
街にも慣れてきましたし、歩くばかりでもつまらないので、レンタサイクルを借りて、ニューヨークの街を走り回ってみることにしました。
日本を立つ前からも考えていましたので、一応、下調べはしてありました。ニューヨークに着いてからも、いろんな場所を観光しながら、自転車には注意を払っていましたので、だいぶ事情はわかってきたつもりです。
まず、アッパーウェストサイドにある貸自転車さんで自転車を借りて、北へ向かいます。大きく違うのは、右のブレーキが後輪で、左が前輪のブレーキと、日本と逆なことです。日本で後輪ブレーキだけ極端にかける癖でもなければ、問題はないでしょう。借りたのは、マウンテンバイクに近いクロスバイクのようなモデルです。
ふだん自分が乗っている自転車とのフレームの違いから、乗車姿勢に多少の違和感があるのと、グリップシフターだったこともありますが、慣れるのに時間はかかりませんでした。ブレーキは、ヨーロッパの国々で自転車を借りる時も、逆の場合が多いので、むしろ日本が逆なのかもしれません。左側通行と右側通行の違いでしょうか。
アメリカ自然史博物館の前を通って北上します。この地区は、中心街よりクルマが少なく、住宅街が多いので、比較的走行しやすいと思います。ただ、なんと言っても、こちには右側通行ですので、その点どうしても違和感があります。
一方通行が多いです。
先日も書きましたが、平気で左側を通行している人もいます。
周りの状況に気をとられて、どこを走っているかわからなくなっても、交差点ごとに、わかりやすい表示が出ているので安心です。ちょっと北に来すぎました。アッパーイーストサイドの方へ向かいます。
有名なメトロポリタン美術館ですが、外側は改装中でした。パリのルーブルに比べれば小さいですが、それでも見始めたら一日では見きれません。今日は素通りします。
さてミッドタウンへ入ってきました。クルマが増えてきます。まっすぐ走ってばかりでも面白くないので、このあたりから縦横無尽に走ってみました。通りによっても走りやすさが違いますし、専用レーンの通行が義務付けられたりしています。
そのあたりを時々、標識も確認しながら走行しますが、初めてなので、さすがに戸惑う場合もあります。最初のうちは地元の人の後をくっついて走ってみました。
時々、こういったモニュメントがあったりするのが楽しいです。奥は大きな針とボタンです。繊維業界に関係の場所でしょうか。同じ人ばかりでは変なので、時々停まって、違う人について走ります。ついて走ると言っても、周りの人が右側を通行しているか、一通の逆走になってもレーンを通行しているか、などに気をつけているだけで、ピッタリくっついているわけではありません。
たまたまかもしれませんが、写真をとっている人が多いなと思ったら、プレイボーイ社の前でした。
エンパイアステートビルも真下からでは、よくわかりません。
この派手なビルは、あの不動産王トランプ氏のビルです。
景色を楽しみながら走ります。高いビルが多いので、どうしても見上げる形になります。ただ、こちらは違反には厳しいという話も聞きますし、くれぐれも歩道を走行したり、変なところを走行しないよう気をつけます。
有名なフラットアイアンビルですが、ここも外壁修理中のようでした。
いろいろ見所を廻りながら南下して、ソーホー地区に入ります。
舗装が悪くて、走りにくい道もけっこうあります。
お洒落な地区で、クルマの通りも緩やかです。
マンハッタンブリッジを渡って、ブルックリン側へ行くことにします。なかなか徒歩では駅からも遠くて来にくい場所でも、自転車だと楽です。当たり前ですが..。自転車でも渡れるはずですが、人通りがなかったので、一応地元の人が通るのを確認してから渡りました。
以前に別の州で、クルマを運転していて違反キップを切られたことがありますが、観光客だろうが、規則を知らなかろうが、この国の警察は容赦はしません。例え自転車でも、違反すれば裁判所出頭と言いますので注意が必要です。
隣を地下鉄が通っています。ここを渡る人は少ないようです。
渡ったブルックリン側から、イーストリバー越しにマンハッタンを眺めると、絵葉書にあるようなアングルです。
