July 16, 2021

自転車を長く使い続ける方法

自転車は長く乗りたいものです。


近年、日本の自転車市場では格安粗悪な中国製のママチャリが席捲しています。分解しづらく修理が割高になりがちなため、直さずに使い捨てにする人も多くなっています。雨ざらしにして注油もせず、錆び放題にしていれば、放置自転車として撤去移送された時にも、取りに行く気にならなかったりするのでしょう。

しかし、格安粗悪でない本来の自転車は、メンテナンスしながら乗れば長いこと使えるはずです。いい自転車を買って、消耗品などは交換しながら長く乗ったほうが快適で気持ちよく乗れるでしょう。本来、自転車は使い捨てにするようなものでないのは自明です。

でも、中には、長く乗れない自転車があります。子供用の自転車です。年齢に合わせたサイズを選びますが、子どもの成長は早く、すぐに乗れなくなってしまいます。いつまでも小さいサイズの自転車というわけにもいかず、買い替えるしかなくなるでしょう。つまり、同じ自転車を長く乗り続けられません。

Free Bikes 4 KidzFree Bikes 4 Kidz

弟か妹がいればお下がりにしたり、親戚の子どもなどに譲る人もいると思います。でも、引き取り手がいなければ、そのままガレージの隅に放置されていたりするのではないでしょうか。粗大ゴミとして出すか、処分するのに費用がかかるので駅前などに放置したり、中には不法投棄するような人もいます。

最近は、フリマアプリで出品する人も少なくないようです。見るとたくさん並んでいます。ただ、自転車を梱包して送るのは手間もかかりますし、かなり送料がかかります。そこで、直接会っての受け渡しにしたり、近隣の人に限定し、自分でデリバリーする例が多いようです。

フリマアプリで、どのくらいの量の子供用自転車がやり取りされているのか、データがないのでわかりません。でも、宅配便で手軽に送れるようなものとは違い、送料がネックとなって、なかなかリユースが進んでいるとは言えないようです。資源としてもったいないですし、ゴミを増やすことになります。

Free Bikes 4 KidzFree Bikes 4 Kidz

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なかなか長く使うのが難しい子供用の自転車ですが、アメリカには違う仕組みがあります。子供用の自転車の寄付を受け付ける団体、“Free Bikes 4 Kidz”です。アメリカでもサイズ的にすぐに使えなくなってしまう子供用自転車を、次の利用機会をつくることで有効利用する仕組みです。

単なるリユースではありません。寄付されたり、引き取った子供用自転車は、洗車され、必要に応じて修理やメンテナンスが施され、最も困っている子どもたちに無償で届けられます。全ての子どもたちが自転車に乗れ、誰もがより幸せで健康的な子ども時代を送れるよう支援することを目的とした非営利団体なのです。( ↓ 動画参照)



Free Bikes 4 KidzFree Bikes 4 Kidz

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自転車の現物だけでなく、金銭的な寄付も受け付けています。ご存知のようにアメリカでは寄付文化が根付いており、大富豪だけでなく普通の人も寄付をします。統計によれば、2016年に寄付をした人の割合は83%に上り、個人の寄付総額は30兆円を超えています。

この“Free Bikes 4 Kidz”も、アメリカ合衆国の内国歳入法に基づく、いわゆる501(C)団体なので、寄付の税額控除を受けられます。金銭的な寄付だけでなく、自分の家のガレージにころがっている古い子供用自転車が有意義な寄付になる点でユニークです。

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困っている家庭に金銭的、あるいは食料などの支援をするチャリティー団体はたくさんあります。ただ、貧困にあえぐ家庭では、仮に金銭的な支援を受けたとしても、それが子供用の自転車に回ることは望めないでしょう。欲しくても買ってもらえない子どもが大勢いるのです。

そんな子供たちに自転車を届けます。使わなくなった子供用自転車ならばと、喜んで供出してくれる人は多いでしょう。そうした自転車を集め、全米各地の子供たちに届けます。この組織は、自転車が好きなサイクリストグループがボランティアで運営・活動しています。

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金銭や自転車の実物を寄付する以外にも、自転車の収集や運搬を手伝ったり、自転車の修理や洗浄、メンテナンスなどを手伝う人もいます。月にわずかな金額を払ってサポーターとして支援することも可能です。自転車を直接個人に配るのではなく、各地の非営利団体や学校などを通して届けています。

子どもにとって自転車は、単なるおもちゃではありません。学校や近所への交通手段であり、子どもの世界を広げ、自由を感じさせるものでもあります。子どもが所有する最初の大きなアイテムであり、同時に責任が発生することも学びます。もちろん、子どもをアクティブにし、健康にするものでもあります。

Free Bikes 4 KidzFree Bikes 4 Kidz

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たかが子供用自転車ですが、それは子どもに大きな喜びと笑顔をもたらします。そして、場合によっては子どもの将来、人生すら変える可能性があるとメンバーは考えています。収集や修理などを手伝う人たちにとっても、自転車をプレゼントするのが、大きな喜びであるのは間違いありません。

恵まれない子供たちに自転車を届けるだけでも有意義ですが、同時に、なかなかリユースが難しい子供用自転車を有効利用する仕組みであり、資源の無駄を省き、ゴミを減らす仕組みなのです。なかなか上手い枠組みと言えるでしょう。多くの人の善意で成り立っているのも素敵です。( ↓ 動画参照)



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日本でも、近年は子供の貧困ということが言われています。もちろん、まず栄養バランスの取れた食事がとれたり、教育の機会が得られることが先決です。なかなか子どもの自転車にまで手が回らないと思いますが、一方で、使われなくなった子供用自転車はたくさん存在しているはずです。

日本にも、このミスマッチを減らすような仕組みがあるといいと思います。構造的に長く乗れない子供用自転車を、善意を通じて、他の子どもが乗り継ぐ仕組みです。子どもの貧困に、直接は役立たないかも知れませんが、受け取った子どもたちを、少しハッピーにするに違いありません。




◇ 日々の雑感 ◇

ながらスマホに夢中になって踏切の中に立ち続け、女性がひかれ死亡しました。自転車に乗りながらマホをしている人も、つい熱中してしまい危険に気づかずに死亡したとしてもおかしくありません。絶対にやめるべきですね。

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