November 19, 2021

実は圧倒的に乗らない人たち

自転車の活用を推進する国はたくさんあります。


特にヨーロッパでは、自転車先進国であるオランダやドイツ、デンマークなどをお手本に、もっと自転車を活用しようという考え方はポピュラーになっています。自転車で行ける距離なら自転車を使い、クルマの利用を控えれば、そのぶん温暖化ガスの削減になるということも意識されています。

ヨーロッパでは、もともとディーゼルエンジン車が多かったこともあって、特に都市部の大気汚染が深刻です。PM2.5や窒素酸化物による汚染が酷く、EU全体では毎年50万人以上が早死する原因になっていると専門機関が警告するほどです。このことでもクルマ利用の削減が求められています。

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自転車の活用は都市部の酷い渋滞も減らします。クルマの都市部への流入を抑制することで交通事故を減らし、都市部の居住環境の改善にもなります。家計にも優しいですし、なにより人々の健康に寄与します。国民の健康増進、生活習慣病を減らすなどの効果で、国の医療や介護などの予算を減らすことも期待できます。

これまでも多々取り上げて来ましたが、ヨーロッパ各国では自転車の活用を推進する、さまざまな施策を講じてきました。ここ2年はコロナのパンデミックでも、自転車に乗る人が急増したわけですが、多くの国や都市は、これを機に、さらに自転車に乗る人を増やそうと考えています。

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アイルランドもそうです。トップの自転車先進国には及ばないものの、首都ダブリンには10年以上前からシェアサイクルが導入されていますし、国民の意識も高いものがあります。しかし、その意識の高いアイルランド人の中にも、圧倒的に自転車に乗らない人たちがいます。

それは、10代を中心とする若い女性たちです。例えば、ある女子校では、500人以上の生徒がいるにもかかわらず、自転車で通勤する生徒はわずか2人です。この女子校だけでなく一般的な傾向です。他の年代でも男女差はありますが、10代では、男子生徒と比べて、自転車に乗る女子生徒が圧倒的に少ないのです。

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アイルランド全土のデータでも、10代の少女で自転車通学しているのは、250人に1人です。小学校までだと、男の子も女の子も、ほぼ同数が自転車に乗ります。しかし、中学生以降になると、多くの男の子が乗り続けるのに対し、女の子で乗る人は劇的に減少することが、調査で明らかになっています。

13〜18歳の年頃の女性が自転車に乗らない背景には、いろいろ理由があります。汗をかくのがイヤ、ヘルメットをかぶると髪型が崩れる、カッコ悪い、スカートだと乗りにくい、乗っていると好奇の目で見られたり野次られる、自転車は男の子のものと思う、その他、数多くの理由があります。

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必ずしもアイルランドに限ったことではないと思いますが、若い女性たちにとって、自転車に乗ることを選ぶのは簡単なことではありません。友だちの女性グループからの逸脱だったり、反抗、性別や社会規範から脱却しようとする行為と見られたり、それを覚悟しなければならないからです。平たく言えば、変わった人と見られるのです。

もちろん、多感な10代の女性の心情を無視することは出来ません。当然ながら国や自治体が強制するようなことは出来ません。ですから、このような状態が続いてきたわけです。しかし、この傾向を変えようと立ち上がった人たちがいます。ほかならぬ、当の10代の女性たちです。

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#andshecycles”は、10代の少女たちが自転車に乗りたがらない理由や、サイクリングを妨げている障壁に光を当て、必要なコミュニケーションや啓発、支援を勧めようという全国的なキャンペーンです。乗らない理由を否定したり、非難したりするものではありません。

中には、あまり深く考えずに周囲が乗らないから乗らない人もいるでしょう。間違った偏見を持っている人もいます。一方、乗ろうと思わなかったけど、乗ってみたら乗りたくなった、目から鱗が落ちたという人もいるに違いありません。ただ闇雲に自転車に乗せようというのではなく、その理由を尋ね、話し合うことから始めます。





場合によっては、自転車専用通行帯の欠如とか、安全上の懸念があるかも知れません。仲間からの同調圧力や、若い男性からの嫌がらせなどがあることも確認されています。スカートでは乗りにくいなどのファッション上の理由に阻まれている場合もあるでしょう。

10代の少女たちは自転車に乗らないという一般的な認識、社会的な風潮なども邪魔をしているのは否めません。ただ、全ての少女を自転車に乗せようなどというものではありません。もし、乗りたい少女たちの障壁になっていることがあれば、それを取りのぞいたり、何か対処できないかというスタンスです。

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乗ってみる機会を提供したり、その学校でサイクリングを広めるリーダーを委嘱・育成したり、学校においてサイクルフレンドリーな環境を整えるための助力など、いろいろな方面からの活動や支援を行っています。自転車の楽しさを知ってもらったり、そのメリットを伝えるのも重要な活動です。

Green-Schools”、“Sustrans IBike”といった各種の組織、NPO法人などと連携したり、資金やサポートを受け、このキャンペーンを推進しています。このアイルランドのキャンペーンの成功を受け、お隣イギリスのスコットランドなどにも、同様の取り組みが広がっています。







同じ世代の女性に呼び掛けるべく、自ら立ち上がっているのが特徴的です。国や自治体が行うキャンペーンとは、明らかに姿勢も違います。最近は、COP26などで若い世代が声を上げているのが目立ちますが、環境だけではないものの、そうした背景も無関係ではないのでしょう。

このような動きが起きること自体、ヨーロッパの国の人々の意識の高さがうかがえます。特に10代の少女たちなら、オシャレや周囲の目、友だちの動向など、環境や健康より気になることは多いはずです。そう考えると、若い人の意識も、日本とかなり違っていると言えそうです。







◇ 日々の雑感 ◇

大谷翔平選手、満票でMVP選出という快挙です。今年は多くの日本人が励まされました。おめでとうございます。

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