、新たな価値を生み出しています。クラウドファンディングでの資金調達も、すぐに目標を達成しています。

L-BOWL-BOW

L-BOWL-BOW

現物を見ていないのでわかりませんが、昼間に点灯させて横に曲げていても、後続車に側方間隔をとるよう促す効果が見込めるかも知れません。輝度にもよりますが、昼間でも光っていたほうが注意をひきます。間隔をとってくれというアピール、ドライバーへのメッセージになりそうです。

側方を接近通過されるとサイクリストはヒヤリとします。ドライバーも、もし事故になった時の刑事責任、賠償責任を考えればヒヤリとしてもいいはずですが、実際にはあまり感じていない人も多いのが問題です。ポスターによる啓発や一部の取締りでは不十分、まだまだその危険性は浸透していません。( ↓ 動画参照)



サイクリストは、自らの身の安全をはかるため、このようなアイテムの採用を考える余地があるでしょう。今までは大丈夫でも、いつ不注意なドライバーに出会うかわかりません。側方間隔の必要性について、世の中の認知度を上げる意味でも、こうしたアイテムの普及が望まれるところです。




◇ 日々の雑感 ◇

以前、基本的に開業医でコロナ対応していない医師の団体、日本医師会の会長が国民に対して上から目線で威張っていると書きました。その中川俊男会長が、蔓延防止等重点措置が出されているのに、不要不急の政治資金パーティーに参加していたことが批判されています。国民には人流抑制のためステイホームを強いておいて、自分は感染対策を徹底していたからと言い訳に終始し反省の弁を少々、謝罪は政治家の支持者向けだけ。これでは誰も納得しないでしょう。感染対策をしても休業させられる飲食店や、卒業パーティーなど一生に一度の記念も我慢している国民が怒るのも当然です。これでは誰も医師会の言う事など聞きません。即刻辞任すべきでしょう。

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この記事へのコメント
cycleroadさん,こんばんは.

狭い車道で追い越すに追い越せない自転車には,私も車を運転中に困ることは確かにあります.そういう時,自転車ならできるだけ早く安全な場所を選んで待避し,後続車が来なくなったらまた車道を走りだせば良いことで,これを心掛ければ経験上,大抵の事故は防げます.

今回の貴記事にある自転車用の車幅標識灯,本格的な導入に向けて検討を進める価値は大いにありそうだと思いました.もう1つ,自転車用のドラレコ(サイレコ)も必要に応じて装備すれば良いでしょうね.実際にウーバーイーツの配達員が嫌がらせめいた危険運転に遭遇し,その映像が警察への告訴に役立った実例があるようですから.
Posted by マイロネフ at May 16, 2021 20:35
マイロネフさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
避けられる場所がない場合が問題でしょう。避ける余地があれば、わざわざクルマの進路をさふぐような人は多くないと思います。
バックライトなんて、ありふれた自転車グッズですが、ちょっとしたデザインによって、より役に立つアイテムになるというのが面白いところです。
特にリヤライトこだわりが無いのであれば、買い替えの選択肢にしたいという人は多いかも知れませんね。
Posted by cycleroad at May 17, 2021 13:17
 
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