サイクルロード 〜自転車への道

謎の金属片のニュースが世間をにぎわせていますが、まだ確たる原因は判明していないようです。

ネットでいろいろなサイトや掲示板をみると、様々な憶測が飛び交っています。それらの情報をもとに推測しますと、おおよその全体像が浮かんできます。おそらく、全体の内のいくらかは自動車が接触事故をおこして、ボディなどの一部がチギれたものと思われます。

ただ、それだけでは説明がつかないので、いくつかの要因があるのでしょう。謀略説や愉快犯とか模倣犯説もありますが、違いそうです。ずいぶん以前からあるようですし、目撃されるリスクもあり、手間がかかる割には犯人の意図する結果が出にくく、置石などと違って簡単には模倣できません。

全国何万箇所もあるのも説明がつきにくいです。愉快犯なら、こんなに偶発性の高い方法はとらないでしょう。山奥や離島でまで発見されているのも変です。いろいろな面から愉快犯や模倣犯という説は、個人的には否定されるような気がします。

いろいろ考えると、看板やデリネーター（道路わきにたてる、反射板のついた視線誘導標）の残骸という説がどうやら有力のようです。場所によっては連続して発見されているようですが、捨て看板なら説明がつきます。確かに針金でとめることも多いでしょうが、留め金でとめるタイプもあります。

わざわざガードレールのボルトをはずすのでなく、とがったくさび形の留め金をガードレールの隙間にかなづちで打ち込む形だと、簡単に素早く設置できるようですし、そのぶん撤去する時は、ちぎれて残りやすいと言います。捨て看板自体違法性が高く、撤去費用を請求されても困るので、誰も名乗り出ないのでしょう。

街で捨て看板を設置している姿は、たまに見ますし誰も不審に思いません。それと、デリネーターと言う反射板のような部品が、昔はガードレールの隙間に同じように打ち込むタイプだったようです。報道されているのは、とがった筍の皮のようなものが多いですが、プラスチックの部品が残り、あきらかにそれとわかるのもあるようです。

他にもあるかもしれませんが、様々な原因によるものが一気に表面化したので、なかなか原因を一つに絞って断定できないこともあるのでしょう。なかなか明確な結論が得られないのは、いろいろなケースを把握、分析するのに時間がかかっていることもあると思います。

今回、足を切る等の怪我の事例が何件か明らかになったことによって、大きな騒ぎになったわけですが、自転車乗りとしては、人ゴトではありません。怪我をするのは、ガードレールの車道側の比較的距離が近い場所を通った時ですが、発見箇所の多さに比べれば、怪我の事例は少なかったと言えるのかも知れません。

今回、金属片の存在がクローズアップされたので撤去は進むと思われます。しかし県によっては、何年か前にも問題になって全部撤去したにもかかわらず、今回また何百箇所も見つかったところもあるようです。今後、何年もすれば、また増加することになるかもしれません。道路の維持管理作業の見直しにも期待したいところです。

今回の金属片以外にも、自転車にのる人にとって、道路上にはたくさんの危険が潜んでいます。例えば、捨て看板から飛び出ている針金、事故で湾曲したガードレール、伸びた木の枝や植え込み、カーブの砂や石ころ、ゴミや落下物などもたくさんころがっています。

パンクの原因になるようなガラス片や、滑りやすいマンホール、開いた側溝のふた、穴ぼこや舗装のはがれ、壊れて折れた柵、倒れ掛かった看板やのぼり、挙げればキリがありません。だからと言って路面ばかりを見て走行するわけにもいきません。

自転車をとりまく環境がより安全になり、自転車レーンの整備などか広がっていくのが一番なのですが、なかなか一朝一夕には進みません。とりあえずは自分の身を守るためにも、今回の件も教訓にしつつ、あらためて注意を怠らないようにしたいものです。

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