June 04, 2005

作り出したエネルギーの活用

昨日書いたペダライトのように、自分が運動した力を他の何かに変えられないかという発想は、誰もがもつようです。


ネットで検索しますと、自転車をこぐ力による発電で何かをしようと考える方のサイトが沢山出てきます。個人で自作しようとする方もいますし、素人が製造までするのは難しいので、例えば「たのみこむ」というサイトにリクエストするような方もいます。

この「たのみこむ」は、こんな商品あったらいいのに、という想いをリクエストしてみると、どっかの企業が作ってくれるかもしれない、というサイトです。その中でもペダルで発電する装置は、家具家電部門で4番目に賛同者が多い、となっています。

ちょっと考えると、自転車こぐタイプの自家発電装置はあっても良さそうな気がしますが、果たしてどうでしょうか。実際にあったら、確かに一見便利そうです。売れそう、面白そうと書いてる人も多いです。が、実際には場所もとるし、疲れるし、効率も悪いし、すぐ飽きて使わないのではないでしょうか。

ダイエット用のエアロバイクに装着する手はあるでしょうが、大した電力も得られませんし、素直に電気や電池などを使ったほうが手っ取り早いでしょう。「たのみこむ」でも、ずいぶん以前からリクエストはあがっているようですが、現在のところ実現していません。

シティサイクルなどについている発電装置は、みなライト用です。でも冒頭の写真のような、手回し式の携帯電話充電器や、災害用の手回し式ラジオなども実際にあるわけですから、メーカーは作ろうと思えば簡単なはずです。それでも作られないのは売れないと見ているわけです。

純粋に物理学的に考えるならば、自転車をこぐことによって得られる運動エネルギーを効率よく使うには、自転車本来の、どこかへ移動するという目的に使うのが一番ということです。エネルギーを移動に使うことに比べて、発電に使うのは、ロスも大きく圧倒的に効率も低いのは間違いありません。

エネルギー効率を金額で考えても明らかです。自転車を一時間こいで得られる電力は、金額に換算すると、ほとんど微々たるものですが、自転車で1時間移動した距離を他の交通手段で代替することを考えると、それなりの金額になるはずです。

自分で運動した力を、せっかくだから有効利用したいと誰もが考えますが、ライトなどは別として、わざわざ別のエネルギーに替えるより、なるべくロスなく運動エネルギーに替え、同じエネルギーで、より遠く、あるいはより速く行く目的に徹するのが結局一番いいことになるわけです。

もちろん、わざわざ動力を使うまでもないので、効率が良くなくてもペダルによる人力を使うケースはあります。ペダルの力を使うことによって、環境にも負荷をかけずに済むなど、場合によっては、そうした考え方は合理的ですし理解できます。非常時、動力の途絶えた時の代替として有効な場合もあるでしょう。

ただ、人力にすると著しく効率の悪いものまで人力にするより、動力をうまく使ったほうが結局は省資源、省エネになるわけですし、本来走行するための自転車に装着すれば、少なくともその重量分はロスになってしまいます。本来のエネルギーを無駄に損なうより、走行に徹したほうがいいことも頭に入れておいたほうが良さそうです。




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