ブルックリンを走り回って、今度はブルックリンブリッジからマンハッタン側へ戻ることにします。こちらの橋は、徒歩で渡っている人も多いです。観光名所としても有名な橋です。
きちんと歩行者と線で分けられています。
橋の中央付近からの眺めもまた格別でした。渡ってしまうと、また見上げるばかりですが、ロウアーマンハッタンの眺めです。
橋から降りてくると、ウォール街などのあるビジネスの中心地です。
フェデラルホールの前には、ジョージ・ワシントンの銅像が建っています。
このあたり、さすがに警備が厳重です。観光客は記念撮影したりしていますが、武器も重装備で、とても物々しい雰囲気です。
ウォール街周辺は、観光客も多く、とても人通りが多いです。
道路工事や、警備上の都合からか通行止めになっている場所もあります。
関係ありませんが、よく映画に出てくるようなスクールバスも走っていました。
マンハッタンの最南端にやってきました。ここは、バッテリーパークです。ここの部分は自転車乗り入れ可能です。
ハドソン川沿いに、自転車が通れるようになっています。
芝生があったりして、市民の憩いの場所にもなっています。
さて、バッテリーパークから北上すると、自転車専用道があります。後ろはレンタルサイクルのようです。
ずっとハドソンリバー沿いに、きれいに整備された自転車道が続きます。あまり観光ガイドブックには載っていないかもしれません。
とても走りやすい専用道です。
ほとんど一般の市民が利用しているようです。ニューヨークまで来て、自転車に乗る観光客は少ないのかもしれません。
マンハッタン島の最西端を通る形なので、横切る道路もなく快調に走れます。たまに沿岸の施設の入り口があって、自転車用信号がついている場所があります。
ここからずっとアップタウンまで続いています。この後は、貸し自転車屋さんまで走行しました。
ざっと紹介しましたが、途中いろいろなポイントを見ながら丸一日の行程です。メーターがついていなかったのでわかりませんが、かなりの距離を走ったと思います。当たり前ですが、とても効率的に街を回ることが出来ました。ほかにも、なかなか行きづらい所なども行けましたし、かなり充実した一日となりました。
自転車でまわるのは、市街中心部など危ない場所もありますので、誰にでもお勧めとは言えません。特に日本で主に歩道を走行している方には、ちょっとお勧めできません。自転車専用道だけ通るなら問題ありませんが、逆にわざわざニューヨークで自転車に乗る意味がありません。
万一にも怪我をして病院にかかると、こちらの医療費はとても高額ということもありますし(保険がないと)、知らない場所でのトラブル、交通違反、盗難、事故に巻き込まれても厄介です。観光だけならタクシーやバス、地下鉄と徒歩でも充分まわれます。ペロタクシーもありますので、貸し自転車はやめたほうがいいでしょう。
そんな訳で、必ずしもお勧めできませんが、お好きな方、自信のある方は、ニューヨークへ来たときに自転車を借りてみるのも面白いかもしれません。
そうそう、書き忘れましたが、ちゃんとヘルメットもかぶりました。たぶんレンタサイクル屋さんで借りれると思いますが、ヘルメットもお忘れなく。ほとんど碁盤の目ですから、わかりやすいですが、当然地図も必要ですし、途中でとめてカフェや昼食で自転車から離れる場合、
例の鎖とカギも必要です。いろいろ面倒な部分も多いですね。今回は特にトラブルもありませんでしたが、盗難や治安の悪い地区もあるようですので、くれぐれもその辺りは自己責任でどうぞ。
こんにちは。自転車旅行記楽しく拝見しました。3月末からNYに行く予定の50歳代男性です。個人的な質問で恐縮です。私も自転車でNYを散策して見たいと思っているところです。その理由のひとつは歩いて観光することに体力的に自身が無いことがあります。そして自分のペースでゆっくりと見て回りたいのですが・・・。自転車ですとおそらく1日がかりで20km前後は走れるとは思うのですが。また公衆トイレは少ないと聞いていますが食事、喫茶店以外はどのような場所があるのでしょうか。果たして楽しむことは出来るのかな? 2日(滞在は1週間フリー、今回は一人旅です)に分けるのが良いのかな?と何かと不安もあります。どうかご助言いただけますように。宜しくお願い致します。horii