昨日は、自転車の盗難とロックの話を書きました。ワイヤー錠は切断される恐れがあるなら、写真のようなU字型ロックにすればいいのにと思った方もあると思います。
U字型ロックの弱点の話の前に、昨年、ネット上でかなり騒がれたのでご存知の方も多いのではないかと思いますが、「あの事件」にも触れておきます。写真のロックは、クリプトナイト社のニューヨークシリーズと言って、知る人ぞ知る有名な製品です。
説明によれば、「年間10万台もの自転車が盗まれるというニューヨークで『48時間実験』を勝ち抜いたロック。イーストビレッジにこのロックをかけて48時間放置したところ、盗もうとした荒っぽい傷は多数有ったものの、ついにはあきらめたというロック 」という触れ込みです。
ところが昨年、このノコギリでも壊れないロックが、なんとボールペン1本で破られるという事件が発生しました。ニューヨーク・シリーズには、万一の盗難の際、自転車を買う費用として、3500ドルの保証がついており、ボルトカッター、のこぎり、ハンマー、のみなどによる破壊にも耐えると謳っている製品にもかかわらず、です。
(詳しい経緯は、
こちらの記事。)
注)冒頭の写真の製品は、その後の製品です。クリプトナイト社は、該当する製品の出荷を停止し、対象商品の無償交換を行っています。参考:日本の代理店、
FET社のサイト。U字型以外に、ワイヤーの製品も含めてかなりの対象製品がありますので、もしお使いのロックがクリプトナイト社製なら、上記のサイト等で確認されたほうがいいかも知れません。
もともと、信頼していた人も多いメーカーで、ロックとしては値段も高いものだったこともあり、かなり騒がれました。さらに同社のその後の対応がまずく、火に油を注いだ感もあります。歴史もあり、自転車ロックとしては世界で一番信頼されていたブランドが、ネット上の一ユーザーの報告により、一週間で地に落ちてしまったのです。
開くと言う噂は数年前からあったようですが、あるフォーラムへの書き込みがきっかけとなり、簡単に開けられることを再現した動画が公開され、多くのブログなどでも取り上げられました。結果として、凄い勢いで広まり、ユーザーの集団訴訟にまで発展したそうです。
企業セミナーなどでも、この件は企業のリスク管理の格好の教材として取り上げられることも多いそうです。しかし、この鍵は別としても、この事件のようなボールペンではなく、ピッキングにより開錠してしまうプロの窃盗犯も存在するわけですから、どんな鍵でも、絶対というものはないのも事実でしょう。
さて、U字型ロックには、ものにもよりますがワイヤーと違って切断されにくいという長所があります。ただし、弱点もあります。重いとか、かさばるとか、ワイヤーのようにフレキシブルでないことが挙げられます。結果として駐輪する場所によっては、うまく施錠出来ない場合もあります。
つまり、どういうことかと言えば、..言葉で説明するより、この写真を見ていただければ、一目瞭然です。
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U字型ロックの弱点
Posted by cycleroad at 08:30│
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