July 13, 2021

誰もが自転車を楽しめる社会

自分の固定観念に気づかないことがあります。


例えば、自分の中では誰かを差別したり、見下したり、偏見を持って見ているつもりはないでしょう。しかし、当事者にしてみれば差別されているように感じることがあります。無意識のうちに思い込みがあり、自分ではそれに気づかないということもあるに違いありません。

例えば、オーバーサイズの人、つまり、太っている人に対する見方です。サイクリストは太っていないという先入観はないでしょうか。実際に太めの人が自転車に乗っているのを見ることは、比較的少ないかも知れません。当然ながら、太っている人は自転車に乗らないなんて思っていないでしょう。

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しかし、太っている人にしてみれば、そうは思えないのです。太っているのに自転車に乗っていると、好奇の目で見られたり、多少なりとも驚いた目で見られたりすると言います。自転車雑誌でもテレビでもネットでも、太ったサイクリストが出てくることは無いと主張します。

こうした主張をしているのは、Kailey Kornhauser さんや、Marley Blonsky さんです。彼女たちは、自ら太っていることを認めた上で、上のような主張をしています。たまに雑誌に太ったサイクリストが載ることがあるとしたら、それはダイエットのために自転車に乗る人です。

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しかし、彼女たちは痩せるために乗っているわけではありません。自分の体形を変えようとは思っていません。でも、彼女たちはサイクリストであり、大の自転車好きです。太った人が自転車に乗っているというだけで、好奇の目で見られたり、珍しいと見られるのは理不尽だと考えています。

誰かが声高に、太っているのに自転車に乗るなと言っているわけではありません。でも世間的にそのような偏見があると言います。例えば、ほとんどの自転車は、オーバーサイズの人用につくられていません。最大重量が決められているため、体重の重い人は、乗る自転車を探すのにも苦労します。



自転車用ウェアもサイズが限られます。自転車メーカーや、自転車用品メーカーは、太った人を顧客として意識していないと感じています。もちろん、サイズを揃えているメーカーもありますが、あまり売れないからか、かなり限られているのは間違いないでしょう。

太った人は自転車に乗らないと思っている人にも出会います。例えば、自転車で行く、多少ハードな行程のツアーに参加しようとしたら、驚かれるなんてことは日常茶飯事です。自転車に限りませんが、太っている人は運動が嫌い、運動しない、だから太っていると無意識に考えている人が多いと感じています。



たしかに、体重が重いために、他の人より坂道を上るのが苦手で、遅かったりします。ツアーで置いて行かれることもあるでしょう。そういう点でのハンデがあるのは否めません。一人で置いて行かれるのは辛いので、自転車に乗らなくなる太った人がいるのも確かです。

太っているため、最初から自分をサイクリストと考えていない人もいます。街を走るたびに失笑されたり、好奇の目で見られるのは苦痛です。つまり、サイクリングしなくなってしまう太った人も多いのです。Kailey さんや、Marley さんは、こうした社会の状況を変えたいと思っています。

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自転車は、体重の多寡に関わらず、誰でも楽しめる乗り物です。太っていてもサイクリストですし、運動を楽しむアスリートです。太っていても自転車が好きな人はいるはずですが、最初から諦めたり、無意識に敬遠してしまっています。太った人でも自転車に、ためらいなく乗れるようにしたいのです。

自転車に乗って痩せようと頑張っているのではなく、太っていても、自転車に乗るのが好きだから乗ってもいいでしょう。もちろん、乗りたくない人は乗らなくても構いません。しかし、体形だけで先入観を持って見られるような状況を変えたいと思っています。

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他の分野、例えばファッショモデルは痩せているのが当たり前でしたが、あまりに痩せていることにこだわるため、モデルの健康を損なうことが問題とされる風潮も出てきました。服を買うのは痩せた人ばかりではありません。最近は、いわゆるプラスサイズモデルが活躍したり、モデルに過度の減量を戒める動きもあります。

同じように、世間のサイクリストに対する固定観念を変えたいと思っています。そこで、自ら太っていると認めた上で、ネット上で発信し、同様の体形をした人に呼び掛けています。太っていても自転車に乗る人を増やし、世の中の偏見を無くしたいと思っているのです。

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太ったサイクリストのコミュニティも形成し、参加を促すことで、太っているからと自転車を諦めていた人の考え方を変え、自転車に乗せたいのです。こうした考えに共感する人が増えていけば、街で太った人が自転車に乗っていても好奇の目で見られず、普通の事になると考えています。

なるほど、私も特に太った人に対して偏見を持っているつもりはありませんでしたが、たしかに言われる通りかも知れません。彼女たちのように感じている人がいることを、あまり考えたことはありませんでしたが、無意識にサイクリストは一般的に痩せているとの思い込みがあったかも知れません。

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自転車に限ったことではありませんが、太っていることを悪いとするような風潮があるのも確かでしょう。生活習慣病の原因になるとか、太っている人は意志が弱い、怠惰であるなどの見方もされがちです。もちろん、自覚してダイエットに取り組む人もいますし、痩せたいと思っている人も多いでしょう。

しかし、誰もがそうとは限りません。体質などの事情がある場合もありますし、ふくよかな体形が好きな人もいれば、痩せようとは思っていない人もいます。身体が大きいのは単なる個性であり、太っているのがダメとか、痩せたほうがいいとか、少なくとも価値観を人に押し付けることではないはずです。( ↓ 動画参照)



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現状では、自転車の重量的な制約などもあるかも知れません。しかし、基本的には誰でも自転車に乗ってほしいですし、楽しんでもらいたいと思います。自ら敬遠してしまっている人がいたら、ぜひ乗ってもらいたいですし、それが無理なく出来るような、偏見のない社会になってほしいものです。




◇ 日々の雑感 ◇

MLBオールスター前夜のホームランダービーで、大谷選手は初戦敗退で残念でしたが、楽しそうでした。東京は非常事態宣言ですし、まだまだ先が見えませんが、彼の活躍は、日本に明るい気持ちを届けてくれていますね。

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