
東京や隣接県などでも、駅から歩ける範囲を外れれば、歩いている人がほとんどいなくなるような場所は無数にあります。
都市部でも、河川や里山をはじめ、公園などにも死角になっているような場所、ふだん人があまり通らない場所はたくさんあります。自転車だと、そういう場所を抜けて走ることも多いのですが、人目の届きにくい場所で必ずと言っていいほどお目にかかるのは、不法投棄のゴミです。捨てやすいポイントもあるのでしょう。
どこにでもとは言いませんが、ちょっと奥まったり、目に付きにくいような物陰に固まって捨ててあったりします。先に捨ててあると、さらにゴミを呼ぶということもありそうです。産廃や硫酸ピッチなどを組織的に不法投棄する悪質業者もいますが、こういう粗大ゴミ等を不法投棄する不心得者はどこにでもいるということなのでしょう。
家電リサイクル法が施行されて、4品目については埋め立て処分せずに再利用する道が開かれましたが、費用も後払いですし、かえって不法投棄を呼んでいるとの指摘もあります。もちろん自治体の粗大ゴミ回収の有料化も影響していると思われます。
こうしたゴミ、なんとか減らせないものでしょうか。不法投棄は、懲役まである重罪だということも、もっと周知すべきです。今どきは、カメラ付携帯の普及率も上がり、普通に歩いている人がカメラを所持している確率が、昔とは比べものにならないくらい高いわけですから、市民に撮影、通報を呼びかけるなんてことも出来そうです。
少なくとも抑止にはつながる可能性はあります。
「おやぢ」さんが捨てに行ったような、買取業者の存在も広まるといいと思いますし、最近では、自治体も不法投棄抑止のため無料での引き取りを開始しているところもあるようなので、もっと知らせてほしいです。
将来的には、ICタグ等による家電や家具などの流通履歴の管理や不用品買取の流通システムも整備されるかもしれません。しかし、どんな不法投棄防止の方策も、ただ面倒だというだけで破る人が必ず出てくるものですし、過度の監視や追跡はコストに見合わないのも事実です。
不法投棄でなくても、クルマからゴミをポイ捨てするような人は残念ながら少なくありません。そういう人のせいで、
「アグリコさん」達のように、そこに住む方々がゴミ拾いをしなければならないわけです。街中でも、住民がゴミのポイ捨てに悩んでいるところは少なくありません。
やはり、最終的には一人一人のモラルにかかっています。モラルを向上させ、捨てるほうの意識を変えなければ、いくら掃除をしてもイタチゴッコです。防いだり、原状回復したり、警戒パトロールをするなど、コストをかけて対策をとる地区もありますが、必ずしも解決するとは限りません。
「
地球家族―世界30か国のふつうの暮らし」という、一部では高く評価を受けている本があります。「家の中の物を全部、家の前に出して写真を撮った、世界の平均的家族の持ち物と暮らしをレポートする前人未到の大プロジェクト。大胆にして空想的な実験の成果。」という紹介文が目をひきます。
「1頭のロバしかもたず毎日40分かけて水をくみに行くアルバニア。2週間も食べられなくてもすべて神様が決めることというインド、生きていることが成功の印というグアテマラは驚くほど物が少ない。テレビも飛行機も見たことがなくても仏に守られているかのように静かに暮らすブータン。そして物が溢れる日本。」と続きます。
写真がたくさん載っており、見ているだけでとても興味深い本です。これを見ていると、改めて日本人の所持品の多さが思い知らされます。こういった、おしなべて大量生産・大量消費型の、自分達のライフスタイルを見つめる視点も必要なのかもしれません。
ふだんの生活圏、行動する範囲内では、あまり気にならない人も多いはずです。私なんかもそうですが、自転車に乗って出かけることで、野山や公園、川や海辺で、そういった光景を目にすることも、少なくともゴミ問題を考えるきっかけにはなるかもしれません。
Posted by cycleroad at 12:00│
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