May 21, 2022

細かいことは知らなくていい

日本では、ほとんどの人が自転車に乗れます。


小さな子どもは別として、大人の大部分は乗れると思われます。調査によってバラつきがあり、実際のところはどうかわかりませんが、95.5%とか98.6%の人が乗れるという調査結果が出ています。坂の多い街などで、乗る環境がなく大人になった人等を除いて、かなりの割合の人が乗れるとしています。

一般的に、幼い時に練習して乗れるようになると思いますが、一度乗れるようになると、生涯乗れるのが自転車です。もちろん、高齢になって身体が動かなくなれば乗るのは困難になると思いますが、長期間乗らなくても、乗り方を忘れて、乗れなくなってしまうことはありません。

それは、身体が覚えているからだと表現されます。主に運動をつかさどる小脳の働きにより身体感覚で覚え、忘れないということのようです。一部、大脳の基底核も関係しますが、頭で考えて乗るのではありません。無意識に乗っています。そのことは、次の動画を見てもわかります。( ↓ 動画参照)



ハンドルを切ると逆に曲がるような細工がされた自転車です。ハンドルを右に切ると左、左に切ると右に前輪が曲がります。通常と逆ではありますが、逆だとわかっていれば乗れるような気がしますが、乗れません。大脳でわかっていても、小脳は対応できないようです。

自転車に乗るのは理屈ではないわけですが、そもそも細かい理屈を知らないでも乗れているという面もあるでしょう。例えば、自転車でどうやって曲がっているか、その仕組みをわかっている人はかなり少ないはずです。自転車などの二輪車は、逆操舵(カウンターステア)という仕組みで曲がっています。

一般的には、ハンドルを切って曲がるか、体重を移動して車体を傾けて曲がると思っています。それも間違いとは言えませんが、例えば左に曲がるためには、いったん右に逆操舵をする必要があります。そんなことをしている意識はないという人がほとんどだと思いますが、次の動画を見れば、それがわかります。( ↓ 動画参照)



誰もが気づかずに逆操舵をしていることを明らかにするため、特殊な自転車を作っています。ハンドルバーを遠隔でロックして、片方にしか曲げられないようにしています。例えば、ハンドルを左に切ることは可能ですが、右には切れないのです。

それでも左には曲がれるだろうと思うでしょうが、実は曲がれません。左に曲がるためには、いったん少し右にハンドルを切る、カウンターステアリングをしないと曲がれないのです。これは多くの人は意識していないと思いますが、意外な事実です。右に曲がる時は逆です。

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例えて言うならば、掃除用のホウキを手のひらに立てているとします。手をいきなり前に伸ばせば、ホウキは逆の方向、つまり後ろに倒れます。前に倒したい時には、いったん手を少し後ろに引いてホウキを前に傾けることで、前に向かって倒れるのと同じと説明しています。左に切るだけだと遠心力で右に倒れてしまうわけです。

一輪車で前に走りだすためには、いったんタイヤを少し後ろに動かすことで、前に体重を傾けることで、前方に走りだすことが出来ます。逆の方向にいったん動かす逆操舵も、これと同じことだと言います。一輪車に乗れる人は、体感的にわかるかも知れません。

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左に曲がる時、ハンドルを右に軽く切ることで、前輪が右を向き、車体は左側に傾きます。それ以上右に切らなければ、前輪は自然と左に切れていき、自転車は左にカーブしていくのです。言葉で説明するほど大きな動作ではなく、ごく僅かな動きですが、自転車に乗れる人は皆、無意識に行っているのです。

その証拠が上の動画です。無意識に行っている僅かな動きですが、封じられると曲がれずに転倒してしまうということが起きるわけです。ちなみに、4輪のクルマで右に車体を振ってから左折するのとは違います。4輪のカウンターステアも、また違う話です。

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先ほどの動画の後半では、違うことも説明しています。自転車は、ある程度のスピードがあれば直進します。例え、誰も乗っていなくても直進する力が働きます。当たり前のように思えますが、これも同じ仕組みが関わっていることが説明されています。

例えば、ハンドルを固定した無人の自転車は、路面の状態などで傾くと、直進しないで倒れてしまいます。車体がどちらかの方向に傾きだすと前輪が同じ方向に切れることで、車体を中心に戻そうとする働きが起こると言います。これにより車体の傾きが元に戻り、倒れずに走ると言うのです。

たしかに、動画をよく見ると、誰も乗っていなくてもハンドルが微妙に左右に切れ、直進を保っています。単に、スピードによる慣性によるものと思いがちですが、そうではないのだそうです。この働きには、フロントフォークの角度も関わっています。( ↓ 動画参照)



自転車のフロントフォークをよく見ると、垂直ではなく少し後ろ方向への傾きがあります。「キャスター角」です。これがハンドルの切れ角を生みます。ハンドルが左に切れると、左カーブの遠心力が逆方向に働き、体勢が立ち直ります。これによって直進しようとするわけです。

ハンドルが自然と切れるのにはハンドルやタイヤなどの重心も関係しています。また、ジャイロ効果も作用します。回転しているから真っ直ぐを保とうとするのではなく、車輪そのものがジャイロ効果で自然とハンドルを切らせる力を発生させるのだそうです。

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日々、無意識に自転車で曲がっていますが、キャスター角や重心などの構造や、物理学的な仕組みがあり、さらに知らずに逆操舵を使い曲がっていることになります。実は、さらにいろいろと深い部分があり、自転車の仕組みや物理的な作用を数学的に研究し、有名な“Nature”に投稿している学者もいます。

論文には、なぜ逆操舵が必要なのか、誰も乗らないでも安定するのはなぜか、本当の仕組みを実は誰も知らないと書かれています。学術的な観点からすると難問なのだそうです。知らなくても乗れるので実用的にはそれでいいのですが、“Nature”で発表されるほどのテーマになるようです。

自転車は、最初に乗った時は多少苦労するかも知れませんが、乗れるようになってしまえば何も考えずに乗れます。物理学や数学的な法則を考えて乗るのでは大変ですし、頭が休まりません。いろいろと深い部分はあるとしても、無意識にでも乗れるのは、自転車乗りにとって幸いと言えそうです。







◇ 日々の雑感 ◇

G.Wで人の動きが増えてもコロナ感染者はあまり増えませんでした。屋外ではマスクを外し、水際対策を緩和してインバウンドを入れ、円安でお金を使ってもらい景気対策や観光・飲食業の立ち直りに寄与させるべきでしょう。

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