July 26, 2005

自転車を盗む人々とその背景

自転車泥棒ここのところ、自転車の盗難に関連するニュースがいくつか続きました。


ビジュアル的に寂しいので、各エントリに1枚以上の画像を入れているのですが、今日の話題に関連して名作映画の画像を使ったのは、映画に対して失礼だったかもしれません。一つ目は、神奈川県警の緑署の副署長が、自転車を乗り逃げしたという事件です。

盗まれた自転車が駅前に放置されていたものとは言え、犯人が取り締まる立場の警察の49歳の副署長とはあきれたものです。しかも3度も逃走をはかり、捕まった後の交番での事情聴取にも、当初は氏名や住所を言わず、「自分の自転車と思った」「明日返すつもりだった」などと言い逃れようとしたと言います。最終的には、「表ざたになったら大変で、まずいことになったと思い逃げた」と白状したそうです。

極端な仮定ですが、これが自転車でなく、キーのつけっぱなしになったクルマだったら、さすがの副署長も、ちょっと拝借などとは思わなかったのではないでしょうか。自転車の値段が極端に安くなったことや、まさに放置された自転車があふれていることも、事件の背景にはあるのでしょう。もちろん、だからと言って許されるものではありませんが..。

二つ目は、ブランド自転車を盗んで、ネットオークションで売りさばいていたという泥棒のニュースです。荻窪署に逮捕された41歳の男は77台を盗み、二百五十九万円の売り上げがあったと供述しているそうです。平均3万3千円強ですか。相場はよく知りませんが、中古とは言え、この平均落札価格というのは、自転車のブランドにも詳しかったのでしょう。起業に失敗して困っていたようです。

以前にも、盗難の話題を取り上げた時に書きましたが、まさにその通りの犯人が逮捕されました。私も、一応盗難にあう可能性のある自転車に乗っていますが、イザという時オークション上で発見するため、もしくは後で登録番号などが削り取られても、自分の所有だと証明するため、どこかに自分だけ知っている印でも、つけておく必要があるかもしれません。ほとんど無駄な抵抗かもしれませんが..。

ほかにも、盗んだ自転車を改造して、フリーマーケットで売りさばいていた犯人もいたようです。フリマでは、地元以外の発見は困難です。この50歳の男は、高校時代に自転車競技でインターハイに出場した経験があるそうですが、小学生が車体番号のない自転車に乗っているのに兵庫芦屋署員が気付き、入手経路などから犯行が判明したと言います。副業で、自転車を仕入れて売っていたのが赤字だったのが動機だそうです。

書店の万引きが増えたのは、中古本の量販店が大量に買い入れるからだという話があります。同じように、これらの犯罪には、ネットオークションやフリーマーケットという換金方法が出来たことも、新たに犯罪を助長する部分があるのでしょう。もちろん便利になった部分も大きいわけですが、功罪両面があります。




名作「自転車泥棒」は、48年のアカデミー賞ですから、もう半世紀以上前の作品です。第2次大戦後のイタリアと、現代の日本では、自転車の価値も比べるべくもありません。犯罪の背景や動機、換金方法なども大きく変わりましたが、相変わらず自転車は盗まれ続けているわけです。楼門五三桐ではありませんが、世に自転車泥棒の種はつきまじ、というところでしょうか。




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外国製高級自転車を盗難し、ネットークションに流していた、というお話。 「妻に収入があるように見せたかった」。ベンチャー企業の立ち上げに失敗した男が、生活費を得るために外国製の高級自転車を盗んではインターネットで売っていたとして、警視庁に逮捕されまし
高級自転車泥棒が、BMW乗りなのか・・・orz【BMWおたっきーず!Blog - BMW総合情報ブログ】at July 26, 2005 08:20
 
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