リサイクルより先にくるもの

昨日は、レジ袋の有料化についての話題を取り上げました。
ゴミの減量としては有効でしょう。でも問題としては、あまりに一部でしかないので、もう少し書いてみたいと思います。容器包装リサイクル法の改正問題は、確かにレジ袋の問題も注目を集めていますが、本質的にはリサイクル費用の負担の増加が問題の中心です。
一般的にリサイクル意識は高まっており、実際に全体としてのリサイクル率は年々上昇しています。しかし、それに伴って、自治体の分別収集の費用の負担がどんどん重くなっているのです。この費用のさらなる負担を企業や消費者が求められているわけです。
新聞などをにぎわしているのは、一部流通業などの企業の容器リサイクル法による費用の支払いの留保があります。いろいろ見方はあるようですが、自治体の分別収集費用の情報開示が足りないことも問題だと思います。一般論としては、自治体の高コスト構造も問題です。
今話題の道路公団を見れば、財団法人のリサイクル協会についても、疑問を抱きたくなります。リサイクルがすすむのは良いこととしても、その費用が増大していき、企業の負担も商品の値段に転嫁され、結局は私たちが負担するわけです。リサイクルに直接関係のない、無駄な費用は負担したくありません。
このあたりの仕組みと費用負担の議論が、問題の中心になっているようです。この問題について私が思うのは、よく考えると本末転倒な部分もあるのではないかということです。つまり、分別して回収する、容器や過剰な包装を、まず減らすべきではないでしょうか。
日本で生産されるプラスチック製品の、なんと半分近くは、実は包装や容器なのだそうです。一口にプラスチックと言っても、商品を包んでいるフィルムのようなパッケージから容器まで様々です。そして贈答品や高級品でなくても、過剰包装はいたるところにあります。
なんでもいいのですが、ここに今、ガムがあります。一粒ずつ包装され、それが箱に入り、透明のフィルムで包装され、さらに3個パックなどと、またパックになっています。売り場では、それが陳列用の箱に入っていて、さらに流通用の段ポールに入れられます。ガム一粒を6重に包装しているわけです。
グリコ森永事件の影響で、フィルムパッケージが増えたということもあるでしょうが、あまりに過剰包装ではないでしょうか。また、食品トレーやら牛乳パックやらペットボトルやらと、リサイクルすべきものの種類も増えて、分別や回収の手間や費用が増大している面も見逃せません。
ペットボトル以外のプラスチックは、あまりに雑多なのでまとめて処理せざるを得ませんが、異なる種類が混ざるので、再生時の品質が低下し用途が非常に狭いものになっているそうです。無駄なものを作るのでは、リサイクルとして成り立たないことになります。
もっと容器や包装を簡素化し、共通化出来ないものでしょうか。極端な例えですが、写真のような容器で、ほとんどのものを流通させたとしたらどうでしょう。菓子でも豆腐でも、ハムでも洗剤でも、全てこの容器にします。形や大きさはいろいろでも、材質が同じならリサイクルしやすいでしょう。
分別も1種類ですみます。家庭で他のものを入れて、容器としても使えます。回収まで、洗ってストックしておけば、ゴミのように臭くなりません。容器包装については、リサイクルの前に、まず絶対量を減らすことが出来るはずだと思うのです。
なるべく少ない種類で統一出来れば、分別回収のコストも減らせ、再生も容易、結局ゴミにするしかないものも、大幅に減らせるはずです。現段階では、とても現実離れしているように思えますが、我々消費者の意識が変わっていけば、企業も採用するはずですし、時代の方向性でもあります。
廃棄物をリユース(再利用)、リサイクルする前に、発生自体を抑制することをリデュースと言いますが、リサイクルの前に、どう考えてもリデュースでしょう。自転車とは直接関係ありませんが、私たちの生活に密着したことなので取り上げました。我々一人ひとりが考えてみるべき問題だと思います。

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Posted by cycleroad at 07:30│
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きょうはゴミ問題について論じたいと思う。
はっきり言って「ゴミ問題は解決が難しい」という声にはいささか疑問を感じる。
「どこが?」と言いたい。
これは私の師匠も言っていたが、日々たくさん出るゴミをなくすにはどうしたら
良いですか?という問いにはこう返せばよ
一人ひとりの心がけ…に喝!!【明日を拓く】at July 17, 2005 13:27
TBありがとうございました。上記記事、ごもっともだと思います。正論ですよね。その正論が敢えて隠されている社会、気づかない人々…そこにも問題を感じます。
俺さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
こういう容器だと、容器だけでもかさばるのが難点ですかね。これは例として、多分その気になれば、いい方法が簡単に開発されそうな気がします。そういう技術開発は、日本の得意な部分ですから。
要は、みんなの意識が変わっていくことだと思うんですよね。実際に、方向付けがされれば、その先は速いような気がします。
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