今どき珍しくもありませんが、経済産業省の裏金問題で、長年にわたる私的流用や
使途不明金などが続々発覚しています。
大きなニュースに隠れてしまっていますが、裏金になった委託研究費などの一部は、日本自転車振興会からの補助金であり、元は主に自治体などの競輪事業者が納めている交付金です。競輪事業を手がける地方自治体で構成する全国競輪施行者協議会にしてみれば、ただでさえ売上げが落ち込んでいるところに、私的な株取引などのため横領していたことに強い憤りを表明しているのも当然でしょう。
また補助金を交付する、全国の競輪事業を統括する特殊法人、日本自転車振興会についても、当然のごとく官僚の天下り先であり、その不透明さが指摘されるところです。
その仕組みからして、わかりにくさは否めません。競輪に興味のある方なら多少ご存知かもしれませんが、一般の自転車乗りは、関係のない話と思う方も多いかも知れません。
しかし、
日本自転車振興会自体は、様々な公益事業を手がけています。自転車スポーツの啓発普及やサイクリングの普及、サイクルスポーツ施設の整備、駐輪場の整備から自転車利用の環境推進、交通安全対策から、自転車文化の普及推進まで、少なくない金額の補助事業をしています。
抽象的で、具体的な内容はイメージしにくい項目が並んでいます。少なくとも一般的には、何に役に立っているのか実感がわきにくい、というのが正直なところではないでしょうか。ただ、今どき、政府も自治体も予算に余裕はありませんから、自転車をとりまく環境の改善に貢献する、数少ない資金をもつ団体なのは間違いありません。
その日本自転車振興会会長に下重暁子(しもじゅうあきこ)さん(69)が就任されました。NHKアナウンサーから作家に転じた人です。天下りでなく、女性としては初めての会長です。「お金の賭け方はよく分からない。」という競輪のファンだそうですが、振興会の運営委員を務めてきました。
「社会貢献に収益を使うのが、ギャンブルが社会性を持つ理由。私は物書き。反骨精神もある。特殊法人の改革が求められる今だから、使い方も分かりやすくしたい」と意欲を見せているそうですので、大いに期待したいところです。
ご本人は賭け方を知らないだけでなく、自転車にも乗れないそうなので、自転車の走行環境の改善という意味で、自転車乗りの気持ちがわかるとは言えないのが残念なところです。しかし、是非資金の流れを明朗にし、公益事業に効果的に使ってほしいところです。自転車関係の事業についても、本当に役立つもの、役立っているという実感のできるものを期待したいものです。
以前、
秋葉原の歩行者天国のことを書きましたが、秋葉原のお店の一つで貸し自転車が始まったようです。(→
貸しチャリ、1日500円)どんな自転車かわかりませんが、秋葉原まで自走はちょっと、という方でもポタリングできますね。
Posted by cycleroad at 07:00│
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