March 29, 2005

放置自転車の対策よりも分散

歩道を占拠今日のニュースで見ましたが、放置自転車対策として、歩道上にも駐輪スペースが設置できるよう法令が改正され、4月1日から施行だそうです。地区によっては、すでに今までも駅前の歩道上に駐輪させてますが、今までダメだったとは意外です。それでなくても歩道上に放置されている自転車が多い訳ですから、果たしてどれだけ効果があるのでしょうか。


延々と並んでいる駅前の放置自転車の列を見ると、自転車に乗る人が多すぎるのではないかとも思えてきます(笑)。時々マスコミなどの話題にも上る、駅前の放置自転車ですが、自治体にとっては莫大な予算をとられる頭の痛い問題です。美観や通行の邪魔だけでなく、緊急車両や救急隊員の通行の妨げになったりもしています。

駅に自転車が集中するのは、交通の流れとして宿命的な部分があります。地価の関係上、駅前の一等地に駐輪場を充分に設置するのが難しいのもわかります。ある程度離れた場所になるのも仕方がないところでしょう。あとは、とめ方のマナーの問題です。少しでも近くにとめたいのが人情ですが、放置禁止の場所には止めず、離れた場所でも駐輪場を利用するようにしなければなりません。

と言うは易しですが、実際にマナーの徹底や、利用者のモラルに期待するのは難しいものがあります。かと言って、なかなかうまい解決策もありません。なかにはレンタサイクルを導入して自転車の共同利用実験をする一部自治体もありますが、目覚しい結果は出ていないようです。意図する通りにはいかず、実際には、他の市町村に乗り捨てられて回収に難航するなど、やはりモラルの低さは、いかんともしがたいようです。

利用者のマナー以外にも様々な要因があり、簡単に解決できる問題ではありません。直接の解決策にはなりませんが、もっと自転車道や自転車レーンが張り巡らされたら、どうなるでしょう。自転車で一駅や二駅、足を伸ばすのは造作もないことです。乗り換えや、駅を降りた後の足を考えると、遠くても自転車でそのまま行く方が便利なこともあります。自転車道によって、自転車利用が便利で安全快適になれば、一部のターミナル駅などへの駐輪の集中が緩和される可能性があります。

通勤など、近郊から都市部へのアクセスを考えても、道路事情にもよりますが、実は驚くほど自転車で行けるものです。例えば、川崎、川口、市川といった隣接県の街から東京駅まで、西宮、生駒から大阪駅までなら、充分1時間くらいで行けるはずです。1時間も自転車に乗りたくないと言われればそれまでです(笑)。でも、ふだん行こうと考えもしない距離でしょうが、実際やってみると意外に近いことに驚く人も多いはずです。

都市部や周辺部の自転車道が整備され、自転車での移動が安全、快適、便利になれば、自転車は最寄り駅までの交通手段という習慣も崩れるでしょう。もっと自転車の利用距離も伸びるはずです。自転車で会社まで通勤する人も増えるかもしれません。結果として、自宅の最寄り駅へ向かう自転車は分散するでしょう。

一般的な街を考えてみると、鉄道の駅が街の中心となっていれば、どうしても駅前に集中します。しかし、近くに例えば幹線道路が通ると、今度は道路沿いや交差点など、ロードサイドにも商業施設などが分散し始めるはずです。影響で、人の流れも駅への一極集中が分散するでしょう。

同じことが、自転車専用レーンの整備によって起こることも期待できます。自転車の流れは、必ずしも駅へ向かわないようになり、専用レーン沿いの駐輪場へも駐輪が分散するでしょう。これらの考え方は、もちろん検証された訳ではありません。しかし駅前に集まる自転車の処理から、如何に駅へ集中させずに分散させるかという考え方の転換も必要なのではないでしょうか。




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