大阪堺市の自転車部品メーカー、シマノと言えば世界的にも有名です。自転車乗りなら、その部品のお世話になっていない人は少ないでしょう。そのシマノでは、当たり前というか自然な措置として、30年以上前から自転車通勤が認められています。実際には3割ほどの社員が自転車通勤しているそうです。
うらやましいのは、その待遇で、会社にはもちろん駐輪場が完備しており、管理人が常駐し、空気入れも工具も揃ってます。しかも、個人用ロッカーと男女別の風呂まで完備。朝入浴してから勤務できるそうです。自転車通勤手当も月2,600円支給されて、ディレイラー(変速機)付きなら5,000円というのも、シマノならではでしょうか。
自転車通勤的に、こんなに恵まれていなくても、自転車通勤をしている人は大勢います。大多数は、
昨日も書きましたが、自転車通勤がしたくてしている人達でしょう。通勤時間が楽しい時間になる人達です。もちろんそれ以外にも健康にいいし、ダイエットにもなりますし、満員電車からも開放されるなどメリットは少なくありません。
アフターファイブの付き合いを断る口実が出来たと喜ぶ人もいれば、早寝早起きで生活のリズムも良くなり、若返ったという人も多いようです。とにかく苦痛だった満員電車から開放され、痴漢と間違われるリスクが減ったというのをメリットにあげる人もいます。
運動不足が解消され、ストレス解消や快眠快食、仕事にもいい影響を与え、何よりも自転車で走る時間が取れる、というところでしょうか。結構な距離を通われているツワモノもいらっしゃいますし、折り畳み自転車を社内に持ち込む方もいらっしゃいます。
会社近くで朝やっているトレーニングジムやサウナの会員となり、シャワーを浴びてロッカーで着替えてから出社する方もいます。最近は、家でも朝シャワーを浴びる方も多いですから、そんなに違和感はないでしょう。おまけに昼休みまで乗っている人もいます。
いろいろな工夫をすれば、というより、やろうと思えば結構出来るものだというのが多くの方の実感のようです。実際に行動を起こす人も増えています。誰のためでもありませんが、結果として渋滞や満員電車の緩和、環境への配慮などにつながる面からも注目され、さらに認知されていくでしょう。
自転車通勤する人が増えていけば、自転車通勤しやすい環境が整う流れも出来ていくでしょう。企業や自治体などの理解もすすみます。シマノほどでなくても、会社の対応が向上したり、自転車保管や、ロッカーやシャワーのサービスを提供する施設が増えてくるかもしれません。
世の中のコンセンサスが得られれば、自転車道や自転車通行レーンの整備など、社会的なインフラの整備にもつながっていくはずです。そしてまた、それが人々に、今まで考えもしなかったけれど、よく考えると意外にハードルは低いことに気づかせる循環になっていくといいなと思います。
Posted by cycleroad at 06:30│
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