May 17, 2021

合理的に考えれば当然の帰結

ドイツ人は勤勉で生真面目と言われています。


もちろん、いろいろな人がいますが、その国民性からくる特徴として、勤勉・真面目はよく聞きます。そのほかにも、ルールに厳格、秩序を重んじる、時間を厳守する、倹約家が多い、エコな生活を徹底しているといった特徴が、よく言われるところでしょうか。

もともとドイツは土壌が豊かではなく、作物が育ちにくい土地柄でした。そのため、ソーセージのような保存食が多く、食にこだわらず簡素な食事が好まれる傾向があったようです。そうした歴史的な背景もあって、食材も節約を心がけ、余計なお金や時間を使わないという気質になったと言われています。

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生活もシンプルが好まれ、リサイクルを考えるのが当たり前、エコやサスティナブルといった意識が徹底しているのも特徴でしょう。ヨーロッパの中でも、人々の環境意識は高いと言われています。そうしたことも含めて、ものごとを合理的に考える国民性と言えるでしょう。

ドイツは有数の自転車王国であり、移動に自転車を使う人が多いのも、そのあたりと無関係ではないのかも知れません。例え大企業の社長であっても、そのほうが早い・便利と判断すれば、運転手付きの社用車でなく自転車で通勤する人もいます。日本とは自転車文化が違い、自転車に乗ることがクールとされる面もあるのでしょう。

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さて、そんなドイツの首都ベルリンで数年前に始まり、最近少しずつ使う人が増えつつあるサービスがあります。“fLotte Berlin”とよばれるプログラムです。これは、市内の各所に配置されたカーゴバイクを無料で借りられるというものです。現在、数十台にまで規模が拡大しています。

ドイツも含めヨーロッパでは、たくさんの荷物が運べるカーゴバイクに乗る人は珍しくありません。しかし、毎日子どもを送り迎えする人ならともかく、一般の人で毎日カーゴバイクが必要な人は多くないでしょう。荷物を運ばないなら普通の自転車のほうが軽快ですし、保管も場所をとらず便利です。

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ただ、時々、普通の自転車では運べない荷物を運びたい時があります。食料品を大量に買う時、新しいソファーとかマットレスを買った時、大きかったり重い園芸用品が必要になった時、臨時に子どもを乗せたい時、といったような場合です。ふだん普通の自転車に乗っている人が、必要な時だけカーゴバイクが使えたら便利です。

そして、必要な時にカーゴバイクが借りられるならば、不要になるものも考えられます。クルマです。距離の離れた近郊ならともかく、市内に住んでいて、普段の移動は自転車で十分という人なら、必ずしもクルマの所有は必要でなくなる人も出てくるのではないでしょうか。

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平日はほとんど乗らないのにクルマを所有している人もあるでしょう。市内だと駐車場を借りるにしても高いですし、クルマを売ってしまえば、かなりのコスト削減になります。週末などレジャーで使う場合はレンタカーを使えば済みます。自転車と、たまにカーゴバイクが使えれば、クルマ所有は不要という人もあるはずです。

この“fLotte Berlin”、空いていれば使えますし、あらかじめ予約をしておくことも出来ます。どこに空きのカーゴバイクがあるかスマホの地図で確認もできます。そして、なんと言っても無料です。自分でカーゴバイクを所有すると保管に場所をとりますが、これなら邪魔にならないのも利点です。

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時間単位でなく、終日借りることができます。つい予定時間が過ぎることもありがちですが、時間を気にしなくてすむ点も重宝されています。会員として登録しておく必要はありますが、料金が無料なので、クレジットカードを登録するとか、面倒な決済などもありません。

このプログラムは、非営利の自転車団体、“Der Allgemeine Deutsche Fahrrad-Club”が運営しています。自治体の環境保護の基金からの資金でカーゴバイクを手当てし、このクラブが管理・維持を行っています。もし、使用中に故障やアクシデントがあった場合には、緊急メンテナンスのボランティア派遣までしてくれます。

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カーゴバイクは、市内の食料品店、いろいろなショップ、駐車場、パブなどの協力してくれる店に配置されています。そのショップの店員に身分証を提示するだけで借りることが出来ます。なかには、これで日帰り旅行する人もいますが、ほとんどは短い距離、1回平均15キロ程度の利用だそうです。

カーゴバイクだって価格は安くはありません。ほとんどの人は、たまにしか使わないのに購入するのはためらわれるでしょう。その点でレンタルならリーズナブルです。しかも無料なら言うことなしです。ドイツ人らしい合理的精神が反映されたサービスと言えるでしょう。

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( ← 動画参照)

こうしたサーピスが使えることで、自家用車の所有をやめられたとしたら、家計に恩恵というだけでなく、温暖化ガスの排出削減にもつながります。自家用車をEVにするより、よっぽど効果が高いわけで、この点でも支持されているのです。まだ開始から日が浅いですが、ジワジワと9千人程度まで会員が増えています。

ちなみに、ドイツ人と日本人の国民性は似ていると言われます。真面目、勤勉、時間厳守、ルールに従う、もったいない精神など、たしかに共通する部分は多いかも知れません。日本も台数だけで言えば自転車大国です。多くの人が日常のアシとして使っています。

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日本でも環境が整えば、カーゴバイクのシェアリングが受け入れられる余地、土壌はあると思います。都市部に住んでいる人なら、地価も高いので、出来ることならクルマの所有をやめたいというニーズもあるでしょう。カーシェアリングなどの利用者が増えているのも同じ理由と思われます。

違うのは自転車文化でしょうか。自転車に乗ることがクールと感じる人は多くありません。道路環境も違いますし、一般の人のカーゴバイクの認知度も低いと思います。ただ、少しずつ改善される傾向はあります。日本でも、カーボンニュートラルもありますし、EVよりもカーゴバイクというスタイルが広がる可能性はありそうです。




◇ 日々の雑感 ◇

各地でワクチン予約が殺到し混乱が起きています。注目は福島の南相馬市、最初から日時を割り振って、都合つかない人だけ変更する方式です。電話がつながらない等の混乱を防げます。他も見習うべきではないでしょうか。

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