
最近の、一部の自転車の安さには驚きますが、同じカテゴリーなのに値段が数倍も違い、にもかかわらず圧倒的に売れている自転車があります。
私も最初、ずいぶん高いものがあるのが不思議でした。いわゆるスポーツ系の自転車に乗っている方は知らない人も多いと思いますが、「
ふらっかーずComo」と言う自転車です。なんだママチャリかと言うなかれ。今どき、1万円以下の格安ママチャリも売っている中で5万円以上もするのです。

正直なところ、私もシティサイクル、特にママチャリと呼ばれる自転車は持ってませんし、詳しくないので知りませんでした。でもネットで検索したりしてもわかりますが、小さい子供のいるお母さんには、圧倒的な支持を受けています。昨年倒産した丸石自転車製ですが、今は滋賀丸石自転車が引き継いで存続しています。
写真が「ふらっか〜ずComo」です。一見すると何の変哲もないママチャリです。ところが
滋賀丸石自転車のサイトを見るとわかりますが、なるほど考えられています。ハンドルの形が特殊で、子供の重心がタイヤの軸上にくるようになっており、後ろのタイヤが26インチなのに前は22インチにして、座面を低くしています。

ベビーチェア部分やハンドルロックなども工夫されています。ふらっかーずPaPaとかMAMAとか、いくつかシリーズがありますが、もともとのComoは、主婦の友社の月刊誌「Como」の読者のお母さんたちの声をかたちにした、子ども乗せ専用自転車なのだそうです。

ママチャリと言うと、どうしても軽く見られる傾向があります。スピードは遅く、歩道を行きかい、駅前に放置され、道路を占拠しているのは、確かにママチャリが圧倒的に多いことは間違いありません。シティサイクルの代名詞のようにもなっています。
しかし、本来の用途、すなわち小さな子供を育てるお母さん、「ママ」用の自転車に徹したという意味で、この自転車が支持されているのでしょう。買い物に行って大荷物を抱えて、小さな子供も連れて歩かなければならないお母さんにとっては、強力な武器となっているだろうことは、容易に想像つきます。
出産から授乳期の大変な時期を過ごしたお母さんにとっては、子供を連れてでも遠出できるようになるというのは、いろいろな面で、思いのほか嬉しいことだそうです。それでも、小さい子を乗せての走行は気を使うでしょうから、こうした自転車が人気を博すのでしょう。

ママチャリも進化しているわけです。自転車は成熟した製品のようにも思いますが、用途や走行する場所などによっても違いますし、利用者の声を取り入れることによって、まだまだ発展の余地があるということなのかも知れません。
面白いのは、同じ考え方でペット乗せ自転車も作られています。上の写真、「N.Y.P.M」ですが、こちらは小径車です。実物は見たことはないのですが、子供を乗せるのと同じ理屈です。荷台にカゴをつけて走るよりはるかに楽で、乗り心地もいいそうです。
ちなみに左の写真は、ギッズトレーラーです。自転車に連結するトレーラータイプで、日本で見ることはあまりありませんが、海外では時々走っているのを見ます。安定して走行できます。双子とか三つ子とか、一気に子どもが増えた場合にはいいかも知れません(笑)。
Posted by cycleroad at 06:30│
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